モラハラをしてしまう人の人格には、自己愛性パーソナリティ障害が根底にあると言われています。
自己愛性パーソナリティ障害についてはこちらの記事をご覧ください。
自己愛性パーソナリティ障害は自覚がなく、周囲ばかりが困らさせられる厄介な病気です。この人たちはどんな人生を歩み、どんな末路を迎えるのでしょうか?
年を取るにつれ、彼らの置かれる環境は変わっていきます。すると自己愛性パーソナリティ障害の人たちは、どうなるのかをまとめました。
自己愛性パーソナリティ障害の人からは人が離れていく
パートナーとの関係は?
自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分さえ良ければよく、夫婦関係においても自己中心的で支配的な関係を作ります。パートナーを魅了した力は、たとえばお金の魅力(結婚後は経済DV)であったり、聞こえのいい言葉を並べ立てたトーク力です。
自己愛性パーソナリティ障害の人がお金を失ったとき、言葉が嘘だとバレたとき、年を取って弱ってきたときに、虐げられてきたパートナーは今までのひどい扱われ方から反発するようになります。
その時にも支配が続いているようであれば、文句を言いながらもかいがいしく世話をしてくれるかもしれませんが、パートナーの気持ちが離れていってしまったときには関係が続かなくなることが多いようです。
人間関係に支配がある場合は、力があるうちは続いていきますが、力が弱り、支配が解けてきたときにあっさりと関係が終わることがあるということです。
力が弱るときは、大切な人の死、離職、病気などむしろ本人がパートナーに支えてもらいたいときです。しかし、今までの関係で「自分が弱っているときに支えてもらえなかったパートナー」は、窮地に陥った自己愛性パーソナリティ障害の人を助けようとする気にならず、今までの人生をやり直すがごとく彼らを見限り別のステージへと進むでしょう。
支配により成り立っていた関係は、支配力の低下と共にあっさりと切れることがある
友人関係は?
若いうちは、人間関係がこじれてダメになったとしても、また新しい出会いがあり、あらたな友人を作ることができます。
しかし、年を取るにつれて、出会いも減り、以前のように人が離れていってしまった後に新しい人間関係を作ることが困難になります。
人間関係がダメになるたびに、新しい人間関係を作ることで対応してきた自己愛性パーソナリティ障害の人は、新たな人間関係が作れない状況になると、親しい友人と呼べる人がいないことに初めて気が付くことになるでしょう。
ターゲットが離れていくとどうなる?
自己愛性パーソナリティ障害の人は、ターゲットなしにして生きて行くことが難しいため、もしターゲットが逃げ出してしまったら、新たなターゲットを見つけるか、以前のターゲットに執着します。
後者であっても次のターゲットを見つけることができれば、以前の関係を清算することができる場合もあります。
しかし、自己愛性パーソナリティ障害の「自己愛憤怒」と言う怒り方が元で、自分のところから逃げ出したターゲットに対して強い怒りを感じ、長い時間をかけて復讐をすることも少なくありません。
夫婦関係では、前者は再婚をすぐにして、後者は離婚を渋り長期化するか、離婚後も何かとつきまといをします。
次のターゲットに対しても、以前と同じ虐待行為をするか、さらにエスカレートした虐待行為に発展していく場合もあり、改善どころか悪化をしていきます。
DVやモラハラで離婚をした人は、以前の家庭でもDVやモラハラがあり、家庭内で見せる顔は一貫しています。
そのため次のターゲットを見つけても結局は破綻を繰り返します。
年を取るにつれ、次のターゲットを見つけることが難しくなってくると、突如過去の人間関係に固執し、連絡を取ろうとする場合もあるので注意が必要です。
元パートナーの場合、5年、10年たった後に突如として手紙やSNSを通じてのメッセージがくると言ったこともあります。
自己愛性パーソナリティ障害の行く末は?
年と共に症状が悪化する
自己愛に問題を抱えた人は何をしても自分を満たすことができず、現実と妄想のギャップが年を経るごとに大きくなるため、中年以降に大きな絶望に襲われると言われています。
彼らが思うようにターゲットやターゲットからエネルギーを得ることができなくなっていくことが、モラハラの加速と関係していると私は考えています。
年を取って喪失体験を繰り返したことで、自己愛性パーソナリティ障害と気づく場合もある
過去に人間関係でトラブルを起こし、関係を断ち切ってきたとしても、若いうちは魅力があり、新たなターゲットを見つけることができました。
しかし年を取って人間的魅力が下がっていくと、人は離れるばかりで自分がどんどんと孤独になっていくことに気づくようになります。
本人は自覚はないけれど、周囲の人は常に困らされているので、周りは「あの人とは関わってはいけない」と気づいている場合があります。
職場などの固定された人間関係では、本人も知らないうちに悪評が立ち、新しい人が入ってきた場合でも、親しくならないように注意喚起されていることもあります。
人間関係を新しく挿げ替えることで何とかなってきた「誇大な自己像と現実の埋まらない溝」が、次第に人生の障害のように立ちはだかるようになります。
その時になって初めて、誰も自分と親密な関係を築こうとしない事実を悟るのです。
本人が障害にぶつかり社会的困難を自覚できた時、精神疾患に悩まされてクリニックを受診したり、本やインターネットで当てはまる症状を検索することで、自分自身が「自己愛性パーソナリティ障害だった」ことに気づくこともあります。
多くの場合は気づかないまま孤独な最期を迎える
しかし、多くの場合は年を取ると自覚を持つどころか悪化していくことが多く、孤独になっていくことすら「社会が悪い」「無理解な周囲が悪い」と責任転嫁をします。
会社などのつながりがあった場合にも、年を取って退社をすると利害関係のなくなった人はどんどんと縁を切り疎遠になっていきます。
家族、近所、友人などのあらゆる関係から距離を置かれ、孤独な最期を迎えます。
自己愛性パーソナリティ障害の人が他者を犠牲にして自分を満たすことは、結局はその人との信頼関係を犠牲にしていることに他なりません。 関係は壊れ、別れは必然的にやってきます。
まとめ
自己愛性パーソナリティ障害の人は、パートナーや友人関係などすべてを失って初めて、自分自身が「自己愛性パーソナリティ障害」だったことに気が付くことがあるということです。
それまでに人間関係で破滅、喪失を繰り返したとしても、新たなターゲットが見つかる限り、自分を振り返ることはありません。
また、「自己愛性パーソナリティ障害」だと自覚した後に、自分をよくしようと奮起し、劇的に改善されるか、人生に絶望してダメになるかはその人次第です。
必ずしも改善される訳ではないことも覚えておかなくてはいけません。
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