家庭内別居はモラハラ夫に有効ではない6つの理由

家庭内別居はモラハラ夫に有効ではない

別居や離婚は労力や手間がかかります。そして、精神状態が不安定な時は変化を嫌う傾向にあり、手続きを行う事さえもままなりません。それでは、まず「家庭内別居」から始めてみたらと思うかもしれませんが、モラハラ夫に対しての家庭内別居を私はオススメしていません。

その理由をお話します。

目次

家庭内別居とは?

家庭内別居とは、同居をしているけれど、夫婦の会話がない、一緒に出掛けたりすることがない、夫婦が別々の生活パターンで暮らしておりお互いに関わり合いにならないといった生活スタイルのことです。

仲のいい夫婦でも、お互いの仕事が忙しく家庭内別居状態になっていることもありますし、また夫婦関係が冷めてしまいもう何年も会話もしていないというカップルもいます。

家庭内別居に至る経緯はそれぞれですが、別居や離婚をするよりもメリットがある場合もあります。

家庭内別居のメリット

①経済面でのメリットがある

まず、生活費が二重にかからないということです。別居をしてしまえば、住居費や光熱費、食費などはそれぞれの家ごとにかかります。単純に生活費が2倍に膨れ上がると考えていいでしょう。

家庭内別居では、ひとつの家に暮らしているので、食費などが二重にかかる場合もありますが、基本的には別居よりも生活費の負担は少なくてすみます

②世間体を保てる

別居をしてしまえば、「あそこの奥さん、最近見ないわね」「お子さんはどうしたの?」など世間から別居していることを指摘される怖さがあります。しかし家庭内別居であれば、いくら夫婦仲が上手くいっていなかったとしてもはた目には夫婦関係が破綻していることを悟られることはありません。

③子どもと毎日会える

また、別居や離婚をしてしまえば、別居親は子どもと会う頻度は格段に下がってしまいます。現在、調停において決められる一般的な面会交流の頻度は月に一回程度です。別居や離婚では月に一回しか子どもと会うことができなくなりますが、家庭内別居であれば子どもの顔を毎日見ることができます

夫婦関係が破綻していても、親子関係は問題ない場合も多く、その場合は子どもと離れてしまうことを嫌がる別居親も少なくありません。子どもと毎日会って、子どもの人生に関われることは大きなメリットであるといえるでしょう。

一方、デメリットもあります。

家庭内別居のデメリット

①同じ家にいるというストレス

相手の顔を見るのも嫌だ、足音や生活音を聞くことすら嫌だという場合は、同じ家で過ごしていることだけでも大きなストレスになってしまいます。この場合は、家庭内別居をしているからと言ってストレスが減ることはなく、ストレス期間が長くなるだけです。

②再婚ができない

これは離婚と比べたときですが、夫婦関係は完全に破綻しているのにもかかわらず、法的には別の人と再婚することはできません。

モラハラ加害者相手の「家庭内別居」はどうなる?

家庭内別居は、完全にお互いのことを気にしない関係で、双方が決めたルールを守ることができればうまくいくと考えられます。そして、最低限お互いのことを尊重し、礼儀を尽くすことも求められます。

しかし、モラハラ夫の場合は、

  • 決めたルールを守らない
  • 妻や子どもの生活を尊重しない
  • 干渉してくる
  • モラハラ被害が続く

と言ったことが考えられます。

①モラハラ加害者は、家庭内別居中もモラハラで嫌がらせしてくる

モラハラ加害者は、わざと大きな足音を立てたり、扉をしめるときなどに大きな音を出したりし、自分がいかに不快を感じているかをアピールしてきます。家庭内別居でうまくいくのはお互いがお互いに不干渉である場合です。しかし、モラハラ加害者は自分の機嫌を取ってもらおうとわざと不機嫌アピールをし、言葉以外の方法で干渉してきます。一緒の家にいるだけで苦痛を感じることは間違いありません。

私の場合でも、(家庭内別居ではありませんが、ケンカなどで別々の行動をしていた時に)わざわざこちらの部屋の前まで来て大きなため息をついたり、「あ~寝れないな!」と怒鳴りながら家の中をうろついたりして不機嫌アピールをしていました。

モラハラ夫の場合は、ストレスを発散するために家族を利用するので、同じ家にいるだけでモラハラ被害に遭い続ける可能性は高くなります。

他にも、大きな声で独り言を言ったり、物を投げたり物に当たるなどをする場合もあります。これでは、モラハラ夫に対していつまでもビクビクして過ごさなくてはいけないのです。

②子どもがいる場合は、子どもをモラハラ手段に利用する場合がある

そして、子どもがいる場合は、子どもにパートナーの悪口を吹き込んだり、子どもをコントロールして親子関係を破綻させることまでしてきます。

私の元夫は、私のいない時に子どもに私の悪口を言っていたそうです。子ども自身はそのことを黙っていたので、長いこと悪口を言われていることを知りませんでした。子どもはひとりで悩み、抱え、ストレスの結果体を壊しました。(詳しくは、こちらの記事をご覧ください。→モラハラ夫は良い父親、良いパパって本当?

