モラハラ被害から回復する 心理的ダメージを治す6段階の過程を解説

モラハラ被害から回復する 心理的ダメージを治す6段階の過程を解説

モラハラは被害者の魂のDVと言われるほど、心を痛めつけるひどい行為です。

モラハラ被害に遭ってしまった場合でも、一刻も早く被害から抜け出し、心が回復することを願っています。

私自身、別居から離婚を経てどのように心が変化していったのか。そして、どういった症状や苦しみがあってそれを癒すために何をしたのか。

自分の体験談をもとに解説します。

目次

モラハラ被害者の心の変化

モラハラ被害者に必要なのは、モラハラ環境から離れることです。

モラハラ被害者は一種の洗脳状態にあるため、自分で本当の気持ちに気づくことができません。客観的に見れば明らかに離れたほうがいい環境でも、思考停止に陥っており自ら離れることができません。

まずは何らかの形で(別居など)モラハラ加害者と物理的な距離を取ることが重要です。

そして、モラハラ環境がなくなってから始めて、自分のいた環境のおかしさや自分自身の気持ちに気づくことができるのです。

下記に書いたのはモラハラ被害者が回復するまでの心の流れです。時期の順番は人によって前後したり、同時になったりします。

①自責期・混乱期

自分の我慢が足りなかったのではないか、自分の行動が子どもを不幸にしてしまったのではないかなど、別居や離婚になった責任は自分にあると思って自分を責めます。別居や離婚時にモラハラ夫から「お前のせいで離婚になったんだ!」と言われているケースもあります。
自分がもっと我慢をしていれば、自分がもっと違う行動をしていればちがう未来があったのではないかと、理想の未来を想像して罪悪感にかられます。

しかし、いずれにせよ理想の未来が存在することはなく、時間が経てばそのことに気づくことができます。

自責期には、「自分が変われば元の関係に戻れる」「自分が謝れば許してもらえる(何も悪いことをしていないのにもかかわらず)」と思い込み、間違った努力をしてしまう可能性があるので注意が必要です。

②ロス期(喪失感)

いきなり環境が変わるため、以前の環境を恋しく思います

特に、以前の住居近くに戻ってくる用事があった時に恋しい思いが大きくなり、良い思い出だけを思い出す傾向にあります。

以前の生活を何度も思い出し、いきなり環境が変わったことをなかなか受け入れられずに、心に穴が開いたように感じます。

これは、習慣として続いていたものや日常がある日突然なくなってしまうと起こる現象です。たとえば、テレビドラマが終わってしまったときや、大好きな芸能人が結婚してしまったときにでも起こります。

注意しなくてはならないのは、ロス期は喪失感から来るものであり、ロス状態が引き起こされる=その環境自体が良かったと判断できるものではないのではない、ということです。

人間は同じ環境を維持しようとする力が働くため、失ったことを悲しみます。たとえ失ったものが良いものでなかったとしても、同じようにロス状態は引き起こされるのです。

ロス状態が起こると、寂しさから「やっぱりモラハラ加害者のことが必要である」と勘違いしやすく、この時期にモラハラ加害者と連絡を取ってしまうと、モラハラ環境に自ら戻ることを選びやすいので、注意が必要です。

③他責期

自分が加害者ではなく被害者であることに気づき、モラハラ加害者を憎んだり責めたりするようになる時期です。

この時期になると、モラハラ加害者から受けた行為により人間不信になっている場合もあり、周囲との人間関係がうまくいかなくなることもあります

他の人にイライラをぶつけていたり、あなた自身が受けたようなモラハラ行為を他人にしていませんか?

自分の行動を省みることも大切です

時間が経てば落ち着いていきますが、症状がひどい場合はカウンセリングや投薬治療などを受けたほうがいい場合もあります。

周りからのアドバイスを落ち着いて受け入れることができ、自分でも必要と感じた場合は一度クリニックを受診してみましょう。

この時期には、あなた自身がモラハラ加害者と同じような行為をしてしまっていないかを自問自答して、自分の行いを振り返ることが必要です。以前から仲良くしてもらっていた友人や大切な家族と溝ができ、関係にヒビが入ってしまうことがあるので、自分の行いが人を傷つけていないか注意しましょう。

④反復・加害者に対する怒りを持つ時期

自分にされたモラハラ行為を何度も何度も思い出す時期です。どうして自分があのようなひどい扱いを受けなければならなかったのか、なぜ自分だったのか、自分の何が悪かったのかと答えのない自問自答を繰り返します。

