モラハラを生むきっかけは、親との適切なアタッチメント(愛着)が育たなかったために引き起こされる「愛着障害」です。「愛着障害」が原因で生きづらさを抱えた子どもは、そののちにモラハラ環境にさらされることによってパーソナリティに問題が生じ、その結果モラハラ加害者になってしまいます。
モラハラを生んだ原因は多くの場合、生育環境にあると言えるでしょう。
ということは、モラハラ加害者を生んだ一番の原因はモラハラ親であり、モラハラ親に育てられるということが次のモラハラ加害者を生むということになります。
モラハラ夫は子どもが生まれたらモラハラ親になるでしょう。
我が子にはどんな影響が出るのでしょうか?
モラハラは親から子へと世代間で連鎖する
被害者は多くの場合、加害者に転じる
残念なことに、被害者は多くの場合のちの加害者になります。特に親子間での連鎖はされやすく、その割合はおよそ3分の1以上であると研究から分かっています。
モラハラだけでなく、暴力や虐待についても連鎖が起こりやすいことが知られています。
かつては被害者の立場であった人がのちに加害者に転じる確率は高く、モラハラ加害者もかつては被害者の立場でした。つまりその親もまた被害者であり、親のそのまた親からモラハラ被害に遭っていたと考えられるのです。
次なる被害は加害者に向かわず、自分よりも弱いものへ向く
また、この時に向かう暴力は、自分に暴力をふるった相手ではなく、自分より弱い立場である別の相手に向かうことも良く知られています。被害の連鎖は強いものから弱いものに引き継がれやすく、親子間で連鎖が繰り広げられてしまうのも親子の力関係が圧倒的に違うためです。
部活であれば先輩から後輩へ、会社であれば上司から部下へ。悪しき連鎖が続いていってしまいます。
夫は、自分が受けたモラハラを今度は妻である私や子どもたち、また職場では後輩に対して行っていました。一方で自身の親や上司に対しては、決してやり返すようなことはありませんでした。
モラハラ行為の責任は誰にある?
幼いころからモラハラを受けなくてはいけなかったことは、すべて環境が原因であり本人には何の非もありません。そのせいで長い人生において不利益を被ることになったのは可哀そうなことです。
しかし、モラハラ被害者もいずれ自身がモラハラ行為をしてしまえばモラハラ加害者です。そして当たり前ですが、その責任は親ではなくモラハラ・暴力行為をやってしまった本人にあります。自分のやってしまったモラハラの責任を自分自身で採らなくてはならないときがやってきます。
モラハラを連鎖させることは、決して報復ではありません。なぜなら、その被害の矛先は、モラハラをしてきた相手ではなく、関係ない第三者に向かうからです。その点で、私はモラハラ被害者がモラハラをしてしまったら同情できないと思っています。
なぜ被害は連鎖してしまうのか?
なぜこのように高い確率で被害が連鎖してしまうのでしょうか?
その一番の理由は、被害を受けた本人の傷が癒えていないからです。
ストレスをためるという表現があるように、ストレスは蓄積します。 溜めこんだストレスはどこかで発散させなくてはいけません。ストレスや心の傷を癒さないまま放っておけば、いずれどこかで爆発するときがきてしまいます。そして悪いことに、発散するときの矛先は弱い立場の人に向かってしまうのです。
まとめ
モラハラ被害者がやらなくてはいけないことは、まず第一に自分の傷を癒すことです。この傷が残っているうちはモラハラが弱い立場の人に連鎖してしまいやすいのです。被害を連鎖させないためには何よりも自分の回復に一番力を注ぎましょう。
被害者は一番、モラハラの恐ろしさを知っています。その被害のせいで人生が大きく狂ってしまったのであれば、他の人にも同じ苦痛を味あわせてはいけません。
そしてなによりも、モラハラを嫌いになりましょう!モラハラ加害者のみならず、モラハラ自体を嫌いましょう!モラハラにはあいたくない、見たくない、やりたくない、そう思い続けることです。
もしモラハラをしてしまえば、さらに自分の人生を狂わしてしまうことにつながります。自分のためにもモラハラを連鎖させないでください。
そして、私自身もモラハラ被害者。子どもへモラハラ行為をしてしまわないように気を付けていかなければいけないと思っています。
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