自分を大切にするための6つの方法とその効果

自分を大切にするとは具体的に何をすればいいのか?

「自分を大切にしなさい」

とてもいい言葉です。私自身も人を大切にするよりもまずは自分を大切にすることが必要だと考えていますし、自分のことを大切にしようと意識しないとなかなか大切にできないのではとも思っています。

しかし、自分を大切にするというのは曖昧で、何をすればいいのかがよく分からないという人もいるのではないでしょうか?

今回は、「自分を大切にする」具体的な行動とその結果得られるメリットをまとめました。

目次

1.自分を大切にする=自分の脳を大切にすること

脳と言い切るには理由があります。

心というと具体的に何を指すのが分かりにくいのです。しかし脳と言えば実体があるので分からないという人はいないでしょう。

脳がうまく働かなくなれば私たちは生きることができません。そしてホルモンの異常分泌など、脳が正常に働かないことで生きづらさを抱えることもよく知られています。

もし体の一部が悪くなってしまった場合、時には手術をしてその悪い部分を取り除くことがあります。そして人工的に同じ機能をするものを埋め込んだり、また人工透析などの医療を受けることで役割を補います。

しかし脳だけは、悪くなったからと言って新しいものに変えることができません

認知症なども含めて脳が悪くなった場合は治療することが難しく、悪くなる前に対処をしなくてはいけません。いわば、脳は取り換えのきかない消耗品なのです。

脳を大切にすることは、私たちが幸せで健康的に生きる上で欠かせないことです。

2.自分の脳を傷つける悪い人間関係は切る

ストレスは脳にダメージを与え、脳はそのダメージから回復することが難しいと言われています。

特に慢性的な命を脅かすほどのストレスを受けると脳は深刻なダメージを受けます。

豊富な食料があり、丈夫な家があり、人間らしい生活を送ることが保障されている現代の日本では、環境的要因で命を脅かすほどのストレスを受けることはほとんどありません。(もちろん震災等の被害を受けることもあり、必ずしも安定的な暮らしが保障されているわけではありません。)

多くの場合、私たちは他者から受けるストレスによって、脳にダメージを負っているのです。

自分の脳を傷つけるような人とは縁を切り、自分の脳を守ることが必要です。

2-1.いじめを我慢してはいけない理由

学校生活で言えば「いじめ」です。「いじめ」は我慢するメリットが何もありません。むしろ我慢することで脳を傷つけ、のちの人生に深刻な影響を及ぼします。

悪い人間関係から離れたほうがいいかどうかを判断するときには、ストレスが

  • 命を脅かすほどのストレスか否か
  • 慢性的であるか否か

の2点に着目してみましょう。

子どもは友だちと喧嘩をします。喧嘩が原因でストレスを抱えることもあります。しかし、喧嘩のときのストレスは一時的であり命を脅かすほどのものではありません。仲直りをすればストレスは無くなりますし、友だちとも以前のように仲良く遊ぶことができます。

一方、「いじめ」を受けているときのストレスは慢性的です。そして時には暴力を伴ったり、自殺の強要や集団から無視されコミュニティからはじかれるなど、命を脅かすほどのストレスを受けます。

それは脳にダメージを与える劣悪な環境と言って言いすぎなことはありません。すぐにその環境から逃げ、悪い人間関係を断ち切る必要があります

2-2.何かを成し遂げるのには人間関係はものすごく重要である

ある環境に適応できずに逃げることは、

「逃げ癖がつくのではないか」

「すぐ諦める子になってしまうのではないか」

と思って子どもに我慢を強いてしまうことは良くあります。しかし、我慢し続けることにメリットはないそうです。

これは習い事についての話です。

世界的に成功した音楽家に聞いたところ、すべての人が共通して「自分には才能というものはなかったが、小さいころの先生が音楽の楽しさを教えてくれたことがきっかけで音楽の道に進んだ」と言ったそうです。

おそらく才能がなかったと言っているのは謙遜であると思いますが、長く音楽に関わることができたのは、幼少期の先生が褒めて伸ばす人であったという共通点があったそうです。

