カウンセリングに頼らず自力でモラハラを治した友人の話

カウンセリングに頼らず自力でモラハラを治した友人の話

※この話は友人から掲載許可を頂いています。

友人とは20年以上の長い付き合いです。友人の父親がモラハラをする人だったそうです。(私は、一度も友人の父親にお会いしたことがないため、すべて友人経由で聞いた話です。)

友人自体はどちらからというと人から好かれ、人の懐にひょいっと入っていくことができるタイプの人でした。礼儀正しく、特に年上からよく可愛がられ、友人の周りにはいつも人がいるような人付き合いで苦労したことがないように見える人でした。

しかし、人から好かれ多くの友人に囲まれているように見えた心の内には、人から見捨てられるのではないかという不安が強く、繊細な一面もありました。

その見捨てられ不安は行動にも表れていて、友人関係も含めルールをつくり束縛したり、ルールを守れないとペナルティを課すことを幼いときからしていました。また、他の人との縁を切って自分だけと友人関係を続けるように強要することもありました。
そして人から注目を集めるためにちょっとした嘘をつくことも多かったのです。

私自身は友人からのモラハラ行為を受けていたこともありましたが、つかず離れずといった距離感だったため、そこまで友人からモラハラを受けたようなことは記憶していません。
しかし、友人自身は長いこと「生きづらさ」や「孤独感」が悩みの種であったようです。

目次

幼少期からモラハラをする父親のことを嫌っていた

亭主関白で、家庭で絶対的な立場に君臨する昔ながらの父親

幼少期から父親との仲はそんなに良くはなかったそうです。そして「父親には逆らえない」という関係性であったそうです。何らかのトラブルが友人にあったときには、友人の話を聞かずに一方的に怒鳴りつけたり、家族に相談することなく物事を決めてしまったり、人の意見を聞くことがない人だったそうです。まさに、家庭に君臨する絶対的立場の人、それが友人にとっての父親像でした。

私は、支配的な父親から受けた行動が、友人自身の束縛する行動と因果関係があったのではないかと考えています。

ある日、自分が父親と同じことをしていないかふと不安になった

友人には弟がいて、弟の方が特に父親を嫌っていたそうです。友人の弟は父親の傲慢で独りよがりな振る舞いを見ていつも父親のようにはなるまいと言っていたそうです。

しかし年を取るにつれ、父親の影響が色濃く表れるようになったのでしょうか。

あるとき友人は、弟の行動や口調が父親そっくりなことに気づいたそうです。あれだけ「なりたくない」と言っていた父親に?そして、弟の振る舞いが無意識であることにも気が付いたそうです。

「無意識に同じことをしてしまっている、もしかして自分も?」とその時から自分自身の行動を振り返るきっかけになったと語っていました。

そして大学進学を機に実家を出る

友人は県外の大学に進学することを希望し、18歳で家を出ます。そこからは実家には帰らずに大学卒業後は県外の企業に就職して独立しています。

友人は、元々の人懐っこい性格で学生時代に多くの人脈を築きました。いろんな人を見て、いろんな人から学び、特に上の人から可愛がられたことで、人間関係の在り方を一から見直すきっかけになったそうです。

そうやって自分自身の生い立ちと周りの人との比較で、自分が世間からどう見られているかを自覚したことが、一番モラハラを克服する力になったそうです。

モラハラ行為をやめるには長い年月がかかった

大学進学で実家を出てもすぐにモラハラ行為が収まったわけではありませんでした。

特定の人を束縛したり依存したりする行動は続き、そこから10年程はやはり生きづらさがあったようです。

「モラハラを止めるには、モラハラを無くすだけではなくそれにとって代わる行動ができるようにならなくてはいけない。(おそらく話し合いなど)それを身につけるまでに長い時間がかかった。」と語っていました。

