傍若無人にふるまい、どんなことをやっても許されると思っているモラハラ加害者。彼らには一見弱点がないように見えますが、実はそうではありません。
モラハラ加害者が恐れていること。
それは、自分が上の立場にいる上下関係において、自身が下の地位に転落することです。
もし、自分の地位が落ちることがあれば、モラハラ加害者はどんな反応をするのでしょうか?モラハラ行為はどうなるのでしょうか?
モラハラはやらなくなるのでしょうか?
実体験をもとに解説します。
モラハラ加害者の人間関係はピラミッド型の上下関係のみ
1.モラハラ加害者の精神構造 人間関係は上下関係のみ
幼少期から上下関係のみしか人間関係を知らずに育ってきたモラハラ加害者は、すべての人間関係で自分は相手より上である、下であるということを判断しながら生きています。彼らの中に対等な人間関係という物は存在しません。そして、自分より下であると判断した相手に対し、モラハラ行為を行います。
2.家庭も自分がトップに立つ上下関係の世界
2-1.配偶者の地位は最も低い
モラハラ加害者はモラハラができる相手を結婚相手に選びます。結婚相手に選ばれた時点で、モラハラ加害者の中で下の立場であるとランク付けされています。そして、子どもが生まれると上下関係に組み込まれますが、そのたびに配偶者のランクはどんどん下がっていきます。配偶者はランクの一番下に位置づけられるのです。
子連れ再婚の場合、モラハラ加害者にとって血のつながらない子どもの地位が最も低くなる場合もあります。この場合は、モラハラが加速した結果、DVなどの暴力につながる危険性も非常に高いので注意が必要です。
2-2.もともと配偶者を下だとみなしていたが、態度に表さなかっただけ
付き合っているときは優しかった、いつの間にか地位が転落したのだろうか?と思うかもしれませんが、付き合っているときからもおそらくあなたは下に格付けされていたはずです。
結婚前の様子では、表面上は大切にされていたかもしれませんが、それはモラハラ加害者の本心ではありません。演技のうまいモラハラ加害者は、それを態度に一切出すことなく、あなたが自分のものになる時をじっと待っていました。そして、結婚を機に本性を現したのです。
2-3.モラハラ加害者にとって家庭は自分が支配する王国
モラハラ加害者は自分が支配する王国をつくることを目的としています。家庭においても同じように自分が頂点に君臨し、家族を従えることを当然だと考えています。そのため、自分より上の関係の相手を配偶者に選ぶことは決してありません。
3.下剋上はモラハラ加害者にとって一番の脅威
モラハラ加害者は、自分の環境を自分にとってだけいいものにするために、周囲にモラハラ行為を行い周りを従えていきます。そして人間関係の上に立つことを当然であると思っています。
上に立つものがおびえなくてはいけないのはその地位が奪われることです。
そのため、モラハラ被害者や他の人が自分の地位を落とそうとしていないかどうか過敏に反応します。
モラハラ行為が加速していく背景には、誰しもが自分の地位を脅かそうとしていると捉えて他人を信用していないため、支配を続けていないと安心できないからです。
4.自分の地位が奪われたコミュニティからは姿を消す
では、もし下克上が成功し、モラハラ加害者の地位が転落してしまったらどうなるのでしょうか。
これには、私が勤めていた会社のハラスメント上司も、そして夫も全く同じ行動を取りました。
答えは簡単です。
そのコミュニティからあっという間に姿を消します。
モラハラ加害者たちは、上下関係しかないために、自分の地位が転落すれば「上下関係の下の立場になる」と思い込みます。下の立場になれば「今度は自分が(自分がしてきたことと同じような)モラハラを受ける」と思い、被害を避けるためにあっという間に姿を消すのです。
結局、自分が受けたくないモラハラを人にしているということですね。
5.家庭の場合は相手を追い出すことも
しかし、家庭には家や家具家電など、動産・不動産をあわせた自らの財産がありますので、仕事を辞めるときのようにアッサリとはいきません。
そこで、家庭の場合は、誰かの力を使って配偶者を追い出そうとします。自分の味方になってくれる友人や上司、家族などを使って、コミュニティから排除しようとします。それでも追い出せなければ、その時は自ら出ていくでしょう。
どのみち、そのコミュニティで二度と姿を現すことはありません。
モラハラの弱点は下克上!被害者が上下関係の上の地位になればモラハラ行為は止む
上下関係しか構築できないので、家庭でも配偶者と対等の関係を築くことはまずありません。
もしモラハラ加害者のモラハラ行為がやむことがあるとすれば、それはあなたがモラハラ加害者よりも上の地位になったときです。モラハラ加害者は、上の立場の人に対してモラハラをすることはありませんので、一見してモラハラが治ったかのように映ります。しかし本質的には、モラハラをするターゲットが変わっただけで、やはりどこかでモラハラをしなくては生きていけないのです。
モラハラ加害者と対等の立場になることはありませんし、モラハラ加害者から自然にモラハラがなくなることもありません。
モラハラが止んでも別居や離婚を薦めるわけ
このように上下関係がひっくり返ったことでモラハラ行為が止めば、実質、被害は無くなります。
それならば、このまま家庭なり仕事なり、(元)モラハラ加害者との関係を続けていけばいいようにも思えます。しかし私はそれをオススメしません。
上下関係と言うのはいつその関係がひっくり返るか分からないからです。
家庭では病気になったり、介護が必要になったり、一時的にでも長期的にでもあなたが弱くなるタイミングが必ずあります。仕事でも、ミスをしてフォローをしてもらわなければならないこともあるでしょう。
そして、そのタイミングでモラハラ加害者からのモラハラ行為が再発する可能性が非常に高いのです。
モラハラ行為が止んだ背景は上下関係がひっくり返ったからであり、対等になったわけではありません。ましてや、モラハラ加害者の中からモラハラが消え去ったわけでもありません。
モラハラが治ったとか、普通の人間関係が構築できるようになったと誤解してはいけません。もともとモラハラ加害者は立場が上の人にはモラハラ行為を行わないので、モラハラ加害者自身は何も変わってはいません。自分に対してのモラハラ行為が止んだことがモラハラが消えたと錯覚してしまいますが、それはあなたに対してモラハラ行為をしなくなっただけであり、他の人に対してはモラハラを続けている可能性もあります。
いつかまた、上下関係がひっくり返ってモラハラ被害者に戻ったときに、モラハラ加害者から離れなかったことを後悔してほしくないのです。
これからは穏やかな人間関係を
モラハラ行為を受け続けると「普通」が分からなくなってしまうこともあります。モラハラ加害者との関係は「普通」ではありません。一方的な関係はどんな関係であろうとも長続きしなくて当たり前です。
相手が弱った時には支え、自分が弱った時には支えてもらう、そんな関係を築くことができる相手を見つけてほしいと思います。
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