モラハラ夫は、人格攻撃や被害者の感情を認めない、被害者の周りの人のことを貶めるといったひどい行為をしてきます。
しかし、モラハラ夫と言い争いをしてはいけません。
モラハラ夫から言われたことにカッとなり、同じ土俵に立って相手を攻撃してはいけません。
なぜモラハラ夫に同じレベルで言い返してはいけないのか、その理由をまとめました。
目次
モラハラ夫は、妻にモラハラが正当な行為であると認めさせたい
こちらの記事でも書かせていただきましたが、モラハラ夫は共感をもとめています。そして、モラハラをしない妻に自分のことを共感してもらうためには、相手にも自分と同じようなモラハラ人間になってほしいと望んでいるのです。
モラハラ夫は自分の行動が正しいと同意してもらいたいと思っています。モラハラ行為は正しくて当然の権利だと賛同してもらいたいのです。
自分の中に染みついているモラハラ行為を努力して治そうとするよりも、同じ価値観の人を増やし、モラハラ行為を認めさせる環境を作ったほうが何倍も楽だからです。
幼いころからその環境下で過ごしてきたモラハラ夫は、モラハラ環境の方が普通の環境よりも過ごしやすく心地いいのです。
新しく家庭を作った時にも、自分の慣れ親しんだモラハラ環境をつくろうとします。
幼いころから見てきた父親母親と同じような夫婦関係を作り、新しい家庭でも支配的、独裁的な家庭像を作り上げます。
そして、自分の両親のようにモラハラをしてもそのモラハラが正しいとパートナーに認めてもらいたいと思っているのです。
しかし、多くの人はモラハラ行為は人を傷つける良くない行為だと認識しています。妻がモラハラをしない人であれば、「そんなことはしてはいけないよ」「そういう言い方は人を傷つけるよ」と注意するでしょう。
モラハラ夫は、それがとても気に食わないのです。
モラハラ夫の心の中を覗いてみよう
自分は家庭内で一番偉く、自分の振る舞いを賛同する家族しかいらないと思っています。
なぜなら、幼いころ、家庭内で一番偉いモラハラ親に逆らうことはできませんでした。
モラハラ親の行動がおかしいと思っていたとしても、
それによって傷ついてきたとしても、
誰もモラハラ親を正そうとしなかったし、
誰もモラハラによって傷ついた自分を守ったり、癒したりはしてくれなかったからです。
モラハラ夫は、自分の両親の関係のように、妻に何としてでもモラハラを賛同してもらわなくてはいけないと考えています。
そうでなければ、
幼いときに自分が傷つけられたことは「正しくないことが原因だった」という現実を見なくてはいけませんし、
いまさら子どものときに傷ついた心を時を遡って癒すことはできないからです。
モラハラを否定されるということは、幼いころモラハラ被害で悲しい目に遭ってきた自分の歴史を否定することになります。さらには、幼いころの自分が実は傷つけられなくてもいいことで傷つけられたと気づいてしまったら、そのことが今の自分を傷つけます。
つまり、モラハラ環境で育って傷つけられてきた子どもにとって、大人になってからモラハラを否定されることは、二度傷つけられるも同じなわけです。
正しくない理由で
正しくない方法で
無駄に傷つけられてきてた
そんな現実を見せられるわけにはいきません。
だからこそ
モラハラは正しいことで
自分が怒鳴られたことも正しいことで
その正しいことを妻にもしてもいいはずだと
そうしなくてはならないのです。
モラハラ夫は、傷ついた子どもの頃の自分を守るために、さらにはモラハラをする今の自分を守るために、モラハラを肯定してもらわなくては生きていけないのです。
モラハラを否定する妻に、モラハラを肯定してもらうためにはどうしたらいいでしょうか?
モラハラ夫はこう考えます。
妻にも同じモラハラ行為をしてもらい、自分と同じ立場の人間になってもらおう!と。
モラハラ夫に言い返す=モラハラをする妻=モラハラを肯定してくれる妻を作り出す
モラハラ夫は、ひどい言葉を投げかけたときに、あなたからもひどい言葉を投げかけられてもいいと思っています。
そうすれば、暴言を吐いていたのは自分だけではなく、被害者であるあなたもだということになるからです。
モラハラを否定しているあなたが、もし、加害者と同じ行為をしてしまえば、モラハラを「良くないことだ!」「そんなことをしてはいけない」と批判できなくなります。
「お前だって俺にひどい言葉を言うじゃないか」
そう言われても、反論ができなくなります。
そうして、
妻だって同じモラハラをしていた。
やっぱりモラハラは正しい行為だ!
そう思うことができるからです。
だからこそ、わざと被害者に傷つくことを言い、被害者を挑発します。
もし暴言を吐いてしまえば、必ずその事実を利用してくる
そしてモラハラ夫は、妻がカッとなって言い返したり、その時にモラハラ夫にとって暴言を吐けば、そのことを必ず利用してくるでしょう。
被害者が暴言を吐くひどい人間だという既成事実を作ることができれば、それが被害者の弱みとなることをよく知っています。
周囲に「妻からこんなことを言われた」と言いふらすでしょう。
「俺は家族のためにこんなにも頑張って働いているのに」
「家事や育児だって、できる限りでやっているのに」
「妻からは感謝されるどころか、ひどい言葉を言われるだけだ」
と。
そして、周りから同情を集めれば、モラハラ夫は満足し、またそのことが周りの同情を引くと分かれば、どんどん度被害者である自分をアピールするようになります。
被害者は加害者に仕立て上げられ、ひどいときには周囲から孤立させられることもあります。
あなたはそのことで傷つき、さらには自分のことを「ひどい人間だ」と自己否定してしまうことになります。
優しい人は、暴言をつくことで負ける
また、モラハラ夫と優しい妻であれば、暴言の言い合いや罵り合いになった時に必ず妻の方が負けます。なぜなら、相手が傷つくことが分かっているので、そこまでひどい言葉を言うことができないからです。
しかし、罪悪感のないモラハラ夫であれば、どんなひどい言葉も平気で言い放つことができます。
どう考えても妻の方が不利であり、言い争ったところで勝てる見込みはありません。
絶対勝てない勝負に引きずり出され、暴言を言わされた挙句、ひどい人間に成り下がるだけです。
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まとめ
モラハラ夫に言い返してはいけません。
そして、モラハラ夫と同じ土俵に立ち、同じ人間になってはいけません。
あなたは、人を傷つけるようなことを言うひどい人間ではないはずです。
モラハラ夫があなたを変えようとしているという事実に気づかなくてはなりません。
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