モラハラ加害者が鬱になりやすい?自己愛性パーソナリティ障害がもたらす二次障害とは

モラハラ加害者が鬱になりやすい?自己愛性パーソナリティ障害がもたらす二次障害

モラハラは被害者に深い心の傷を与えます。

しかし、モラハラ加害者自身がうつ病や適応障害と言った病気になり、クリニックに通うことは実は珍しくありません。

なぜ、加害者の方が病気になるのでしょうか。私の夫のエピソードも交え、解説します。

目次

1.モラハラ加害者は否定されることに極端に弱い

モラハラ加害者は、自信過剰で弱点などないように思えます。しかし、実際は精神的にとても脆く、人から否定されると抱えている劣等感が刺激され、ものすごいダメージを受けるのです。

それが、「俺はこんなに傷ついた!」「そんなことを言うなんてお前はとてもひどい人間だ!」と言った発言につながります。

そして、被害者のほうが間違っている事を認めないと加害者は自己を保てなくなるので、被害者が謝罪したり、自尊心を回復するような納得のいく反応を返すまでモラハラをし続けます。

否定」をそのまま「批判」「中傷」だと捉え、些細なことでも自尊心が傷ついたと主張します。

自己愛性パーソナリティ障害の人は、挫折を感じたときに「自己陶酔的崩壊」という激しい感情的な反応が起こると言われています。この感情的な反応は怒りに変わることもありますし、大きな挫折が元で引きこもりやうつ病を発症することも知られています。彼らは、誇大妄想の中で生き、常に人からの賞賛を得られないと生きて行くことができない症状を抱えています。

2.義両親や夫といると、自分がモノであるかのように錯覚し、自尊心が激しく傷つけられた

私自身、モラハラ加害者である夫や義両親といると「人間としての扱いを受けていない」と感じることが多々ありました。

私は、自尊心が高いタイプではありませんが、それほど低いタイプでもありません。しかし、義両親や夫と過ごしているうちに「どうせ私なんて・・・」と言う考え方をすることが増えていきました。

被害者に自己否定を促すモラハラ

夫の父方の祖母は私と結婚するずいぶん前に亡くなっています。

夫一家は、義父両親と同居だったため、一緒に暮らしていましたが、祖父の亡きあとは食事は別々、外出も一緒にはしないなど、全く違った生活スタイルをとっていたそうです。そうして義母がよく言っていたのは、祖母は「どうせ私なんて」といつも言うようなウジウジした人だった、ということ。そして、夫はその性格を受け継いでいる、とも言っていました。

私は、夫の祖母と会ったことはないし、人づてに話を聞いただけの想像でしかありませんが、祖母の性格が元々ウジウジとした暗い性格であったわけではないのでは、と考えています。

おそらく圧倒的なモラハラを行う義母は周りの人を「ウジウジとした自己否定を行う暗い性格」に変えてしまうのではないか、と。そうして、幼少期からモラハラを受けた夫も、同じような性格を作り上げるに至ったのではないでしょうか。

老年、子どもや孫と一緒に暮らしながら、関わる事なく孤立していたらしき、夫の祖母。本来ならば、最も信頼できるはずの家族間で孤立をもたらす恐ろしいモラハラ被害

そして、この祖母の話を聞いたときに思ったのは、いずれこの祖母の位置に立つのは「自分」である、ということでした。

こういった自己否定を促すのは、モラハラの特徴です。

モラハラは、何をやっても「お前はおかしい」という人格否定を受けるため、長く一緒にいればいるほど、自尊心が傷つけられていきます。

結局、否定される自分、何をやってもダメと言われるしかない自分。

皆一様に「どうせ私なんて」と言う考え方に至るのです。

モラハラ加害者たちはかつてはモラハラ被害者で合ったケースが多いと言われています。そのため、幼少期から自己否定をし続けてきており、自尊心が成長していません

彼らは、常に誰かから持ち上げてもらわなければ自己を保てない不安定な状態だといえるでしょう。

3.モラハラ加害者が鬱になるのは自尊心が低いため

モラハラ被害者は、モラハラを受け続けることによってうつ病など、心の病を発症します。

同じように一部のモラハラ加害者はかつてのモラハラ被害者であり、彼らも同様の心の傷を抱えています。

幼少期から「どうせ自分なんて」という思いを抱いて過ごしてきたため、大人になってから妻(夫)から褒められたり、社会的に認められても、一時的には満足感を得ますが、根本的に大きな心の傷を治すことはできません

些細な人との衝突や否定されたことに過敏でダメージを負い、病気になってしまうのです。

彼らの側に居続けるということは、常に彼らに賞賛を送り、注目し、自己陶酔的なエネルギーを供給し続けてあげなければいけないことを意味します。

彼らより目立ってはいけません。

しかし、彼らの役に立ち続けなければいけません。

被害者にとってそれは、「自分自身の人生を生きることを許されない」ことでもあります。

彼らの根本的な傷を癒してみるのは効果があるでしょうか?それは基本的には難しいと考えられています。

彼らは、自分が生きづらさ(自己陶酔的なエネルギーを得続けなければ生きていけないこと)に気がついていません。なぜなら洞察力にかけているため自身の状況を客観的に把握することができないからです。

自己陶酔的崩壊の兆候

自己陶酔的崩壊の前触れとして、自分や他の人の安全を危険にさらす可能性のある行動に引き寄せられるといわれています。たとえば、

  • ギャンブル
  • 過度の飲酒
  • 薬物乱用
  • 危険運転

などです。

その他にも、苛立ち、罵倒、悪口、自傷、受動的攻撃、不安、怒りの爆発などもその兆候として考えられています。

4.それでもモラハラ加害者を同情できないわけ

このように書くと、モラハラ加害者は可哀そうな人だと思うかもしれません。私もモラハラ加害者は可哀そうな人生を送ってきていると思います。

しかし、モラハラ加害者に同情できないのは、自分がやられて辛かったことを加害者以外の他の人にやりかえすことで自尊心を回復しようとしているからです。

そこには同情すべき余地はありません。

5.モラハラ加害者に出会ってしまったらどうするか

モラハラ加害者に出会ってしまったら、一刻も早く距離を取り、逃げ出すことです。

同情したり、心の傷をいやしてあげようとしたり、その原因に気づかせようと思ってはいけません。

彼らは、自分の行動の原因や理由に気がついていない(気づくことができない)可能性があります。そのことが彼らを変えることをさらに難しくしています。

↓こちらの本はパーソナリティ障害のチェック表つきです。目安として役に立ててください。

モラハラ加害者が鬱になりやすい?自己愛性パーソナリティ障害がもたらす二次障害

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