モラハラ加害者は、発達障害が原因ではないタイプの人の場合、相手の表情を読むことがむしろ普通の人よりも長けています。彼らは、人からの反応を機敏に察知し、相手が弱そうと分かれば攻撃を仕掛けてきます。
人からの反応を得るためにモラハラをし、望んだ反応を返してもらえれば満足します。そして同じことを繰り返します。
モラハラ加害者が好む反応はどんなものがあるのでしょうか?そして、モラハラ加害者が嫌う反応は?
モラハラ加害者の好きな反応
1.特別扱い、尊敬、人から好かれる
モラハラ加害者は、自分が神か何かのようにふるまい、他の人とは違った特別な存在だと思っています。そのため、人から尊敬されたり、一目置かれたり、特別扱いをされたり、好かれることが大好きです。
モラハラ加害者は、自分への好意を感じると、この人は俺のことを尊敬しているから何をしてもいい存在だと相手の価値を下げ、モラハラのターゲットとすることがあります。
2.「恐怖」「怯え」も大好きな反応
一方で、相手から恐怖や怯えの反応を返されることも好きです。モラハラ加害者たちは、人から「特別な存在」だと思われればいいので、相手からの反応がネガティブだったとしてもいいのです。
一般的に、恐れている相手は、自分よりも偉かったり、特別な立場の人であったり、雲の上の存在であったりします。つまり、「恐怖の対象」というのは、自分がどうのこうのできる相手ではありません。「畏怖」という言葉があるように恐れは尊敬とも紙一重です。
つまり、相手から恐怖や怯えと言った反応をもらうことも、尊敬と同じようにモラハラ加害者の自尊心を高めることになり、モラハラ加害者にとって嬉しい反応なわけです。
3.怒り、悲しみ、憎しみ
モラハラ加害者は、「怒り」や「悲しみ」「憎しみ」といった反応も好むことが分かっています。
モラハラ加害者は、被害者の行動だけではなく、感情までもコントロールしたいと考えています。怒りや悲しみと言ったネガティブな反応は、いってみれば「不幸だ」「苦しい」「辛い」と思っていることに対する反応です。
モラハラ加害者は、自分よりも他人が幸せになることが許せません。人を不幸にし、怒りや悲しみの反応が返ってくると、「不幸にできた」と満足します。
怒りや悲しみの反応をもらうために、大切にしているものを捨てたり、大事な人間関係を断ち切らせたり、楽しみにしていたイベントを台無しにすることもします。そして、被害者が怒りや悲しみの反応を返せば、スッキリし、気持ちよくなります。
4.嫌い
嫌いという感情は、普通の人であればショックを受ける反応です。人から嫌われて嬉しい人はあまりいないでしょう。しかし、モラハラ加害者は「嫌い」ですら反応があったことを喜びます。
モラハラ加害者は、人から自分に対して何らかの興味を引くことで、自分の価値を確かめようとします。その反応は、ポジティブなものでもいいですし、ネガティブなものであったとしてもいいのです。
好きの反対は無関心と言われますが、結局のところ「嫌い」は相手への関心がある証拠です。自分のことが相手の目に移り、相手から反応が返ってこれば彼らは満足しますし、反応があったことを喜びます。
モラハラ加害者が嫌いな反応
彼らは自分自身が悪いことをしている自覚がありますが、それでもモラハラが気持ちいことなのでやめようとしません。そして、モラハラをしてもなお、「いい人」でいることを望んでいます。飴と鞭を使い分け、時にはご褒美を与えることで被害者を騙したり、表と裏の顔を周到に使い分け、周囲の人間を騙しているのです。
被害者の多くはモラハラを受けてもなお、加害者のことを「いい人」だと思っており、それがまたモラハラ加害者のモラハラを助長することに繋がります。彼らは、悪いことをしていても許されるし、さらには持ち上げてもらえる環境が心地よく、手放そうとしません。
一方で、モラハラをしているときに、嫌な反応ばかりが返ってきたらどうなるでしょうか?おそらく、モラハラをすることで嫌な気分を味わうようになれば、モラハラをすることのメリットがなくなり、モラハラをやめることができると考えられます。
1.無関心
先ほども言いましたが、好きの反対は無関心です。モラハラ加害者たちは、自分の中に確固たる自己がありません。そのため、人から反応を得られた時にだけ、自分の存在を確認できますし、自己肯定感を感じることができます。
無関心というのは、どんな働きかけをしても、「相手をコントロールできない」ということです。他人をコントロールすることで万能感を感じるモラハラ加害者にとって、これほど屈辱的なことはありません。
相手から何の反応もなければ、自分の存在そのものが認められなかったという強いショックを受けることになります。
さらには彼らが争いを好む理由の一つとして、人とのトラブルや戦いの中で自分の価値を見出そうとすることが挙げられます。モラハラ加害者たちは、言葉で自己表現をすることができません。代わりの手段がモラハラであり、争いを避けられることは、彼らが自己表現できる舞台を取り上げられることです。
