「自分は何でこんな些細なことでクヨクヨとしてしまうんだろう・・・」
「前向きな人がうらやましい」
「自分はダメな人間な気がする・・・」
「こんな自分を変えたい」
と自分の性格を否定している方へ。
性格を変える必要はありません。必要なのは自分のパーソナリティをよく理解することです。
性格は一生変わらない!?
行動認知学では、人のパーソナリティ(性格)は持って生まれた遺伝的要因と非環境的要因によって決まるとされています。
たとえば「落ち込みやすい」とか「繊細である」とか「おおらかである」とか「穏やかである」といった性格は一生変わらないと言われています。
幼いころから外交的で友だちが多くどんな人とも仲良く話すことができる人はクラスに1人は必ずいます。リーダー的なタイプであったり、またはムードメーカーであったり、クラスの雰囲気を決定するような力を持っています。こういう子が大人になったら途端に人見知りで臆病な性格に変わっていたということはあまり聞かないでしょう。
また、特定の友達とだけ仲良くして親密な友人関係をつくるタイプの子もいます。大きくなってからもやっぱり狭く深い友人関係を築いていることが多いものです。
こういう小さいころからのタイプの違いは親の育て方が原因ではなく、もともとの個人の気質です。
しかし全く変わらないということではなく、正しくは「変えにくい」「簡単には変わらない」ということです。幼いうちはパーソナリティも発達段階です。パーソナリティも成長によって発達していきますので、高校生くらいまではパーソナリティも変わると考えられています。
性格を決定する5つのパーソナリティ
パーソナリティは5つに分類されています。
- 外向性…活動的、刺激を求める、ポジティブ、人と関わるのが好き、物事を進める力がある
- 開放性…空想、考えることが好き、芸術が好き、感情が豊かである
- 神経症傾向…不安、傷つきやすい、衝動的、気分が落ち込みやすい、プライドが高い、敵をつくる
- 調和性…優しい、人のことを考えて行動する、実直、誠実、控えめ
- 勤勉性…慎重、秩序を好む、ルールを守る、勤勉、努力をする
どれに当てはまるという択一的なものではなく、それぞれに対して高い傾向にあるのか、低い傾向にあるのかと図られます。「外向性」と「調和性」が高い人もいますし、「神経症傾向」と「勤勉性」が高い人もいるということです。
この分類のうち、1番にいくほど変えにくく、5番にいくほど変えやすいと考えられています。
特に「調和性」と「勤勉性」については、年を取ってからも高くなるように変えることができると言われています。
無理に性格を変えようとすると弊害が出てくる可能性も?
本来の性格を否定して、無理に性格を変えようとすると弊害が出てきてしまいます。
自分の性格を変える根本的理由は、今の自分が嫌いである、とか今の自分ではダメであるという自己否定です。それは左利きの人を無理やり右利きに矯正するのと似ています。左利きは悪いから変えなさい。私の性格は悪いから変えよう!しかし、左利きの人は頑張ったところで右利きの人と同じくらい上手に右手を使えるようになるわけではありません。それと同じように内向的な人が頑張って外交的な人のようにふるまっても、外交的な人のようにはできません。そうするとかえって自己否定感を強めてしまい、「やっぱり自分には無理なんだ」とさらに落ち込んでしまいます。性格を変えるどころか、自分の限界に打ちのめされて自分をより認められなくなる可能性の方が大きいのです。
また、無理に性格を変えるようとすることで、本来の自分の性格が分からなくなり、アイデンティティにも影響を与える可能性があります。
傷つきやすい人が、自分の心の傷を見てみぬフリをして平気であるようにふるまったり、内向的な人が無理をして多くの人と関わろうとすると心が病んでしまう場合もあります。
もちろん「自分の性格を良くしたい!」と思うことは良いことですが、性格そのものを変えるのではなく、言動や癖を変えることで人は変わることができます。
自分のパーソナリティを認めてあげよう!
○○でなければいけない!という価値観を捨てよう
左利きだからと言って、無理に右利きに矯正することを強いると言った不当な扱いを受けることは好ましくありません。それはパーソナリティにおいても同じことが言えます。私たちが性格を変えたいと思う原因には、外交的なほうがいいとか、落ち込むことは悪いことだとかといった単一的な価値観の押し付けがあります。社会には多種多様な人間がいます。それぞれの特性に優劣をつけるのではなく、多様化を認めていけるようになると良いですよね。
メンタリストのDaigoさんは、「内向的であるから世の中でうまくやっていけないというのは間違った思い込み」「内向的であるのは才能である」と言っています。
実は「内向的な人」ほど成功を掴みやすい – PRESIDENT Online
見方を変えれば、ネガティブに捉えていたことにもいい面があることに気づくことができるのです。
パーソナリティを知ったら自分の行動や癖に生かそう!
先ほど話をしましたが、性格はなかなか変えられなくても、行動や癖は変えることができます。
傷つきやすいという特性があることが分かれば、傷つくことを言ってくる人とは距離を取るようにするとか、落ち込みやすい人は、落ち込んだ後に気分を変えることができる行動を見つける、など自分の行動はすぐに変えることができます。
落ち込んだときに何もできなくなり寝てしまう人は、寝てしまうことを「自分に必要な休息期間」だと思ってみましょう。肯定的に考えるだけでも随分と心の持ちようは変わってきます。考え方の癖を変えるだけでも負のスパイラルに陥らずにすむのです。
仕事選びもパーソナリティを活かしたものを
自分のパーソナリティに合わせて職業を選ぶことも大切です。上の記事にも書いてありますが、内向的な人は考える作業に向いているため、将来を見据えて人生設計をするファイナンシャルプランナー、コツコツと作業をするプログラマー、その他にも技術職、専門職、クリエイティブな職種に向いています。
まとめ
- 自分のパーソナリティを正しく理解しよう
- 自分のパーソナリティを否定せず、行動や癖を変えよう
- 自分に合った適職がある!仕事選びもパーソナリティを活かそう!
自分の特性のいい点に目を向けてくださいね。
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