経済的DVとはどんな行為?対処法は?離婚するためにやるべきこと

モラハラ夫がする経済的DVって?対処法は?離婚理由になる?

モラハラ夫の中には、専業主婦の妻にお金を渡さない、レシートや家計簿を細かくチェックする、自分の物にはお金をかけるが家族の物にはお金をかけたがらないといった特徴を持っていることが多くあります。これらの行為を経済的DV(経済DV)といいます。

経済的DVとは、お金を管理し、お金を渡さないことで妻や家庭を支配することです。

直接暴力や暴言にさらされているわけではないため、被害者も経済的DVを受けているという自覚を持ちにくいと言われています。

どんなことが経済的DVに当たるのか、経済的DVを受けていると気が付いたら、どんな対処をすればいいのかをまとめました。

目次

どんなことが経済的DVに当たるの?

経済的DVはお金を渡さないといった分かりやすいものから、給料を教えないといった分かりにくいものまで多岐にわたっています。

1.給料・貯金額を教えない

気付かれにくい経済的DVで多いのが、いくら稼いでいくら貯金をしているのかを妻に教えないというケースです。家計はすべて夫が握っており、通帳からお金を引き出すところから振り込みまですべて夫が担っていることが多いようです。給料を何にいくら使っているのか、貯金がいくらあるのか妻は全く把握していません。

給料明細を見せて欲しい、通帳を見せてほしいと言ったときに何らかの理由をつけて収入を隠す場合、経済的DVを疑ったほうがいいでしょう。

2.十分な生活費を渡さない

生活費を渡してくれないだけでなく、生活費を渡していたとしても、「今月は2万で生活しろ」のように無理やり切り詰めなくてはやっていけない程度のお金しか渡さない場合も経済的DVに当てはまります。

元々の収入が少ないわけではなく、「稼ぎは多いのに、十分な生活費を渡さない」というケースも多いので注意が必要です。残りのお金を全額自分の小遣いにしたり、生活費が足りていないのにもかかわらず、多く貯金をしたりします。(モラハラ夫にはお金を渡さずにため込む人も多いです。)

夫から渡される生活費が、生活する上で足りているかどうかを知るためには、家計簿をつけることが大切です。夫自身も「何にいくらかかり、いくら生活費が必要なのかを知らない」場合もあるからです。

明らかに生活をする上で足りていない金額なのに、「お前のやりくりが下手だから」といって妻に責任を擦り付けることもあります。まずは、お金が足りていないのか、余計な出費が多いのかを正確に把握することが必要です。

中には私のように、「夫から1円も渡してもらえず私物が買えない」というケースもあります。

3.家計を厳しく管理する

妻が買い物をしてきたレシートを細かくチェックし、1円単位で財布の残高と一致しているかどうかを細かく管理することもあります。几帳面なのではなく、妻が「家計からへそくりをためていないのか」を把握するためです。

また、財布を自分だけが握り、買い物に行く時は夫だけ、もしくは必ず夫がついていってお金のやり取りは夫がやると言った細かいルールを作る場合もあります。我が家の場合も、夫がいない場合は家計からお金を出す買い物はしてはいけないことになっていました。

妻の稼ぎをすべて夫が管理するケースもあり、妻はいくら稼いだところで手元には全くお金が残らないこともあります。

4.自分のものは高価なものを買い、家族のものは安いもので済ます

自分の稼いでいたお金は自分のために使い、家族のものは「俺が買ってやっている」と思っているモラハラ夫は非常に多いです。

そのため、「家族に出すお金」はできるだけ抑えようとし、100均など安物で済ます一方、自分のためには金額を気にせずにお金を使う傾向にあります。

そもそも自分が主だと思っている彼らは、自分の稼ぎを家族に使われることを良しと思っていません。

5.妻が自由にお金を使うのを許さない

夫は、月々のお小遣いがあるのにもかかわらず、妻にはお小遣いがない(共働きでも)と言ったケースです。

毎月のお金を渡してもらっている場合でも、そのお金が少なくて生活費ですべて飛んで行ってしまうのであれば、妻が自由に使えるお金はないも同然でしょう。

また、夫にレシートと引き換えにしなくてはお金をもらえない、前もって美容院に行くからいくら必要と言わなくてはお金がもらえないといったケースもあります。

働いている妻が夫に稼ぎを渡しているケースでは、出張のお金や交通費など仕事にまつわるお金すら夫に頭を下げなければもらえないこともあるようです。

6.妻に仕事を辞めさせる

「妻は家庭を守るべきだ」ともっともらしい理由をつけて仕事を退職させたり、外に働きに行くことを禁止したりします。妻が稼いできて自由になるお金があれば、妻を支配、コントロールすることは難しくなるからです。経済基盤があれば離婚もたやすいですし、離婚後生活に困ることも減るでしょう。

しかし、そうであってはモラハラ夫は困るのです。自分の稼ぎで家族を養っていて、大黒柱として尊敬される立場でなくてはダメだからです。そして、自分がお金をコントロールすることで、家族や妻が困ることを楽んでいます。それでもなお、家族や妻が自分から離れていかないことが分からないと不安にになります。

