モラハラ夫を作った「やってはいけない子どもの褒め方」

モラハラ夫を作った「やってはいけない子どもの褒め方」

モラハラは遺伝的な要因は少なく、主には幼少期の育て方が大きくかかわっています。

モラハラを生む育て方と言うのはどういったものでしょうか。今回は「褒め方」に焦点を当てて解説します。

目次

1.モラハラ加害者の持つ強い劣等感と自己否定は幼少期の育て方から生まれた

モラハラ加害者の特徴の一つに強い劣等感と自己否定が挙げられます。

一見してモラハラ加害者は誰よりも自信過剰な気がしますが、実は違います。モラハラを行わないと、自身の存在を保てないくらいの劣等感や自己否定に悩まされ、自分のプライドを保つために常に必死なのがモラハラ加害者です。

モラハラを行う強い怒りのエネルギーは被害者に向いているのではなく、満たされなかった幼少期の経験から来るものなのです。

2.過保護は子どもを無視する育て方

「過保護」と聞くと親が子に強い関心を持っていると考えがちですが、過保護の裏にあるのは「絶対的な子への無関心」です。どういったことかと言うと、子どものことを信頼し、子を親とは別の一人の人間として認めていれば、親は子どもの意見を聞き、対話し、子ども自身の考えを尊重します。

「過保護」というのは、子ども自身の考えを無視し、子が親の所有物のように扱うことから生まれます。ここでは、子どもは親の分身であり、親が子どもに向けている関心は分身である親自身へ向けたもので、本来存在するはずの「子ども」への関心はありません

子どもは小さい自分なので、自分がしたいことを子どもに押し付けても平気です。子どもが自分の言う通りにしないと怒ります。子の人生と自分の人生を切り離すことが出来ないからです。

こういった環境で育てられた子どもは、「親の言うことを聞いていればいい」と思うようになり、自分の意見を持つことをしなくなります。

そうして、親がモラハラであった場合は、それも「聞いていればいい」と思うようになります。

成長した後も、親の言うことや自身の生育環境のルールが絶対で、自分の力でそれを変えることが出来ません。

過保護だけではモラハラ加害者にはなりませんが、モラハラ親が過保護であった場合、高確率でモラハラ加害者になります。

3.子どもをダメにする恐ろしい褒め方と成長過程

3-1-1.子どもではなく親を褒める

夫が親から賞賛されるときには、いつも同じフレーズが使われていました。

それが、

「さすが父さん(母さん)の子だ!」

と言った褒め方です。

この褒め方で注意したいのは、子ども自身を認めているようですが、実際に持ち上げられているのは、親自身という点です。

どうして過保護親がこういった褒め方をするのかと言うと、子どもに自分自身を投影しているので、必然的に自分を褒めるような方法を取るのです。

親は、子どもを褒めてはいません。子どもの出来が良ければ、自分自身の機嫌がいいから褒めるのです。

それによって周りからうらやましがられたり、立派な子どもを持って誇らしい自分に陶酔するために子どもを利用します。

子どもは利用されている自分に気づいています。

例えば…

例えば、金田一一に「さすが金田一耕助さんのお孫さんですね」というと、金田一耕助が素晴らしいから孫であるあなたも素晴らしい、といった解釈になります。

金田一耕助が褒められる一方で、素晴らしい血を継いでいるから、あなたはできて当たり前だ、と言うようにも聞こえます。

また、逆に素晴らしい親の血を継いでいるのに出来が悪かったら・・・できて当たり前と考えられているため、できないことにはより強い否定を受けることになります。

「金田一耕助の孫なのにこんなこともできないのか」と。

3-1-2.誉める裏にある強い否定

親は子どもを称賛しているようで、実際は自分自身を称賛しています。

そして、もうひとつ。この言葉の裏にあるのは「自分の子どもならできるはず」という無言の圧力です。

そのため、子どもは幼いころから「失敗してはいけない」というプレッシャーを常に背負うことになります。

成功しても褒められることのない自分、失敗したらものすごく強い否定を受ける自分。

こうして子どもは、自分の存在価値が自分でわからなくなります。

3-1-3.強い否定から自己を保つための責任転嫁の心理

失敗は人生にはつきものです。強い否定を受けたくない子どもはどうするかと言うと、失敗を他のもののせいにします

「今回は調子が悪かっただけ」と。失敗の原因は外側にもとめ、なぜ失敗につながったのか、自身を省みることをしなくなります

本来であれば自分が何が出来て、何が出来ないかを人生で見つけていく過程が必要です。そうして失敗や成功を繰り返しながら、等身大の自己像を確立していきます

強い否定を受けなければいけない環境では、「失敗する自分」を受け入れることが出来ないため、正しい自己像は育まれません。

3-1-4.アンバランスな自己像の確立

幼少期の失敗、成功体験を自分のものとして受け入れることが出来なかった子どもは、ありのままの自己像を受け入れ、認めることが出来なくなります。

高い理想(本人の中では本当の自分だと思っている自己像)を掲げ、しかし、成功体験のときに褒められてきていないので、強い劣等感も同時に抱えています。

こうやってアンバランスな高い理想像と何をしてもダメな自分と言う強い劣等感の間で、グラグラと揺れながら生きていくしかなくなります

自分自身で存在価値が分からないので、他者に存在価値を委ねますが、褒められたら、「高い理想像の自分」を刺激するため、自分は褒められて当然な特別な存在であると認識し、否定されれば、「強い劣等感を抱えるダメな自分」を刺激するため、絶対的に拒絶するようになるのです。

3-2-1.モラハラを受けたときに褒められる

また、子どもは叱られた時にはそのことが「してはいけないこと」だと学び、褒められた時は「したら喜ばれること」だと学んでいきます。

モラハラ親は、モラハラを正当化し、モラハラは正しいことだと子どもにも教えていきます。

モラハラが正しいことだと教える一番の方法は、子ども自身がモラハラをしたときに「よく褒めること」です。

モラハラ家庭には、家庭内にも上下関係のピラミッドがあり、上下関係の上のものが下のものに対してモラハラをし、支配していきます。

そして、このモラハラピラミッドに組み込まれた子どもたちもまた、自分より下の立場のものに対してモラハラをすれば、上にいる親から褒められるという経験を重ねていくのです。

誤った場面で褒められ続けるうちに、子どもは、「モラハラをすれば親が喜んでくれる」ことを学びます。

また、モラハラをすることによって、親から優遇されることもあるでしょう。

モラハラ家庭で育てられた子どもは、モラハラをすれば、いい気分を味わったり、いい結果をもたらすのだと学んでいきます。

モラハラをすれば、

「相手を支配できる」

と同時に、

「なんらかの利益を得る」

ことができます。

これは、子どもにとって成功体験として記憶されるのです

こうした体験を繰り返していくうちに、モラハラをすれば「楽しい!」「気持ちいい!」「得をする!」ことで快楽を感じるように脳が変化していくのです。次にも同じ快楽を感じようと繰り返しモラハラをしてしまうようになります。

4.まとめ

子どもと言うのは、実に賢く、言葉の持つ本来の意味をよく理解しています。

間違った褒め方をすれば、自分が褒められていないということが確実に伝わります。

そういった生育環境が続くと、育っていかなければならなかった「自己愛」や「等身大の自己像」をはぐくめずに、失敗に終わります。

さらには、謝った褒め方によって間違った経験を重ねていきます。そうして「モラハラは正しい」と言った歪んだ価値観を持ってしまうことになるのです。

そしてもっと残念なことに、これは大人になってからでは修復できないのです。

モラハラ夫を作った「やってはいけない子どもの褒め方」

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