モラハラは精神的DVを含む!特徴と被害の具体例

モラハラは精神的DVを含む!特徴と被害の具体例

モラルハラスメントは、フランスの精神科医マリーイルゴイエンヌが提唱しました。

フランスでは、モラルハラスメントは心理的暴力と見なされ、罰則の対象になっています。

モラハラは家庭内で行われるものだけではなく、職場、学校(いじめ)、ストーカー、その他あらゆる人間関係において行われます。

特に家庭内で行われるものについては「家庭内暴力」であり、フランスではモラハラであっても保護命令の対象でかつ離婚理由にされています。

モラハラと精神的DVの違いや、被害に遭っていると気づいた時に取るべき行動をまとめました。

目次

精神的DVは暴言など言葉や無視による嫌がらせ・暴力

精神的DVは、暴言や無視、脅迫と言った心を傷つける嫌がらせ・暴力のことです。心理的DVの一種です。

心理的DVは精神的DVに加え、被害者を洗脳・マインドコントロールしたり、被害者をパニックに陥らせる「ガスライティング」、何を選んでも虐待行為を受ける「ダブルバインド」、ターゲットをおびき寄せる「ラブボミング」といった心理テクニックや虐待行為で被害者を精神的に追い詰める行為も含みます。

詳しい手口については下記の記事に詳しく書いてます。

モラハラは心理テクニックを利用した分かりづらい嫌がらせ

モラハラとは、心理的DV(精神的DVを含む)に加え、経済的DV・社会的DVも含みます。(性的DVや身体的DVを伴うこともあり、暴力の形態は多岐にわたります。)

モラハラは「言葉による暴力」にとどまらず、お金を渡さない、仕事をさせないといった経済的DVや、被害者が親や友人と付き合うことを許さない、スマートフォンやインターネットへのアクセスを禁止すると言った社会的DVも行って、被害者の自立を阻害し、モラハラ環境から抜け出せないようにする総合的な暴力の形態です。

モラハラとは、目に見えない暴力とも言われています。殴られたときにできるあざやケガなどが残らないため、暴力を受けていることがはた目にもわかりづらいことも特徴の一つです。

モラハラとは
  • 心理的DV(精神的DVを含む)…心を傷つける嫌がらせ・暴力
  • 経済的DV…お金を渡さない、財産を隠す、借金をするなど
  • 社会的DV…人付き合いを禁止・制限する、車のカギを渡さない、インターネットにアクセスさせない

※物を投げる、物や壁を殴るといったものは「心理的DV」ではなく「身体的DV」に当たります。実際に被害者が殴られていなくても、”ただ当たらなかっただけ”で暴力の形態は同じです。加害者の言う「人は殴ってはいない」は言い訳になりません。

人と人との境界を壊し、支配・コントロールしていく

自他境界とは、人と自分とは別のものであるという境のことを指します。モラハラは、この境を超えてモラハラ被害者の人生を奪う行為です。この境界には次のようなものがあります。

境界の種類
  • 感情的な境界
    …自分の本音や奥底の感情、プライバシーに関する情報を共有するかしないかを含みます。
  • 時間境界
    …自分の時間を何に使うかを指します。仕事や人間関係、趣味に十分な時間を使えることが健全な境界がある証拠です。
  • 物理的な境界
    …プライベートなスペースや人との接触を指します。誰かがあなたの許可なしにあなたに触れることはよくないことです。
  • 物質的な境界
    …お金と所有物を指します。他人と共有するかしないかを決めることを含みます。
  • 性的な境界
    …セクシャリティな感情的・身体的の両面をカバーします。

時間の説教や過干渉などで自分の時間を削られていませんか?

勝手に自分のものを捨てられることは物質的境界を侵されていると言えます。

葛藤ナマモノ

精神的な攻撃はモラハラの一面にすぎません。なので、「精神的に強くなる」はモラハラへの対策として不十分であると私は思います。(精神的に強くなるは、モラハラ環境から抜け出した後に反動が来てうつ病になったりするのでお勧めできません。)
モラハラに気づいたとき、相手からの精神的DVが止んだとしても他の攻撃を受け続けていないかを見る必要があると思います。

フランスで法律で禁止されているモラハラとは?

フランスで罰則の対象になっているものは以下のような条件を満たしたものです。

  1. 繰り返し行われる
  2. 加害者がいる
  3. 加害者の行動が被害者に悪影響を与える

詳しくは下記の記事をご覧ください。

モラハラは被害者が気がつきづらい嫌がらせ

モラハラは、被害者自身が自分が被害に遭っていると認識がしづらいという特徴があります。

被害者は加害者によりマインドコントロールを受けていたり、加害者の言葉に洗脳され自らを加害者だと思い込んでいることすらあります。

なぜなら加害者は、

「お前のせいだ」と言って被害者に全責任を押し付け

「俺はこんなひどい目に遭っている」といって、被害者のふりをするからです。

さらには、ひどい嘘つきであり、周囲には真逆のストーリーを披露していることも珍しくありません。彼らはゆがんだ自己愛に満ち、指摘されても自ら反省したり行いを省みることはほとんどありません。

また、中には「死ね」「バカ」といった明確な罵詈雑言がないケースもあり、被害者自身が自分の心の弱さのせいで自分が傷ついているのだと認識してしまっていることもありますし、

「お前のためを思って」などと言い、しつけや教育だと正当化することもあります。

しかし、モラルハラスメントを提唱したマリーイルゴイエンヌはその被害を決して小さくは見ていません。

むしろ身体的暴力よりも被害は大きいとも言っています。

モラハラの怖いところはココ!モラハラから受ける被害とは

(1)被害者は混乱に追い込まれる

モラハラでは、加害者から攻撃を受けているということがハッキリと分からないことがあります。

また、ダブルバインドという「どんな選択肢も不正解にされてしまう」状況をつくり出されたり、ルールの方を捻じ曲げることを繰り返されることで被害者は混乱に追い込まれます