生活苦で働きに出ようとすると、「外に働きに行きたいのは、浮気をするためだろう」と言って疑い、何が何でも妻が働くことを許さないこともあるようです。

7.勝手に大きな買い物をする・借金を作る

家電や車と言った大きな買い物を、家族への相談なしに勝手に買ってきて事後報告をするような人もいます。

それも、十分な貯金がないのにもかかわらず「ローン」や「クレジットカードの分割払い」などを利用します。買う必要のないものを突然買ってきて家族を困らせることもあります。

家族はモラハラ夫の突然の買い物で困窮し、生活苦を強いられたり、習い事や進学を諦めなくてはいけなくなったりしますが、モラハラ夫はそんなことはお構いなしです。

経済的DVをするモラハラ夫の心理は?

そもそも自分のお金だと思っている

モラハラ夫は自分が稼いできたお金はすべて自分のものであると思っています。

妻が夫の分の家事をやり、モラハラ夫は一人暮らしとは違う生活を送っていたとしても、妻が家事をすることについては「当たり前」であるのに対し、自分のお金を家族に使うことは「自分がしてあげている恩恵」だと思っています。

妻や子どもをコントロールしたい

モラハラ夫は、妻や子どもが自分の言うとおりにしなかった時に「じゃあお金を払わないから。良いんだな」と脅しをかけるような言葉を言うことがありませんか?

こう言われてしまえば、お金がないと困る妻や子どもは言うことを聞くしかありません。

経済力を盾にすれば、その経済力を頼らざるを得ないポジションの人に簡単に言うことを聞かせられます。

「あなたたちの人生の決定権は俺が握っている」

「だから言うことを聞け」

これがモラハラ夫の心理です。

本当は自分のためだけにお金を使いたい

モラハラ夫が愛しているのは自分だけです。

本当は自分のためだけにお金を使いたくて、妻や子どもに使うお金は無駄なお金だと思っています

妻を責める材料にしたい

食費や生活費など、生きるのに必要なお金は、最低限このくらいは絶対に必要だというラインがあります。たとえば食費であれば、月に1人2万円はないと厳しいでしょう。

贅沢をしているわけではなく、むしろとても切り詰めて節約をしているのに、お金が足りないという妻を「お前のやりくりが下手なせいだ」と責める材料にします。

王様のようにふるまうのが気持ちいい

家庭内でお金を使える自分とお金を使えない他の家族を作り上げ、上下関係をつくります。

お金がなくて悔しい思いをしている人の横で、散財をしたり、いいものを食べたり、好きなものを買ったりすることが気持ちよく、そのことで「自分は偉い人間なんだ」と万能感を高めています

経済DVを受けていると気が付いたらどう対処すればいい?

モラハラ夫は、もっともらしい理由をつけて妻が働きに出ないように制限したり、お金を自由に使わせないようにします。

その理由の最たるものは、「妻や家族をコントロールするためにはお金を制限する必要がある」からです。別居や離婚にはお金が必要です。妻が自立して逃げ出さないようにお金を制限するのです。

モラハラ夫が「妻のため」「家族のため」のように話したとしても、決して夫からの愛情でやっているわけではないことを覚えておかなくてはいけません。

もし、夫から経済的DVを受けていると気が付いたら、やるべきことは次の通りです。

1.家計簿をつけ、いくら足りないのかを把握する

まず、妻自身が家計を把握することが必要です。家計を細かく管理している夫でも家計簿をつけるのはめんどくさく、妻にやらせようとする人が非常に多くいます。

家計簿をきちんとつけて、何にいくら使っているのか家計のお金の流れを把握することが必要です。

2.平均の家計費を参考にする

また、モラハラ夫がよく言う「無駄遣いばかりしている」「やりくりが下手」ということが事実ではないことを客観的に証明するためには、同じような家族モデルの平均的な家計費を参考にすることです。

理想的な家計の黄金比率

家賃:収入の20~30%

食費:外食を含め収入の10~15%

水道・光熱費・通信費:合計で収入の10%

日用品:収入の2~3%

保険料:収入の5~6%

子どもの有無や年齢、共働きかどうか、親と同居か、持家か、賃貸かなどでも変動があります。自分の家族構成に近いモデルを参考にしてみましょう。

ここからはみ出ているようであれば支出を見直す必要がありますし、明らかにお金の方が不足しているのであれば、収入の方を見直す必要があります。

3.夫に相談する

一般的な家計と比べて我が家の家計がいくら足りないのかがわかったら、夫にその分の生活費を上乗せしてもらえるように相談、交渉してみましょう。

もちろん、ダメ元でも構いません。相談した、交渉したことが分かるようにメールなど形に残る手段を利用するといいでしょう。相談した結果ダメだったとしても、夫が生活費が足りないことを把握しており、かつ相談にも応じなかったという証拠が残ります。