これは、画期的な発見です。たとえ才能があったとしても、叱られる環境では人は伸びず、その道から撤退することを余儀なくされた可能性があるのです。

残念ながら、全ての才能がある人がいい先生に恵まれるとは限りません。

人間関係に恵まれなかったために才能が発揮できずに終わることがある、ということです。

たとえば教師との相性や人間関係の問題は、どちらか片方ばかりが努力して改善できるものではありません。

怒りっぽい教師の性格を生徒の努力で変えることはできません。一方的に子どもが「先生に合わせて我慢することを強いられる」のです。

しかし先生や人間関係に恵まれなかったからと言って、自分の好きなことから撤退する必要はありません。

そういったときには、先生を変える、教室を変えるなどして相性のいい先生や人間関係と巡り合えるようにすることが必要です。

大人にとってもいい人間関係に身を置くことはものすごく重要です。

自ら動いて、自分に合った人間関係を探すことを心がけましょう。

2-3.我慢する、努力するのも時には必要

一方、怠慢や練習不足など自分の行動は変えることができます。

自分が努力することから逃げようとしている場合は、我慢が必要なときもあります。

努力することは、自分の人生を豊かにしてくれますし、これからの人生の困難を乗り切るための力を養うことにもつながります。

反対に自分が我慢したり努力して、人を変えようとする必要はありません。

我慢する、努力するときはその方向性を間違わないようにしなくてはいけません

自分を磨くための我慢や努力は、続けるといい効果を生み出すでしょう。

2-4.家庭内に問題がある場合は

もし家庭内がこのように悪い環境であった場合は、変えることが非常に難しいのです。

「今の親は良くないから、明日からは別の人を親にしよう」

ということができないからです。

親が命を脅かすほどの慢性的なストレス源である場合は、のちの人生に悪い影響を及ぼす可能性が非常に高いのです。

残念なことに、子どもは親を選べません。

夫婦仲が悪い家庭、子どもの前で夫婦喧嘩を頻繁にする家庭では、子どもの脳は委縮するというデータがあります。

そして、面前DVは暴力よりも暴言の方がはるかに子どもへの悪影響を与えるそうです!

暴力がなければ良い、

子どもが被害に遭っていないから良い、

ということはなく、夫婦仲の悪さは確実に子どもの脳の成長を阻害します。

また、児童施設の職員は暴力よりも暴言のトラウマの方が根深く、取り除くことが難しいと感じているそうです。長年暴言にさらされてきた子どもたちは、暴言のない環境へと移ってもその影響がいつまでも残り、ひどい言葉を職員や友だちに言うそうです。そしてその理由は、「自分の親はもっとひどい言葉を言っていたから大したことない」と考えているそうですよ。

夫婦仲に問題があると感じていれば、今日からすぐにでも改めたほうがいいでしょう。

3.質の良い睡眠、栄養をとること

栄養は脳のエネルギーになりますし、睡眠は脳の休息です。

私たちの精神状態は意外と物理的なことに左右されます。私たちは膨大な情報処理や慢性的な忙しさで知らず知らずのうちに「脳疲労」に陥っています。そして「脳疲労」が様々な心身の問題を引き起こします。

忙しいときほど睡眠と食事を大切にし、自分の脳を守ることが必要です。

また、うつ病の前には不眠が先行して現れることも知られています。

初めてうつ病になる患者の4割、再発するの場合は6割に不眠が先行して現れると言われています。不眠とうつ病には密接なかかわりがあり、CPAP治療(睡眠時無呼吸症候群の治療法)を行ったところ、うつ病も改善されたというケースも多くあります。

長い時間寝ているはずなのに眠いなどといった質の悪い睡眠では脳が回復しません。寝る前には「脳を休ませる」という意識も必要です。

※睡眠時無呼吸症候群とうつ病も密接なかかわりがあることが知られています。寝ても寝ても眠い、昼間に病的に眠いなどと言った症状がある場合は睡眠時無呼吸症候群を疑ってみましょう。適切な治療を受ければ、精神疾患も回復する可能性があります。

4.自分を大切にしてくれる人を大切にすること

人間関係では、自分のことを考えてくれる人、助言をくれる人、必要な時に助けてくれる人との人間関係を何よりも大切にしましょう。

多くの友人とつながっていることも大切ですが、その中でも特にあなたを大切にしてくれる人との関係は自己肯定感を高め、人生を有意義なものに変えてくれるはずです。

4-1.味方のふりをした敵を見極める

世の中にはいろんな人がいます。

中には「あなたのためを思って言ってあげているの」などと言いながら味方のふりをして搾取をしてくる人もいますので、言葉に惑わされることなく本質を見極めることが必要です。

見極めポイント!

自分が相手の行動を嫌だと思ったとき、それを相手に伝えても相手がその行動を辞めてくれない場合は、味方のふりをした「略奪者」「支配者」である可能性があります。

あなたの望むことではなく、相手の望むことを強要していているかどうかが見極めポイントになります。

そういう人との人間関係は、表面的ないい言葉を言われるものの、中身は伴っておらず結果的に損をすることになります。

付き合い続けると、モヤモヤとした気持ち悪さが付きまとい、「こんないい人のことを好きになれないなんて、私は嫌な奴だわ」と自己否定感を高めてしまいます。

モヤモヤとした気持ちになる人は、本当はあなたのためになっていない人です。

思い切って付き合いをやめてみましょう!

4-2.自分を大切にしてくれる人を見極める

真の味方はあなたが望んだことを手助けしてくれたり、あなたが道を外れそうになった時に説教してくれる人です。

説教をしてくる相手は時にはうっとうしく感じるかもしれませんが、あなたのことを真剣に考えてくれるからこその行動です。誰しもがあなたの行動を正してくれるわけではありません。

自分を大切にしてくれる人を見極める目を養うことが必要です。

見極めポイント!

