あなたの周りに、モラハラ被害に苦しんでいる人はいませんか?そしてその人は、「私が悪い」と自分を責めて、被害者であることを自覚していなかったりしませんか?
モラハラ被害者は、多くの場合自分は加害者であると誤って認識しており、ましてや自分が被害に遭っていると気づいていないことが多いのです。そのために、加害者から離れる行動をおこそうとしません。
周りから見て明らかに被害者であり、加害者が悪いのだと諭そうとしても「それはあの人の本当の姿ではない!本当はとてもいい人なの!」とかばおうとして、一向に被害を自覚してくれません。さらにはどんなアドバイスも「でもでも、だって…」と跳ね返され、改善されることがありません。
このため被害者は、どんどんと加速したモラハラに病んでいってしまうことになります。
本人が別れを選択しないので、周りは無理に引き離すこともできず、助けることができないことに無力感を覚えます。
どうしたら、本人がモラハラ被害を自覚し、適切な行動を取ることができるのでしょうか。
目次
被害者が被害を自覚できない原因① 愛情フィルタ
被害者は、周りが見ればどう見てもひどい扱いを受けているのに、それを「愛されているから」などと言った別の意味に捉えてしまっていることがあります。その原因は、加害者への愛情です。愛情のフィルタがかかっているために、相手の行動を良くとらえてしまい、被害を自覚できません。
周りが被害者を正しく被害者だと認識できるのは、客観的視点があるからです。しかし、被害の渦中にいる本人は、この客観的視点を持つことがなかなか難しく、そのため被害を正しく把握できないのです。
被害者が被害を自覚できない原因② 洗脳状態
また、加害者は被害者をつなぎとめるために、飴と鞭を使い分け、マインドコントロールをしていきます。そのため、被害者は「自分は何もできない」「一人では生きていけない」「彼に頼るしかない」と思っています。そして、そんな自分を見捨てないのはモラハラ加害者だけであると思い、依存してしまっています。
洗脳状態は、相手との物理的距離が離れれば簡単に解けることがあります。なぜなら、離れて暮らしているときに生活が成り立てば相手が言っていたことが正しくないと分かるからです。また、マインドコントロールは、外からの情報を取り入れることで解けるといわれており、非モラハラ環境での生活や、モラハラ加害者以外との付き合いができれば自然と解けていきます。
モラハラ夫からのマインドコントロールを自覚するのに日記はかなり有効!
モラハラを自覚するのには、まず物理的に距離を取ることです。そして、洗脳状態を解き、普通の心理状態になることが必要です。
そしてモラハラ環境にいたときの日記があれば、この時にモラハラ被害を自覚するのにものすごく役に立ちます!
なぜなら私が別居してマインドコントロールが解けたとき、モラハラ被害を自覚するのに役に立ったのが毎日つけていた日記だったからです。
物理的に距離をとってもマインドコントロールが解けた状態でも、相手に愛情があれば、愛情フィルタは残った状態です。そのため、「相手の親が悪いのでは」「病気が悪いのでは」「本人は悪くないのでは」という考え方がなかなか抜けません。
しかし、日記に残っている客観的証拠は、自分が改竄して美化した記憶をありのままにとどめてくれています。
この日記に、相手から言われたモラハラ発言を記録していなくても大丈夫です。(もし、モラハラ発言を記録していれば役に立ちますので、できたら日記につけることをオススメします。)
私の場合は、日々の出来事に加え、その日作った料理の記録や、離乳食の記録、子どもの一日のスケジュール、子どもが話した言葉などを記録していました。つまり夫のモラハラを日記に残していたわけではありませんでした。
夫からは、私がいかに家事をせず、子どもを虐待し、ひどい妻だったのかという告発文のようなものが調停に提出されました。しかし、その内容は私が毎日記録していた生活の様子とは真逆だったのです。
このときに、夫の言い分が現実と全く異なっていることにようやく気付いたのです。
そして、この人は私が現実にいくら家事をしようが、育児をしようが、それを夫が認めないがために「至らない妻」を作り出すのだということがわかりました。つまり私の頑張りと、夫の評価は全く関係がないものだと自覚できたのです。
夫が言っていた、「至らない妻」というのは、夫が作り出した空想上の妻であり、現実とはリンクしていません。そしてその妻は現実には存在していないため、現実の私がいくら頑張ろうが評価が変わることもありません。モラハラを続けるための、「スケープゴートとしての妻」なのです。
そして、「至らない妻」「母親失格」という言葉に騙されて、育児や家事をきちんとやっていたことを「自分自身でなかったこと」にしていたのです。
ですが、私が書いた日記には、きちんと育児も家事もやっていたという証拠が残されていました。
ようやく現実を客観的に評価できた瞬間でした。
そして、「愛情フィルタ」がはがれ目が覚めてからは、相手の誤った行動を「愛情」だと変換することはなくなりました。相手がいかにひどい人物かを正しく認識できるようになったのです。
モラハラ被害を自覚していない人も「日記」をつけてほしい
「日記」をつけることは、のちの回復に役立つことは間違いありません。ぜひ、被害を自覚していない方も日記をつけて「あなたがした日々の出来事」を記録していってほしいのです。それを客観的に見ることができるようになったときに、大いに役立つ証拠になるでしょう。