反復期は、モラハラ期間が長ければ長いほど、トラウマが深ければ深いほど長く続きます。

この時期のモラハラ被害者は、受けたモラハラ行為を思い出しては、イライラするという精神状態を繰り返します。

実は、トラウマを繰り返し思い出すことはトラウマを克服に必要な行為です。

反復期は受けたストレスを自己処理するために必要な期間なので、自身でもモラハラ行為を何度も思い出すことをやめようとせずに心のままに考える時間をつくりましょう

周囲は、イライラ状態を受け入れてあげることが必要です。

この時期に、他の人のモラハラ体験談を読んだり、他のモラハラ被害者と話をしたり、自分のモラハラ体験談を他の人に話すことは非常に効果的です。

また、自己消化のために今まで受けたモラハラを日記などに書き起こすことも有効です。自分が抱えているものを文字にすることで外に分散させることができ、心が軽くなります。

※しかし、記憶が抜け落ちるほどトラウマの根が深い場合は、反復することで精神状態が悪化する危険があるため、無理に思い出すことは絶対にやめましょう。

受けたストレスを自己消化する時期です。一緒に暮らしているときには、ストレスを受けていることを気づいていなかったため、その時期にたまったストレスが一気にきて体を壊してしまう可能性もあります。ゆっくりと気持ちを休めるつもりで回復に望みましょう。

⑤絶望期

「もう、自分の人生は終わってしまった」のようにひどい悲観的な思考をするようになり、人生に絶望します

ひどい場合、うつ状態になり、なにもできなくなります。

うつは、ストレスを感じている最中よりも、ストレスが過ぎ去ったころになりやすく、モラハラ環境がなくなるとまさにストレスがいきなりなくなるので、モラハラ加害者との別居後に鬱になるケースがよく見られます。

いつもと違う、何もやる気がしない、思考がまとまらない、考えることができない、起き上がれないといった症状が出てきたら迷わずにクリニックを受診しましょう

⑥回復期

上記、5つの時期を繰り返した後、徐々に回復していきます。

回復の兆しとしては、

「モラハラ加害者と決別することを自分で決めることができた」

「自分が悪いのではなく、悪いのはモラハラ加害者であることが分かった」

「もし、あのままモラハラ加害者と居たら絶望的な未来があったことを想像できるようになった」

「自分の将来のことを考えることができるようになった」

などの考えが持てるようになったときです。

回復期になってもまた、①~⑤に戻ることもあります。

心の傷が癒えるには長い時間がかかります。

回復までには、いろいろな制度を利用したり、周りに頼ることが必要不可欠です。

決してひとりで抱え込まないようにしましょう

モラハラの連鎖を防ぐために、被害者は自分の心の回復に努めよう!

モラハラ被害者がモラハラ加害者に転じてしまう可能性は非常に高いと言われています。モラハラ被害者であるあなたは、自らが加害者になりさらに被害者を増やすことを防がなくてはいけません。そのためには、モラハラ被害で傷つけられた心を癒すことが必要です。

別居した後に、周囲の人との亀裂が走り、実家や古くからの友人ともうまくいかなくなる時もあります。周囲の人間関係がうまくいかないと感じたとき、自分自身の心の声をよく聞いてください。

私は夫との結婚生活は約5年でしたが、別居から2年間はこうした被害に苦しみました。結婚生活が長かったり、被害が大きい場合は回復までにさらに時間がかかる場合があります。

決して自分の負の気持ちを抑え込んだりしないでください。負の感情を積極的に日記やブログなどに書き出してみてください。

自分の気持ちを吐き出し続ければ、解毒のように体にたまった負の感情が徐々に消えていきます

そして、次第に回復していけば、周囲の人間関係の亀裂もなくなり、以前のような付き合いができるでしょう。

まとめ

別居直後は、モラハラ加害者を憎む気持ちが強く、周りへの態度もひどかったように思います。感情的になり、調停の場でも何度も涙を流しました。

しかし、それと離婚の条件はまた別の話です。

離婚の条件を選ぶときは自分にとっていかに利益が出るかを追求することが最も健全で、後悔しない方法です。

恨みにとらわれて無駄に裁判をしてしまったり、無駄にお金を払ったり、無駄な人生を過ごすことがないようにしてください。

私としては、いつまでもモラハラ被害にとらわれて今後の人生まで無駄にしてはいけないと思っています。

幸せな人生を送ること。

そうして初めて、過去のモラハラ被害を清算できたといえるのではないでしょうか。

こちらに私のモラハラからの回復体験談を載せています。

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