私は、元夫からモラハラ被害を受け続け、別居したのちに弁護士とともに離婚調停で離婚を成立させました。
モラハラ夫との結婚生活はわずか5年。しかし、この5年間の間に私の精神は蝕まれていき、最終的には別居前の私は、「生きていてもしょうがない」「死んでしまいたい」と思うまでになっていました。
モラハラは暴力を伴わないからと言って、決して被害の程度が小さいわけではありません。
モラハラ被害は時に「人をも殺す」魂の殺人です。
今までは書いてこれなかったモラハラ被害によってどのようになってしまったかを、またその被害から抜け出すまでの経緯をまとめました。
モラハラ被害の実態
モラハラを受け続けると強い自己否定を繰り返し、最終的に「生きていてもしょうがない」と思うに至る
私は元夫の生活で身を持ってモラハラの怖さをよく知っています。
だからこそ今被害に遭っている方に「被害を自覚」してもらい、できればモラハラ被害のない環境へと移ってもらいたいと強く願っています。
夫との結婚生活で私が言われ続けた言葉。
それは、
「お前はおかしい」
「母親失格」
「辛いと思う方がどうかしている」
「お前のせいで俺は苦しんでいる」
「お前と結婚しなければこんなことにはならなかった」
こうやって書いてみれば大したことがないような言葉の数々にも思われるかもしれません。しかし、毎日のように繰り返される「私を否定する言葉」にすっかりとやられ、とうとう私は自分で自分のことを否定するような精神状態になっていったのです。
「私のせいで夫が苦しんでいる」
「私は母親にふさわしくない」
「私は夫と子どもの人生を悪くしてしまう存在なんだ」
そう思っているうちに、自分が「何のために生きているのか」が分からなくなっていきました。
そうして
「死んでしまいたい」
そうすれば、夫も子どもももっと幸せになれるのではないか。
そういう気持ちが芽生えてきたのです。
モラハラ夫からの突然の離婚宣言を受けるまで
夫は精神科のクリニックに通っていました。
私も自分自身の精神状態が良くない自覚もあり、夫に「私もあなたの通っている精神科を受診したい」と話をしました。
結婚生活では夫がすべての家計を管理していて、私は事前に(美容院でも病院でも)夫にお金が欲しいとお願いしなければ受診することができませんでした。
この時も、いつものように夫に「受診のためのお金」をもらいたいために許可を取っていましたが、私が受診をしたいという言葉を聞いてびっくりした夫は突然今までの行いを謝罪してきたのです。
今までの暴言は
「本当はそうは思っていなかった」
「嘘だった」
また、周囲に言いふらしていた私の悪口は
「思えばそんな事実(悪口の内容)はなかった」
と発言を撤回してきました。
そして、「だから病院には受診しなくてもいいよな?」と私の受診をやめるように説得してきたのです。
私は突然の夫の変化に違和感を覚えながらも、とりあえず病院の受診を見送ることにしました。
その3日後の夜。
夫と義両親から突然の離婚宣言と「明日までに出ていけ」と別居を言い渡されて、家を追い出されたのです。
おそらく夫は、私がクリニックに受診して「モラハラの証拠」ができてしまうとまずいと思ったのでしょう。慌てて、夫から離婚を切り出したのです。
しかし、別居が転機になり、大きく人生が変わった…!
別居してからというものの、うつ病の症状に悩まされて布団から出られないなど体を動かすこともままならない状況が続いたり、外出していても「早く帰らないと怒られる」ような強迫観念にかられ動悸やめまいがひどくなって買い物を途中でやめざるを得なかったときもありました。
しかし、別居をしたことで「生きていてもしょうがない」「どうせ私なんて」「死んでしまいたい」と思っていた自殺念慮は少しずつ消え、うつ病と言う別の症状には苦しみましたが、「死にたい」と思える強い自己否定からは抜け出すことができました。
今まで言い続けられてきた「おかしい」というマインドコントロールが、夫と物理的な距離が取れたということで抜け出すことができたからです。
そして、結婚生活中には「夫の意見が正しい」と思っていたのにもかかわらず、ただ離れただけで「あの人はいったい何を言っていたんだ?」と冷静に分析することができるようになりました。
別居が大きな心理的変化をもたらしました。
結婚生活では、私は何の「選択権」も「決定権」もありませんでした。
好きなものを買うことも
自分のタイミングで出かけることも
自分の人生の将来を思い描くことも
だからこそ、「別居」すらすべて夫から言われ成すがままに従うしかなかったのだと思います。
「思い込み」と言うのは本当に恐ろしいものです。
ただの言葉なのに、「夫の言葉にコントロールされていた」こと。
未だに私自身も「どうしてそういう心理状況に陥ってしまっていたのか」分かりません。そして、「脳が正常に動き出した」ら、夫のことが完全におかしいということに自ら気づくことができるようになりました。
ただ離れただけなのに、本当に不思議です。
結婚生活では、あの同居している空間にいることで悪い魔法にかかっていたのではないか、そしてその魔法はあの空間の中だけで有効で離れてしまえば効力があっさりと消えるものだったのかもしれないと思うほどです。
離れてしまえば、心理的なつながりのない夫との離婚を選択することはたやすいことでした。
「選択権」と「決定権」を取り戻してから、私が最初に決断したのは
夫と離婚すること
でした。
皮肉ではなく本当に、夫が切り出した別居が「人生の転機」になったのです。
その経験から、モラハラ被害者から抜け出すためには、
「モラハラ加害者と物理的に距離を取ること」
が必ず必要だと考えています。
「死にたい」と思っている人へ
その場所を離れればそれが思い込みであることに気づくかもしれません
人間の心理状態と言うのは本当に一言では説明できず、本人でもわからないことが多くあります。
あの時に強く「死にたい」と思っていたけれど、今となってはなんて浅はかな思い込みだったのだろうと冷静に分析できますし、その時の自分が自分でないような気すらするのです。
今現在、モラハラ被害に苦しんでいる人がいらっしゃれば、
お腹が痛い
頭が痛い
動悸がする
吐き気がする
めまいがする
体がしびれる
その空間から、まずは抜け出してください。
そこに、すべての元凶があります。
その元凶をまずはなくし、穏やかに過ごせる空間をで、ゆっくりと心を休ませる時間を作ってみてください。
その後、苦しみが続いたり、回復までに長い時間がかかるかもしれません。
しかし元凶となる空間から抜け出せたことで少しずつ心も脳も回復し、正常に動き出すことができるようになります。
すると「おのずと選ぶべき道が見えてくる」はずです。
別居後、私はもう「あの空間には戻りたくない」と強く思えるようになりました。もし戻ってしまっていたら、また私は「生きていてもしょうがない」という自己否定の渦の中に舞い戻ることになったでしょう。
なによりも、強いストレスを感じるあの空間に二度と戻りたくはありませんでした。
離婚をした今となっては、夫と過ごしたあの空間に戻らなければいけない義務はもうありません。
シングルマザーでの生活に困難やストレスがないわけではありません。
でも、あの空間にはもっとたとえようのない「嫌なもの」がたくさんありました。あのとき、そばにいた「嫌なもの」になぜ気が付けなかったのか、私にもわかりません。しかし、離れたことであっけなく「死にたい」と言う気持ちに決別できたのも事実です。
もし今の生活に苦しんでいるのであれは、「離れることで気づき、大きな変化が訪れることもある」ことをお伝えしたいと思います。
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