辛いときにそばにいてくれる、あなたに悪いところがあれば改善するための具体的な内容を教えてくれる、あなたの話をよく聞いてくれる人はあなたを「本当の意味で大切にしてくれる人」です。

こういった人は世の中に何人もいるわけではありません。その人との人間関係を大事にしてください。

5.自分の価値観を大切にすること

誰かと価値観が違ったとしても、自らの価値観を曲げたり、上書きする必要はありません。また、他の誰からからあなたの価値観が「おかしい」と否定されることは間違っています。価値観には正しいもの、間違っているものなどなく、それぞれの価値観が尊重されなくてはいけません。

結婚をしたいしたくない、子どもが欲しい欲しくないなどと言ったことも含め、これからどんどんと多様性が受け入れられていくでしょう。

自分の価値観を否定しないことは生きる上でとても重要です。誰かに何かを言われても、「自分は間違っている」と価値観を変える必要はないのです。

たとえ価値観が世間的にマイノリティだったとしても、数が少ないから劣っているわけではありません。

いろんな考えの人がいて、いろんな価値観があることが素晴らしいことだと認識してください。

6.やりたいことに優先順位をつけて実行する

友だちとの時間を大切にしたいと考える一方で、自分の趣味の時間も大切にすることも大事なことです。

友達との約束が頻繁にあって、なかなか自分の時間が取れない。そういったときは、思い切ってお誘いを断ってみてはいかがでしょうか?

人生の時間は限られています。

何かをしているときは、別の何かができなくなります。あなたが人生の中でやりたいことを決めたとき、それは別の何かを諦めざるを得なくなる時でもあるのです。

エネルギッシュな人であれば、多くのことを経験したいと思っているでしょうし、走りながら武器を拾うのも悪くはありません。

ですが、だれしも1日は24時間。要領がよかったとしてもできることには限りがあります。

あなたが一番に大切にしたいことは何でしょうか?

失ったら困るものは何でしょうか?

あなたが思い描いたもの、それがあなたにとって優先順が高いものです。

優先順位の低いものについては、後回しにしたり、ときにはタスクから捨ててしまうことも必要です。他の人にお願いして積極的に手放すことで、うまくまわることもあります。

何が大切なのかをはっきりさせ、大切なものに比重を置いた人生を送れば、人生はより満足度の高い素晴らしいものになるでしょう!

7.自分を大切にするメリット

(1)満足度の高い豊かな人生を送ることができるようになる

満足度の高い人生とはどんな人生でしょうか?

それは、自分の人生を自分で決め、生きることです。

誰かの言いなりになったり、誰かの真似をして生きることは楽ではありますがつまらない人生になるでしょう。

自分を大切にして生きることは、自分の大切なものに囲まれて生きることに繋がります。

大切なものに囲まれた人生が満足度の高いものになることは誰しも容易に想像できるのではないでしょうか。

(2)自己肯定感が上がる

自己肯定感が高いから自分を大切にできるのではないの、と思っている方も多いかもしれません。

本当は、自分を大切にすることであとで自己肯定感のほうがついてくるのです。

大切にされれば自分自身に価値を見出すことができますし、逆に粗末に扱われれば価値が下がっていくのです。

大切にされているからこそ、宝物の価値が高いのと同じことです。

自己肯定感は人生を生き抜くうえでもとても大事な力です。

人生の困難にぶち当たった時、大きなミスをしてしまったとき、人生の岐路に立たされた時、「自己肯定感」が必ずやあなたを助ける力になるでしょう。

(3)人にあれこれと求めなくなる

自分を大切にして満足して過ごしていれば、興味のベクトルは自然と自分の内側に向き、心が安定して他人にあれこれと求めなくなります。

人を変えようとすることは、自分を変えようとすることよりもパワーがいりますし、もし変えられたとしても満足度はそれほど得られません。

興味のベクトルが他人にばかり向いてしまうと、結局何にも満足できず、空腹感が満たされない人生を送る羽目になります。

自分のことで満足感が得られていれば、「人は人、自分は自分」と他人に左右されずに生きることができます。

まとめ

今の世の中で自分を大切にしながら生きることは、簡単なことではありません。人からもいろいろな意見を言われ、容易に傷つけられたり、行動を無理やりにでも正されたりします。

自分が大切にされていないときは、自ら自分を守れるように行動をしていくことが大切です。

あなたにとって必要のない人間関係に固執しなくてはいけないことはありません。悪いものは自ら手放し、必要なものだけを手元に残してください。

大切なものだけに囲まれた人生は何倍も素晴らしい影響を与えてくれるでしょう。

自分を大切にするとは具体的に何をすればいいのか?

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