他人に意志を伝えるための「モラハラ」を、きちんと「言葉」にできるようになるためには多くの経験と時間が必要だったそうです。

それでもモラハラが完全に治ったわけではない

家を出てから長い年月が経った今でも、たまにモラハラ行為が出てしまうことがあるそうです。特に自分自身に余裕がないときに最もモラハラ行為が出やすいと言っていました。

普段はモラハラが出ないように注意して行動しているそうで、友人にとっては、モラハラは意識しないと留めることができないものであるようです。

モラハラの性格は完治というより持病のように付き合っていくしかない

友人の話を聞いて思うのは、モラハラというのは、性格の根っこの部分に根差していて本質に近いところの性格はなかなか変えることができないということです。

一方で意識していればモラハラ行為を出さないようコントロールすることができます。

モラハラは完治するのが難しく、モラハラが性格の中から消えるというよりは、モラハラをしないためにコントロールし続けるというのが正しいのだと思います。

モラハラ行為を無くしたい場合は、常に意識をして、モラハラをしないよう気を付けていかなければならないのです。

年を取ると、モラハラ行為は加速する

幼少期には似ていなかった家族の性格が年を重ねるごとに(家族から離れた後に)なぜか似て来るということを聞いたことがあります。そして、自己愛性パーソナリティ障害は、年齢を重ねるとともにひどくなっていくことが知られています。

モラハラを治そうとしたときに、年を取っていた方がモラハラ行為をやめるのには大きな力が必要になり、生涯にわたってコントロールしていきたいのであれば、年を取ればとるほど、大きな力でコントロールしていかなくてはならないということが考えられます。

まとめ

友人のモラハラを治すに至ったできごと

  • 兄弟の行動をきっかけに自分自身の行動を振り返ったこと
  • 実家を出て、モラハラ環境から物理的な距離を取ったこと
  • いろんな人と自分を比較し、自分の行動が周りからどう見られるのかを自覚したこと
  • モラハラ行為に変わる行動を身につけたこと

友人がモラハラを治すことができたのは、モラハラに対する嫌悪感がもともと強かったことが挙げられます。もし、モラハラが肯定されるような環境だったとしたら、モラハラをする父親を悪いと思うことができなかったと思うからです。「父親のようになりたくない」という強い意志がモラハラを治す行動へとつながりました

モラハラを治すには?

必要なのは、何よりも本人が「モラハラを止めたい」と強く思うことです。

そして、自己愛性パーソナリティ障害は、年を取るほどひどくなることから、若いうちの方がモラハラを治す(コントロールできるようになる)可能性は高いと考えられます。

また何がモラハラ行為になるかを自覚することは必ず必要です。友人は自分が考えていたモラハラ行為(自分が父親から受けて嫌だと思っていたこと)と先輩や友人から「やめたほうがいい」と注意されたモラハラ行為にはギャップがあったと言っていました。幼いときから父親のモラハラ行為を受けていたため、一部については「当たり前のもの」だと認識をしてしまい、人から指摘されるまでそれがおかしいことであると自覚していなかったそうです。

そして、モラハラを出さないように我慢することだけではなくモラハラ行為にとって代わる別の行動を身につけなければモラハラを無くすことはできません。人と意見が違うときには、相手と話し合うことが求められます。モラハラ行為をしないように我慢するだけでは、結局は自分が言いたいことなどを抑え込む方ばかりに力が働き、ストレスが溜まってしまいます。そして溜まったうっぷんが爆発するときにモラハラ行為となって表れてしまうことになります。
話し合うためには自分の気持ちを言語化できることや、相手と自分の意見の間を埋めるように歩み寄り、折衷案を探すことができるようにならなくてはいけません。それをやるためには訓練が必要です。

できるだけ早いうちに、

  • モラハラ行為が何であるかを正しく理解する
  • モラハラ行為にとって代わる別の行動を訓練して身につける

ことが必要です。

モラハラを治したい方へ

友人ができたように、モラハラ行為は意識すればコントロールすることができるようになります。それには、強い意志と、長い年月が必要です。必要であればカウンセリングなどを受けて、自分自身の考え方の歪みを自覚することもモラハラを治すのに大いに役立ちます。

モラハラを連鎖させないために、勇気を出してモラハラ克服をしてほしいと思います。

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