自己愛性パーソナリティ障害のストーカー心理とメカニズム

自己愛性パーソナリティ障害のストーカー心理とメカニズム

モラハラ加害者の中には、離別後もしつこく元配偶者に付きまとったり嫌がらせを繰り返す人がいます。その嫌がらせも度を超えたものであり、何度も何度も家庭裁判所に調停を申し立てたり、裁判を長引かせたり、時には傷害や放火といった事件に発展してしまうものもあります。

今回は、自己愛性パーソナリティ障害(すべてのモラハラ加害者がそうであるとは限りません)であった場合、ストーカー行為の裏にある心理が一体どういうものであるのかについて触れていきたいと思います。

目次

1.自分が相手からストーカーされていると思い込む

ストーカーをしている人の中には、逆にストーカーをしている相手から自分がストーカーを受けていると思い込むパターンがあるそうです。この場合、彼らの中では、相手からストーカーをされているからその証拠を取るため、もしくはストーカーの行動を見張るためにストーカーをしているという理屈が成り立っています。

離別後、別れた相手が自分に付きまとっていると思い込み、その思い込みからストーカーをしてしまうということが起こり得ます。そして、相手にストーカーを止めさせるという目的のために攻撃的な行動をとる可能性もあります。

自分がストーカー被害者だと思っているため、双方の主張がかみ合わず話し合いが困難です。また本当の被害者がストーカーを行っていないことを理解してもらうのも難しくなります。(していないことには証拠がないため悪魔の証明になります)

ストーカー被害を受けている方が、ストーカーをしている事実もないのに相手の頭の中で勝手に加害者にされているなんてとても恐ろしいですね。

2.相手の本心は違うと思い込む

離別の際に、中には「本当は妻自身は望んでいないのにもかかわらず、周りがそそのかして離婚を推し進めている」と考える人もいます。もちろんそれは一方的な思い込みにすぎず真実は違います。

しかし、本人にしてみればこれが真実であり、相手が拒絶の態度を示したところで「本当のことを言いたくても言えないのだ」とか「俺が救ってあげなければ」という間違った認識から抜け出すことは容易ではありません。

そのため「配偶者を救う」という正義感のもとで、周囲の人へ攻撃的になって、時には凶行に走ってしまうこともあります。

また中には、配偶者が子どもをそそのかし、親子のつながりを断とうとしていると思い込むパターンもあります。この場合は、自分たちを引き裂く相手は元配偶者になり、元配偶者に対して攻撃を繰り返すことになります。

なぜ誤った思い込みをしてしまうのか

自己愛性パーソナリティ障害の人の場合、誇大的な妄想により、強い自己否定感から自分を守っています。それと同じように相手からの拒絶は自分を否定するもので、その否定されているという事実からもたらされる恐怖を打ち消す方法として誇大的な妄想を働かせているのです。

たとえば、1の場合であれば「自分が魅力的だから(ストーカーをされている)」と思い込んでいますし、2の場合であれば「自分は元配偶者(もしくは子ども)と愛し合っている者同士だ」という思い込みを持つことで、拒絶されている現実を受け入れないようにしています。

さらには、自己愛性パーソナリティ障害の人は、人の行動が「自分のための反応」だと捉えているため、「再婚をしないのは俺とヨリを取り戻したいからに違いない」とか「美容院に行って身なりを整えているのは、俺に見せるためだ」と思い込んだりします。

3.支配欲を満たすため

DV・モラハラの心理には相手を支配したい、所有したいという欲求があります。そして別れた後も相手に対してストーカーをすることで、支配欲を満たそうとする場合があります。

支配欲がもとになっている場合は、支配しているという満足感を得るために、相手が自分を意識してくれることを望みます。そのため、相手にバレないようにこそこそとストーカーをするよりも積極的に居場所を知らせたり、分かりやすく嫌がらせをしたり、ポストに手紙を入れるなど、アピール行動が伴います。

なぜ元配偶者を支配したいと思うのか

過去に一度支配できた人は、再び支配することがたやすい人であると認識しているため、ターゲットとして選びやすいこと考えられます。また支配欲・所有欲を他の人間関係で満たすことができなかった自己愛性パーソナリティ障害の人は、かつての人間関係に戻ってそれを得ようとします。

4.拒絶された現実を受けれられず凶行に及ぼうとしている場合も

離婚を拒否していた人、未だ離婚の事実を受け入れらない人は、自分が相手から拒否された拒絶されたことで次第に相手を強く憎むようになります。自分を拒否した相手を制裁するためにストーカーを行います。この場合、配偶者などの行動パターンや居場所などを突き止めるためにストーカー行為が行われます。そして、元配偶者の居る場所にあらわれ、ある日突然凶行に及ぶこともあり得るのです。

自己愛に問題がある人は「NO」を「攻撃されている」と感じる

どんな優れた人間でも、欲求と現実のギャップに苦悩します。そして他人は自分の思い通りにならないのが当たり前であり、その時に欲求が叶えられないことにより生じる葛藤は、最終的には自分の中で片付けなければいけない感情です。

しかし、自己愛に問題がある人は内側から湧いて出くる葛藤を「他人から攻撃されているために今自分が苦しいのだ」と受け取ります。そのため、他人からの「NO」は自分への攻撃だと変換され、彼らの攻撃は、攻撃に対する反撃という認識の上で行われます。

まとめ

自己愛性パーソナリティ障害の人が持つ心理傾向はストーカーに繋がりやすいと考えられています。離婚紛争でもこじれることが多くありますが、離婚後についても引き続き被害が続くこともあり、決して安心できません。

自己愛性パーソナリティ障害の人の心理について知っておくことは身を守るためにも必要です。

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