これは子どもを抱えて離婚を選択する場合の永遠のテーマではないでしょうか。
ある人は、子どもがいるから離婚しない道を選択するでしょう。またある人は、子どもがいるからこそ離婚の道を選択するでしょう。
私は後者でした。
離婚を選択することを、子どもたちはどう感じているのでしょうか。
私はこれから子どもの気持ちをどう受け止め、何を伝えていきたいかをまとめました。
「子どものために離婚する」「子どものために離婚しない」は、どちらも正解
たとえば、夫婦のどちらかがDVを受けている場合、「子どものために暴力を我慢しなさい!」と周りが言えるでしょうか?おそらく、とても言えないと思います。
結婚生活を続けることがどれほど困難であるかは家庭によってバラバラです。DVである場合は命の危険すらあります。それを子どもを引き合いにして何が何でも結婚生活を続けなければいけないと結論付けることはできません。
私の場合は身体的暴力は無かったものの精神的には非常につらい思いをしていました。離婚を選択せずにあのまま結婚生活を続けていたら心身を壊し、とてもまともな人生を送ることはできなかったと思っています。
さて、表題の子どものために離婚を選択するか、子どものために離婚を選択しないかについて、これは人それぞれ考え方が違うため答えは出ないと思います。また、離婚を考えるようになった原因も個々の家庭で違います。なので、一概に子どもがいるからという一点のみでどちらが正しいかというのは判断できません。
私としては、「子どものために離婚する」のも「子どものために離婚しない」のもどちらも正解であると考えます。
子どものことを考えた上で、離婚するかしないかという結論は違っていいのです。
「子どものために離婚する」「子どものために離婚しない」は、一緒に存在していい価値観
「子どものために離婚する」と「子どものために離婚しない」というのは、一見真逆の考え方のように思えますが、相反する考え方ではありません。
それぞれの離婚を考えている家庭ではどちらかを選択することになりますが、それぞれ別の家庭であるので、ある家庭では前者を、ある家庭では後者を選択することはおかしくないからです。
恐ろしいのは、さまざまなケースがあるのも関わらず一様に「子どもがいるから離婚はダメ」と結論付けることです。これは、もはや思考の停止です。考えることをやめた時点でいい結果を出すことはできないでしょう。
どちらを選んでも、批判をされることがないと良いと思う
そして、私自身は離婚の道を選びましたが、離婚をしないと選択した人を批判するつもりもありません。
どちらに道を選んだとしても、それは夫婦と子どもの問題であり、周りが批判できるものではないからです。
特に夫婦生活がうまくいっているかどうかというのは周りの人にはよく分かりません。うまくいっているように見ていた夫婦がある日突然離婚することもあります。
私自身、友人からも「え?仲が良さそうだったのに!」とか「全然そんな風に見えなかった」と言われました。それは、夫の外面が良かったことや私が夫の批判を家庭の外で言うことがほとんどなかったからだと思います。実際はストレスで体を壊していたのでしたが、(親しい一部の友人を除いて)周りには家族がうまくいっていないことを言えませんでした。
また愚痴を多く言っているからといって夫婦仲が良くないと結論付けることもできません。外で愚痴を言うことでストレスを適度に発散し、家の中では円満にやっているケースもあります。
周りからは家庭の中の状況がどうなっているかを判断することは非常に難しいのです。それで「子どものために離婚をしない」と安易に言ってしまえば傷つく人は必ずいます。
択一的な価値観というものは一方を選択しなかった人の価値観を否定することになります。
「AだからB」ではなく「AでもBを選択してもいいし、Cを選択してもいい」という考え方になっていってほしいと思います。
もちろん、心身の健康が第一
実際に、子どもがいるからと離婚をしない家庭もあります。
世間では「子どものために離婚をしない」という考えの方が浸透していて、「子どもがいるのに離婚をするのは悪い親だ」と言われてしまうことも離婚をためらう理由の一つです。
ですが、離婚を選択するかしないかのとき、子どものことは真っ先に考えているはずです。
私は子どものことを考えた上で選択するのであればどちらも正しいものであると思います。
例えば離婚する時期ですが、「子どもの受験が終わった後にしよう」とか「名前が変わることで子どもが苦労しないように学年が変わるタイミングにしよう」など、子どもに配慮することが求められます。
しかし、結婚生活が心身に重大な健康被害をもたらすケースもあります。
そういった場合は、あなた自身の心身の状態を最優先させることは全く悪くはありません。
子どもが将来、離婚したことを責めてきたら?
離婚の影響を一番受けるのは子どもです。そして、子どもから離婚を選択したことを責められたら、どうしたらいいのでしょうか?
理由は「両親のいる家庭で育ちたかった」とか「学校で同級生から差別された」とか、いろいろあるでしょう。
私は、その言葉を受け止めてあげるしかないと思っています。
離婚を選択したからといって必ずしも子どもがマイナスに取るかといったらそうとは限りません。
場合によっては、「夫婦喧嘩を見るのがつらかった」「早く離婚して欲しかった」という子どももいるでしょう。
一方で、「絶対に離婚してほしくなかった」という子どもだっています。
離婚を選択したことで子どもから責められるかどうかというのは、子どもによるのです。それは子どもの自由な気持ちです。親がどうのこうのできるわけではありません。
逆に、同居親が子どもを味方につけるために、別居親を怨むように仕向けるほうが不健全です。子どもが親の言うとおりに行動する、親と同一の価値観を強制するなど、子どもと親が一体化していることは子どもの健康な成長の邪魔になります。将来的には子どもがアダルトチルドレンになったり、同居親への強い恨みを抱えてしまうこともあります。
子どもは親の思ったようには成長しません。親と子どもは別の人間です。
勘違いしてはいけないのは、子どもが離婚をしたことを責めてくることと、同居親を嫌っているかどうかは全く関係がないということです。
子ども自身が感じたことをそのまま親に伝えてくれることは健全なことです。それは、あなたの子育てが間違っていなかった証拠でもあるのです。
もし、子どもが離婚で親を責めるようなことがあればそれをそのまま受け止めてあげればいいと思います。
そして子どもがある程度の年齢になれば、離婚を選択したときの気持ちを正直に話してあげることが必要です。
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