マンガや映画の題材としても取り上げられる「サイコパス」。誰しも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
サイコパスとは、反社会的人格を持つ人のことであり、その人格は先天的なもので脳のつくりが関係していると言われています。
サイコパスの人の言動が、モラハラの言動の一部と一致を見せている点に着目して、2つのかかわりについて解説します。
サイコパスと脳の関係
サイコパスは生まれ持った気質
脳をスキャンすると、サイコパスの人と通常の人の脳には明らかな違いがみられるそうです。
その違いとは、サイコパスの人の脳は、人の心を理解したり、認識したりする社会的な行動を取るための脳の領域である「扁桃体」や「内側前頭前野」の機能が低下しているそうです。
サイコパスは脳の働きの一部が通常の人と違うために起こり、医学的には反社会性パーソナリティ障害に分類されています。
サイコパスの脳は生まれつきのものであり、先天性の脳のつくりが関係しています。後天的にサイコパスになることはありません。
後天的に「人の心」の機能が働かなくなるケースも
人間は進化し、社会の中で生きていく上で必要な行動をするために脳が大きく発達してきました。社会生活を送るうえで欠かせない、人の気持ちを認識したり推測したりして、人を思いやる心を司る脳の部分を「社会脳」と呼び、この部分があるからこそ、私たちは他者の気持ちを慮ったり、痛みを推測したりすることができます。
この部分は、「前部帯状回」と呼ばれ、ここに私たちが言う「人の心」の機能があるのです。
心は、脳の機能の中にあり、その部分が欠けてしまうと後天的にもサイコパスの気質を持つ人間ができてしまいます。
サイコパス気質を持つモラハラ加害者の特徴
サイコパスの気質を「サイコパシー」と言います。サイコパシーを持つ人は、自己愛性パーソナリティ障害の原因である「ナルシシズム」を必ず持ち合わせています。
一方で、モラハラをする人が必ずサイコパシーを持っているわけではありません。
サイコパスには次のような特徴があります。
- 反社会的行動をとる
- 幼少期からのトラブル
- 非行歴がある
- 短い婚姻期間
- 無責任
- 幼少期からの異常行動
- 他人を利用しようとする
- 人のせいにする
- 恐怖を感じない
- エゴイズム
- 他者に非常に冷酷である
- 良心の欠如
- 人を操る
- 慢性的な嘘つき
- リスクを好む
- 自信過剰で自己中心的
- 魅力的に映る
モラハラ加害者がもしサイコパシーを持ち合わせていたら、ある特徴がみられるそうです。それは、
良心を持たないため罪悪感を感じない
そうです。
モラハラ加害者は、自分が良いと思ったことを他人に強要しますが、ここで「それはあなたの理想を押し付けていますよ」と注意された時「悪いことをしたな」「やりすぎたな」と思える人は、サイコパシーを持っていないことになります。
一方でサイコパシーを持つモラハラ加害者は、どんなひどいことをしたとしても罪悪感を感じることはありません。
自分が損をしなければどこまでもモラハラはエスカレートしていくと言えるでしょう。
蛇足:自己愛性パーソナリティ障害とサイコパシー、マキャベリズムの気質を備えた人のことを「ダークトライアド」と言います。
サイコパスとモラハラ加害者の違い
モラハラは防衛機制
自己愛性パーソナリティ障害が起因のモラハラの場合、通常、反社会的行動を繰り返すことは少ないと考えられています。激しい怒り、自己陶酔的エネルギーを得るため、予想される暴露や敗北の回避などが彼らの反社会的行動の動機です。
モラハラ加害者は、生育環境において恥をかかされる経験を積み重ねてきたために、恥をかかされることに過剰に反応します。恥をかかされる場面になると、自己愛憤怒という怒りに繋がり、極端な攻撃的態度が現れます。
また、ナルシシズムにより、自分が謝罪をする場面でも「恥」や「劣等感」をさらすことができずに、心からの謝罪ができません。人に感謝をする場面では、人よりも優位に立とうとするために、感謝の言葉を言うことができません。
防衛機制により、自分を守るための行動が「攻撃」や「人間関係の不和」をもたらします。
サイコパスは罪悪感を持たない
一方で、サイコパシーを持つモラハラ加害者の場合は、脳の機能低下により、そもそも罪悪感を感じないことから謝罪をする必要がないと思っています。
より持続的かつ反復的な不正行為、道徳的・倫理的機能の低下、冷淡さ、無視、操作性、危険性を示します。
サイコパシーを持つモラハラ加害者の場合は、人の心を持っていないことが、彼らの攻撃性の原因です。
反社会性パーソナリティ障害の場合、搾取性は、意識されたものであり、物理的、性的な利益が動機となっている可能性が高い。
一方で、自己愛性パーソナリティ障害の場合は、自己コントロールや自己陶酔的エネルギーを得るために受動的、無意識的に他人を利用する傾向がある。
自己愛性パーソナリティ障害が反社会性パーソナリティ障害やサイコパスと併発する場合、自己陶酔的エネルギーの搾取の目的や道徳的・倫理的機能の低下が、薬物・アルコール乱用、慢性的に不安定な反社会的・犯罪的生活スタイル、衝動性、スリルを求めることに繋がることがあります。
冷酷で非情、搾取的な権利を持ち、魅力的かつ狡猾で、人を操ることやサディスティックな行動をとる人もいると言われています。
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