罪悪感を刺激されて、被害者が「悪いことをしている」と思わされ、本当はひどいことなど何もしていないのに自責の念に駆られることもあります。

このような状況で人は病みやすく、精神疾患を患ってしまうことも少なくありません。

(2)心の傷はすぐには治らない

人間と言うのは誰しも欠点を持ち合わせています。そしてその欠点は、時には本人の努力ではどうにもならないものもあります。たとえば、生まれ持った外見、性別、国籍。また、育った家庭の事情(母子家庭など)や幼いころ住んでいた場所などです。学歴も本人が選ぶことができなかったケースもあります。

本人が劣等感を感じている、いないに関わらずこういった「弱い部分」を攻撃し、あげつらう行為は卑怯ですし、人を傷つけます。しかし、容易に相手を言い負かすことができるワードでもあるため、加害者は好んで相手の弱点を突く暴言を吐く傾向にあります。

暴言の恐ろしいところは、たとえ相手から離れてモラハラのない環境になったとしても、その後何年も相手から言われた暴言に苦しみ続けられることもあるということです。

心の傷はすぐには治りません。受けた傷が大きければ、その後何年も後遺症に悩まされることもあります。

暴言を受け続けたことにより、卑屈になったり人間不信に陥ったりして、他の人との人間関係もうまくいかなくなることすらあります。

出来るだけ傷の浅いうちにはなれることが、今後の長い人生を台無しにされないためにも必要です。

(3)多対1の構図

モラハラの場合、被害者は加害者と1対1で話をしているのにもかかわらず、内容においては、多対1になっていることがあります。モラハラ加害者は、周囲を味方につけたり、または巧妙に言葉を選び、被害者が孤立していくように仕向けていきます

みんな」「世間」「常識」と言った言葉を出され、被害者は「一般常識のない人」「非常識な人」「育て方に失敗された人」と言うレッテルを貼られます。

また、周囲に被害者があなたの悪口を言っていたなどというように嘘を吹き込み、対人関係を不利にさせることもします。それを信じた人は被害者の知らないところで被害者を敵視するようになります。

(4)被害者が加害者だと思い込まされる

モラハラ加害者は、「俺が怒っているのは、お前がおかしいからだ!」「お前のせいで俺はこんなに苦しんでいる!」と自身の行動の原因を被害者に責任転嫁してきます。

被害者は「自分のせいで夫が苦しんでいる」と思わされるため、本当は被害者であるのにもかかわらず「自分が加害者である」と間違って認識していることが多くあります。

その結果、モラハラ被害から抜け出すことが難しくなり、被害は長期化します。精神的なダメージも大きくなります。立ち直るまでにも時間がかかるようになります。

(5)周りにも被害者だと思われにくい

モラハラ加害者の攻撃の仕方は一見して精神攻撃だと思われにくく、加害者も被害者のふりをするため、どちらに非があるか分かりづらいことが挙げられます。

そのことが、相談した友人や親兄弟、また調停離婚の際は調停委員などに被害者であることを分かってもらいにくくなります。

「あなたにも悪いところがあったんじゃないの?」となどと心ないことを言われ、二次被害に遭う可能性もあります。

また対話においては言葉をすり替えることで解決の出口のない説教を長時間続け、最終的に被害者が(非のないことについて)謝罪させる形に追い込み、言質を取ることで被害者が悪かったという構造を作り上げます。

必要なのは証拠集め

モラハラ加害者は、被害者やその周囲からモラハラを止めるように言われたり、非を追及されたとしても、決して自分の非を認めたり反省したりしません

そのため、相手からの攻撃や受けた被害を証明しようとした場合には、証拠の確保が大切になります。

モラハラはれっきとした暴力であるにもかかわらず、現在の日本では身体的暴力を伴わない暴力は軽視されやすく、また離婚理由としても弱いものだと見なされてしまいます。

モラハラという概念が浸透していない日本では、周囲から心ない言葉を言われ二次被害に遭う可能性もあります。

あなたの被害を証明するために、日々の証拠を必ず確保しておきましょう。

加害者との話し合いは無意味である

モラハラは多対1と言うパワーバランスを欠いた精神的攻撃であり、相手を言い負かすために弱点をあげつらいせめるという「相手を支配する」ことが目的で、対等な話し合いや物事の解決を望んではいないということです。

たとえ加害者と向き合ったとしても、残念ながら解決に至ることはありません。精神的な攻撃を受け、話し合いは無意味に終わります。被害者がより消耗するだけで、意味のないものです。

精神的攻撃のほかにも、お金を渡さない、社会的に孤立させる、「殺してやる」「死んでやる」と言って脅すといった様々な方法で相手に言うことを聞かせようとします。これは、離婚の際の話し合いでも同様に行われます

加害者と協議離婚をしようとしても、相手のペースに乱され、圧倒的に条件の悪い結果になる可能性は非常に高いと言えます。

離婚の際は、協議離婚を避け、弁護士の力を借りた調停(もしくは裁判)離婚がいい

DVやモラハラ加害者相手の離婚は、最初から平和的解決は期待しないほうが良いでしょう。

話し合いをしようとしても精神的に血を流すだけ。さらには、相手からの脅迫に怯え、悪い条件を飲んでしまいやすくなります。

大切なのは、離婚後も続くあなたの人生を守ることです。

自分の身を守りながら、適切に離婚を進めましょう。

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