離婚をすると共同親権から単独親権になり、多くの場合母親が親権者になります。
母親が親権を持つと、別居親である父親は面会交流を通じて親子の関わり合いを持ちます。
しかし、父親側の両親と子ども(祖父母と孫)はどういった関わり合いになるのでしょうか?
1.祖父母の面会交流は原則認められていない
祖父母の面会交流は、離婚調停では決めることができないため一般調停になります。
しかし、現在の法律で祖父母と孫の面会交流については定められておらず、祖父母については面会交流権はないものと見なされているため、調停で訴えても面会交流権を得ることはできないのが現状です。
例外:実の両親のように育児にかかわっていた場合
しかし、離婚前の生活状況で、祖父母にも面会交流権が認められるケースもあります。
それは祖父母が親と同等程度育児にかかわっていた場合です。
例えば、同居していた、共働き夫婦に代わって親代わりに育児をしていた場合には、面会交流を認められた判例があります。
ただ、高い頻度で会ったり遊んでいた、孫がとてもなついていた程度では認めらないので注意が必要です。
2.離婚後も祖父母の面会交流を獲得するためには?
調停や審判、裁判の場では、面会交流権は親のみのものであるという考えなので、家庭裁判所で訴えても権利は認められません。また、弁護士や調停員も同等の考えなので、母親側を説得してくれはしないでしょう。
面会交流の実現に向けては、「祖父母との面会を認める」との一文を調停証書に盛り込むことが必要になりますが、母親が断固拒否した場合には実現はほとんど不可能です。
そこで、母親が祖父母との面会を認めたくなるような関係づくりが大切です。
夫婦間のいざこざで離婚に至る場合には、夫両親に対して悪感情はあまりないものですが、離婚の原因が夫両親にもある場合は、会わせたくなくなるのが自然の心理です。
いきなりの面会交流が難しい場合は、孫への直筆の手紙を書くなど、少しずつ関係を改善することに向けて努力していく必要があります。
3.父親との面会交流中にどこに連れていくか、誰と会わせるかは自由である
ただし、父親と子どもの面会中に、父親が子どもを連れて実家に帰ることを制限することはできません。
また、その間に誰に会わせるかも基本的には自由です。
父親との面会交流に祖父母が同席することを制限したい場合は、あらかじめ話し合いの場でそう提案し、双方が了承しておく必要があります。のちのトラブルを避けるためにも、調停証書や公正証書に明文化しておきましょう。
4.祖父母との面会を制限したい場合
夫の両親に子どもを会わせると子どもに悪影響がある場合など、面会交流中に会わせる人を制限したい場合もあると思います。
調停では双方の同意があれば、調停証書に制限の文章を盛り込むことが可能です。
例えば、夫親族や夫友人などに会わせたくない場合、「面会交流中に夫関係者は同席しないこととする」という一文を必ず入れておきましょう。
祖父母との面会交流を拒否した私の体験談
私の夫は、義両親がいる場合だとモラハラが加速する傾向にありました。夫のみでの面会交流は仕方ないとしても、義両親は本来、面会交流の権利がない人たち。そして、同席していると子どもがモラハラを受ける可能性が高まり、非常に不安でした。
そこで私は、面会交流中の義両親の同席を制限する文章を入れてもらうことにしました。夫側は拒否するかと思いましたが、すんなりとその条件で決まりました。調停員や裁判官も「面会交流は親のみのものだ」と言う考えであったので、夫側も強く抵抗することが無意味であることが分かっていたのかもしれません。
まとめ
義両親に子どもを会わせたほうがいいのかどうかは、私自身も悩むことがありました。
家庭裁判所でも祖父母の面会交流を認めていないことからも分かるように、祖父母との関係は子どもの成長や心理状態に強い影響を与えないと考えられています。
子どもの前で、「父親が仕事から帰ってくるまで子どもにご飯を与えるな」と言ったり、「お前は母親失格だな」と私を罵っていた義両親。
姪の前で父親の悪口を言い、姪自身も父親の悪口を言うようになってしまった様子を見て、子どもに与えるいい影響よりも悪影響の方がはるかに大きいという結論に至りました。
子どもがある程度大きくなって自分の意思を伝えられるようになった時は、子どもの意見を一番に尊重したいと思います。
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