モラハラ夫は、ときに2~3歳の子どものような振る舞いをすることがあります。しかし、子どもっぽいふるまいをするからと言って、夫の見た目は子どもではありません。大の大人が子どものような振る舞いをすることは、当時の私にとっては恐怖でしかありませんでした。
子どものようなことをしていても、子どもとは違う
私の夫は自分の意見が通らないときがあると、お菓子売り場でお菓子を買ってと駄々をこねる子どものように床にひっくり返ってて足をバタバタし、大声を出して喚くことがありました。子どもであれば、「恥ずかしいわね」と思いながらも抱きかかえて帰ることができますが、相手は私よりも背が高く体重も2倍ほどある大の男です。床に転がっているこの人をどうすることもできません。そしてこともあろうか成人男性が、意見が通らないことで喚きながら手足をバタバタする様子は、「子どもっぽい」とか「しょうがない」という印象では済まされませんでした。
私よりも体の大きな男性が理性のタカが外れて暴れまわる様子は、ただただ、恐怖しかありませんでした。もしかしたらいつかこの力が私や子どもたちに向くかもしれないと目の前の人物を心配するよりも自分たちの身を守ることを真っ先に考えていたのです。
更に考えが飛躍してしまったときは、こんな状態で夫はまともに働くことができるのだろうか。いつか、会社から首を切られ一家離散や路頭に迷うことになるのではないかといった不安も噴出しました。
子どもが癇癪を起して同じような行動をしたときに、「恥ずかしい」とか「困った」「大変だ」という気持ちが出てきたとしても恐怖を感じることはないでしょう。子どもが癇癪を起こすことは当然のことですし、泣き止まなかったり暴れまわることは厄介だったとしても、抱っこをして連れて帰るなど何かしらの対応をすることができます。
しかし、夫が手足をばたつかせて暴れだしたときに、まずなぜこういった行動をするのか理解ができませんでした。大人が子どものように癇癪を起こすことは今までに見たこともないはじめての経験だったからです。そして目の前で行われていることがいかに「普通ではない、異常なこと」かを理解すると同時に、すぐに恐怖が襲ってきました。暴れている夫をどうしたらいいのかも分かりませんでした。
この異常な状態を誰に相談すればよかったのか。その時の私は、むしろ、こんなおかしいことを他の人に話してもいいのかという思いもありました。しかし、警察なり行政機関なりに相談するべきだったのだと思います。自分に暴力が振るわれなくても理性を失った大人が暴れているのは緊急事態だと今であれば冷静に判断できます。
夫の行動はもしかしたら「試し行動」の一種だったかもしれません。しかし当時は何の知識もない状態で、目の前で起こっていることに対して、その原因もそして私が取るべき行動も全く分かりませんでした。夫が暴れる姿を目の当たりにしたときには、「意味が分からないけれど、ものすごい恐怖を感じる」としか思うことができなかったのです。
モラハラがどんどんとひどくなると、異常な行動をするようになることもある
モラハラ加害者は、その場にふさわしくない行動を取り、相手の気を引いたり、愛情を確かめる「試し行動」をすることがあります。
まだ未熟な子どもは自分の気持ちや考えをうまく言葉にすることができません。言葉にできない思いを伝える代わりに、その場にふさわしくない行動をとり、親や大人の気を引こうとします。これを「試し行動」と言います。また、本心をそのまま伝えるのが恥ずかしくなる年の子も同じような行動をします。
「試し行動」には、「嫌い」などあまのじゃくなことを言う、物を投げる、物を壊す、わざと危険なことをする、人や物ををたたくといったものがあります。
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もちろん子どもだけではなく、未熟な大人も同じような「試し行動」をすることがあります。たとえば、その気もないのにすぐに「離婚」「別れる」ということも相手の愛情を試すための「試し行動」です。
モラハラ行為は加速していく
モラハラ行為は本人に改善する気がなければ、必ず加速していきます。一緒にいればいるほど、パートナーであれば付き合っている期間が長くなればなるほど、モラハラはひどくなっていきます。
暴言がひどくなったり、家の中で暴れるようになったり、直接暴力を振るわれなかったとしても恐怖を感じることがあります。そういったときは、迷わずに周囲に相談することが大切です。
モラハラであっても警察や行政機関に相談することが望ましい
モラハラは、限られた空間や場所、人間関係でのみで行われるため、ひどいモラハラの事実を知っているのは配偶者であるあなただけだという可能性もあります。
そのため、モラハラ加害者の周囲の人間に相談したところで「あの人がそんなことをやるようには見えない」と理解してもらえません。出来れば、動画やボイスレコーダーなどで記録し証拠を取っておくことが良いでしょう。また、暴れるなどの緊急を要する場合は、すぐにでも警察や行政機関に相談することが望ましいでしょう。警察や行政機関への相談記録もまた証拠になります。また、周囲の人間にはモラハラがバレないようにふるまっている加害者は、相談されることをひどく嫌います。モラハラ行為が外に知られてしまうと分かると、それがストッパーとなる可能性もあります。
まとめ
モラハラは以前のように戻ってほしいとそばに居続けるほど加速し、ひどくなっていきます。夫が「赤ちゃん返り」のような症状を見せ始めたのは結婚して3年目のときでした。
モラハラは良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に悪化していきます。一時的に良くなったように見えたとしても、次にやるモラハラは以前よりもひどいものになっているので注意が必要です。
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