モラハラは、ある日突然始まります。
それまではむしろ「いい人」であったのに、突然人が変わったかのように「モラハラ加害者」になります。
また元の「いい人」に戻ってほしい、と私もかつては思っていました。
しかし、こちらの記事にも書いたようにモラハラ加害者がモラハラをしなかったのは、あなたに気に入られたり近づくためであり、モラハラを止めていたにすぎません。そして、「いい人」だと見えた姿は演技であり、本性はモラハラ加害者の方です。
モラハラ加害者はモラハラをしなければいい人?
被害者の中には、あの人はモラハラをしなければいい人なのに、と思っている方もいるかもしれません。
モラハラ加害者はかつては「いい人」であった期間があるばっかりに、本当はいい人、根はやさしい人だと被害者が思っていることもあります。
そして、モラハラ加害者も飴と鞭を使い分け、常にモラハラをしてくるわけではないこともこの考えを増長します。
モラハラ行為には『長期間の無視』があります。
無視を受け続けている間、モラハラ被害者は高ストレス状態にさらされています。
その時は、「ああ、やっぱりダメかも」とモラハラ加害者との関係を続けることが難しいと思いますが、しばらくして無視が終わり「俺も悪かったよ」「次は気を付けるよ」と言われると、ストレス状態から抜け出せたことや反省を述べていることなどから「これで、悪い状態から抜け出せた」と喜び「もうこれからもモラハラをしないかもしれない」とモラハラ加害者に期待します。
また、モラハラが終わった期間は人が変わったかのようにいい人のようにふるまい、贈り物をしたり、妻のことをよく褒めたりする人もいるようです。
この様に、被害者にとって飴の状態があることで、「モラハラをしなければいい人」「いい人のときが本当の彼の姿」であるように思ってしまうのです。
しかし、モラハラを受けている間には強いストレスを抱えて過ごさなくてはいけません。そしてそれは被害者に何の落ち度もなくて始まる場合がほとんどです。
このような関係は正常ではありません。
モラハラ被害者の心理状態
モラハラ被害者は、モラハラを受けることで高ストレスの状態にさらされています。
この状態を改善したいと思っていますが、問題解決のための話し合いなどは拒否され、無視されるために改善の余地がありません。
ましてやモラハラ加害者自身も改善する気がありません。
そして、時にはモラハラ被害者が我慢さえすればモラハラ行為が収まる場合もあり、被害者が我慢することが常態化します。モラハラ被害者は我慢をし続けることでストレスを日常的に抱えるようになります。
しかし、そのことは周りから見ては分かりません。外ではモラハラ加害者は「いい人」を演じていますので、まさか家庭内では別人のように変わり、被害者がモラハラを受けているとは思いもよりません。また、モラハラ被害者が我慢していることやストレスを抱えていることは外見からは判断はできません。
唯一、本人が話すことでわかりますが、モラハラ行為と言うのはひとつひとつをとってみれば「些細な事」「夫婦喧嘩」といったありふれたことのように受け取られることもあり、被害の実態を真に理解してもらうことは難しいでしょう。
「そんなこと、どこの夫婦にもあるよ」
と言われることで、被害者が孤立する危険性もあります。
被害者は常にストレスを抱えていますが、そのストレスを発散する機会はなかなかありません。一時的に発散することができたとしても、同じ空間で365日過ごすわけですから、またストレスを抱えることになります。
モラハラ被害者が加害者のことを「いい人」と思う心理には、常に抱えているストレスから自分の精神状態を保つために「思考停止」をしていることも原因の一つです。
物理的に距離をとるなどし、高ストレスの状態が解消されてしばらくすると、モラハラ加害者がいい人ではないということを簡単に気づくことができるケースもあります。
モラハラ被害に遭っている期間は、たとえ側にモラハラ加害者がいなくてもストレス状態に陥っています。
私の場合、友人と遊ぶときには出かけている間にもこまめに夫に連絡をしなくてはならず、帰りがあらかじめ言っていた時間よりも遅くなると怒鳴られたり無視をされていました。
遊びに出かけているのに「早く帰らないといけない」というプレッシャーを感じながら過ごしていたので、ちっともリラックスできませんでした。
夫と別居してしばらくしてから友人に会ったときに、今までにないリラックスした状態で会えたことが衝撃でした。思い返してみれば独身時代もそのように過ごしていたはずです。
いつの間にか出かけることへの罪悪感を植え付けられていたということに、別居してから初めて気づいたのです。
まとめ
モラハラ被害者は、加害者と物理的に距離を取り、高ストレスの状態から抜け出せると、「あの関係はおかしかった」と気づくことができます。
被害に遭っていながら「どうしても関係を続けなくてはいけない」と思い込んでいるのは、高ストレスによる思考停止が原因の一つかもしれません。
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