これは、離婚や別居をするときに非常に有力な証拠になります。また、次の4の段階で親や親族に相談するときにも経緯が分かり、相談しやすくなります。

4.親族に相談する

夫からお金をもらえない妻はみじめです。また、親や親族に心配をかけまいとして言い出せないことがあります。

しかし、親や親族が頼れる人の場合は、「早い段階で相談すること」が最も重要です。

なぜなら、経済的DVにおいても、モラハラと同様にエスカレートしていく可能性が非常に高く、妻は結婚生活が長引くにつれてどんどんと追い詰められていくことになるからです。

お金が底をつき、身動きが取れなくなってしまうと経済的DVだけでなくモラハラも激化し、逃げ場がなくなって最終的には精神疾患や自殺と言った悪い結果になってしまうこともあり得ます。

親や親族だって「もっと早い段階で助けてあげられたら」と後悔してしまうでしょう。自分だけでなく、周りの人にとっても早く相談することに越したことはありません。

5.自分がどうしたいのか決める

夫に相談しても何も変わらない生活を強いられる場合、あなたがどうしたいのかを決める必要があります。

働いて、少しでも家計の足しになるようにお金を稼いだとしても、「妻が稼いでいるのであれば生活費はいらないだろ」と全くお金を入れなくなるというモラハラ夫もいるようですので、お金を稼いでいることを夫に言うべきか否かは慎重に検討する必要があります

また、親や親族からのお金で生活が成り立っているような場合は、いつまでもそのお金に頼って生活することはよくありません。

援助を終わらせる期日を決めておくと、行動をしなければいけないという気持ちにもなりますし、自立へ向けて前向きに動き出せるでしょう。

経済的DVで離婚は可能?

経済的DVで離婚をする場合、「婚姻を継続し難い重大な事由」であることを証明しなくてはなりません。

たとえば、経済的DVの結果、借金を繰り返す場合は「婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまるでしょう。

しかし、お金を渡さないモラハラ夫の場合、モラハラ夫が「渡している生活費で足りて入ると思っていた」「お金が足りないのは妻のやりくりが下手なせいだと思っていた」と言ってしまえば、お互いの認識の違いだとかコミュニケーション不足だと捉えられてしまいかねません。

そうならないためにも、あらかじめ「一般的な家計費からあまりにもかけ離れた生活費」であることを夫に相談した証拠を残すようにしましょう。

夫に生活費を交渉した証拠もメールなどで残しておくといいでしょう。

夫が「生活費を足りないと知っており、交渉したのにもかかわらず、変える気がなかった」経緯は、「婚姻を継続し難い重大な事由」だと見なされ、調停委員も説得してくれる可能性が高まります。

調停離婚で必要なこと

調停離婚で必要なことは、調停委員に「それは離婚しかないよね」と共感してもらうことです。

経済的DVの場合は、妻がいくら努力をしても夫は経済的DVをやめることをしなかった経緯から、「共同生活を送ることができない」「すでに夫婦関係が破綻している」と伝えることが理解してもらう上で重要です。

そのためには、「妻が努力をした(=家計簿をつける、お金がどれくらい足りないのかを把握する、夫に相談する)」ことと、「それでも夫が変わらなかった(=メールなどの夫からの反応が分かるもの)」を用意しましょう。

また、夫婦間の問題が経済的DVだけであるケースは稀です。離婚を考えた原因の一つが経済的DVであったとしても、その他にも婚姻を継続しがたい理由があるようであれば、その証拠を取っておきましょう。

自分の受けていた被害を調停で伝えよう!

私が離婚調停中に、夫の言動のひどさを調停委員に最も共感してもらえたのが「経済的DV」に関するエピソードでした。なので、調停で経済的DVを受けていた話をすることには意味があると思っています。

モラハラで一番多いのは、怒鳴る、物に当たる、無視をするといった行為です。しかし、誰しも、人は怒れば声を荒げることはありますし、本当は良くないけれど、時には物に当たったり、無視をすることだってあります。ましてやそれを「精神的に不安定だったから」と理由付けをすれば「異常な精神状態のためコントロールできずにした言動」だと見なされかねません。

しかし、一方でお金があるのにもかかわらず生活費を出さないというのは、「精神的な不安定さ」は理由にはなりませんし、「誰しもがやってしまうこと」と見なされたりはしません。

明らかに夫婦に上下関係があり、夫の異常行動が夫婦の破綻を招いたのだと理解してもらう大きなエピソードになりうるでしょう。

まとめ

経済的DVは被害者も無自覚であるがゆえに、本当に生活が立ち行かなくなってから周りに相談することが多くあります。少しでも早く経済的DVに気が付くためには、普段から、親子間や友人間で情報を共有することも必要です。

私自身もきっかけは、友人との会話の中で「他の家庭と違う」ことに気が付いたからでした。

お金が無くなり、別居や離婚することもできなくなる前に動き始めてくださいね。

モラハラ夫がする経済的DVって?対処法は?離婚理由になる?

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