モラハラを受けたときに、「なにがなんでもやり返してやる!」と相手と戦おうとするよりも、「この人とは関わり合いにならないでおこう」と徹底的に避けるほうが、実は相手へのダメージを与えることができます。
モラハラ被害を受けたときには、さっさと逃げ出すほうが、被害もなくなりますし、何よりもモラハラ加害者にとって一番嫌な反応なわけです。
「俺が正しかった」「相手は負けたから逃げ出したんだ」と言いますが、本当は相手にされなかったみじめさを感じています。
2.生理的嫌悪
生理的嫌悪は、「嫌い」に似ているような気がしますが、実はちょっと違います。いってみれば「気持ち悪い」に相当します。
たとえば、嫌いな虫を見たときの反応のことです。通称Gを見たときに自分がどんな反応をしているかを思い出してみてください。
生理的嫌悪は、「相手に対する絶対的な拒絶」です。しかも、本能の部分で拒絶しているため、拒絶が変わることはほぼありません。この先に特別なエピソードがあってGが好きになる、という人はほとんどいないと思います。(嫌いであれば、何かのタイミングで好きに変わることもあります。)
生理的嫌悪は、モラハラの存在そのものを否定することに他なりません。
モラハラ加害者は人から見限られ、孤立することを恐れています。人に寄生して生きているため、ひとりで何かをすることが難しく、ひとりにされることで精神的に困窮するからです。
3.軽蔑
また、軽蔑されることも耐え難い反応の1つです。
軽蔑の中には、「劣っている」という意味合いも含まれます。相手から「あなたは劣っているよ」「あなたってレベルが低いことをする人なんだ」という反応をもらうことは、上下関係を重視するモラハラ加害者にとって、自分が下の立場にひっくり返るかもしれないと思わされる出来事です。
下の立場になることを恐れている彼らは、軽蔑の反応をとても恐れています。
言葉ではなく態度や表情で「拒絶」をあらわそう!
モラハラ加害者へは、態度や表情を使って拒絶することがもっとも効果があります。
モラハラ加害者たちは、言葉で言われたことに対しては、論点をずらしたり、揚げ足を取るなどして反撃することが得意です。また、言葉でのやりとりの中でモラハラをし、スッキリしようとします。論点をずらしたどうでもいい話を長々とし、自分が人を言い負かしたと勘違いをして、万能感を刺激することになります。そして、それがモラハラをよりエスカレートさせてしまうのです。
話し合いをしようとすることは、相手のホームで戦うようなもので圧倒的に不利で、意味のないことです。さらには暴言や説教で本人が気持ちよくなると、またモラハラをしようとしかけてきて、余計な繋がりができてしまいます。
言葉で反撃しようとすれば、モラハラの渦中へと飛び込んでいくことになります。
話し合う価値もない人だと割り切り、最初から話し合うこと、戦うことはやめましょう。それよりも、「あなたのことを拒絶します」と態度にして、離れていってもらうほうが何倍も得になるでしょう。
ダメージを与えることを目的としない
この方法でモラハラ加害者にダメージを与えられることは間違いないと思います。ただし、彼らが見下した相手からの反撃に爆発的な怒りを感じ、報復的な感情を湧き上がらせてしまうこともあります。
今まで、精神的な暴力だけをしていた人が急に肉体的な暴力をふるってしまうこともあります。
私は、モラハラ加害者に反撃をすることを人生の目標とするのではなく、最終的にはモラハラ環境から脱し、モラハラと縁を切るように動くことをオススメしています。
まとめ
モラハラ加害者への適切な反応は、モラハラがあった時に「嫌いな反応」を返し、「好きな反応」を返さないようにすることです。
モラハラ加害者は、話し合って解決できるような人間ではありません。基本的には、「言葉」よりも「態度」で相手に拒絶を伝えることです。
理路整然と言葉で諭したところで、意味がありません。相手は言葉の分からない宇宙人だと思って接しましょう。(実際にこちらが話している言葉の意味が正しく伝わることはありません。)
もし、あなたがモラハラ加害者と縁をすぐに切れるような立場であり、周りにも見方が大勢いるような場合であれば、この方法を使うことでモラハラ加害者が向こうからモラハラがやりづらい相手だと避けてくれるかもしれませんし、逃げていなくなることもあります。
ただし、自分の所有物だ、自分が王様でお前が奴隷だと思っているような関係性であれば、相手はそれに対して大きな怒りをあらわにし、さらに攻撃を強めてくる可能性もありますので注意が必要です。そういった場合は、公的な場所、家庭裁判所など戦う場所を選んで戦うこと、さらには戦って結論が下った後は相手と徹底的に離れることが必要です。
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