これは子どもに対する虐待に当たりますが、指摘したところで正当化し、やめることはありません。

むしろ、「子どもに悪口を言うのはやめて」と言おうものなら、パートナーへの嫌がらせができると学び、繰り返し悪口を言うようになります。

子どもは夫婦間の板挟みになり辛い思いをすることになります

③自分の大切なものを壊されたり、無くされたりする

実際に私も被害に遭いましたが、モラハラ加害者は物を捨てたり、壊すなどして嫌がらせをしてくることがあります。一緒に暮らしているうちは、モラハラ夫も当然、あなたのものにさわることができます。

たとえば、アクセサリーなどは鍵のついたところに保管しておけばいいですが、日常的に使うものはいちいち隠しておくことができません。ドライヤー、食器類、歯ブラシなど無くなると困るものであればなんでも被害にあう可能性があります。

④決めたルールを守らない

家庭内別居でも、家事分担をどうするのか、費用負担はどういう割合にするかなどを決めなくてはいけません。そして、その決めたルールを守らずに身勝手な振る舞いをする可能性が高いのも、モラハラ加害者の特徴です。

そして、ルールを守らないことを指摘すれば、「お前は神経質だ!」「もっと臨機応変に考えなければいけない!」「ルールを守れないときだって場合によってはある!お前がそんな風な性格だから、結婚生活が破綻したんだ!」と人格否定をされてしまうのです。

⑤別居よりも負担が大きくなる可能性もある

さらに、話し合いのできないモラハラ加害者とは、家庭内別居をするにあたってのルールを決めることすら困難である場合が多く、配偶者であるあなたが一方的に負担を強いられることも少なくありません。

家賃や光熱費の負担割合や、食費、家事分担についても話し合いによってルールを決めることが難しいことが多いと考えられます。

ときには「妻がやって当たり前」と家事は全般押し付けられ、それにもかかわらず生活費は負担しないということもあり得ます。

別居しているときよりも家庭内別居をしているときの方が負担が多くなる場合すらあるのです。

⑥離婚したときに分割する財産を勝手に使われる可能性がある

別居をした時点で夫婦関係は破綻したとみなされ、離婚のときには「別居時」の共有財産を分けることになります。しかし、家庭内別居であるといつから別居しているかの証拠がありません。

すると、家庭内別居を経て離婚になった時は、本当に別居をした日か、離婚した日の財産を分けることになります。家庭内別居から相当の期間がある場合は、その間に夫婦の共有財産が勝手に使われ、いざ分けようとしたら無くなっていたということもありうるのです。

モラハラ夫は用意周到かつ、平等という考えはないため、いかに自分が多くお金をもらうかということに固執します。あなたの知らない間に財産が消えている可能性も考えなくてはいけません。

「家庭内別居」をした夫婦が仲良し夫婦に戻れることはあるの?

家庭内別居をしたことで、パートナーの存在価値を再認識し、お互いが歩み寄ることに成功した例もあります。

しかし、モラハラ加害者との「家庭内別居」生活は、より相手の嫌な面が見えるだけでしょう。

結局は、家庭内別居をすることで、モラハラ被害が少なくなったり、ましてや無くなることはほとんどありません

「家族は俺の機嫌を取るもの」だと思っているモラハラ夫は、いくら家族から距離を置かれていたとしても関係なしに干渉し、生活を壊そうとしてきます。

出来るだけ早くに、家を出て別々の生活をするほうがいいでしょう。

家庭内別居の代わりに「別居」がオススメ!

モラハラ被害を無くすためには、何よりも「物理的距離」を取って離れることが大切です。マインドコントロール下にあるモラハラ被害者は、相手の支配下にある限り、「自らモラハラから抜け出そう」としません。そのため、離婚をしたほうがいい場合でも、相手との関係を続けようとしてしまいます。

モラハラ夫は、被害者に対して「お前は何もできない」「俺から離れたら一人でやっていくことは無理だ」と洗脳し、被害者もそうだと思い込みます。被害者は、モラハラ夫にすがるしかないと人生の選択肢を狭めています。

しかし、物理的距離を取り、モラハラ夫からのマインドコントロールが解けたときには、モラハラ夫との結婚生活がいかにおかしかったかに気が付けるでしょうし、自分1人でもやっていけるという事実に気が付くでしょう。

迷いなく「離婚」へ進むことができ、人生を前向きに考えることができるようになります。

また、モラハラは物理的距離が近い相手に対して行われるため、「別居」をすることでモラハラ被害がぴたりと収まる可能性もあります

もし「別居」をするのであれば、あらかじめ「何のために」別居をするのかを伝え、「別居を解消する条件」を決めておきましょう。

まとめ

  • モラハラ加害者相手との家庭内別居は、結局相手の機嫌をうかがい続ける生活が続くだけ
  • 私物や大切な財産を捨てられたり隠されたりする可能性がある
  • 家庭内別居よりも別居がオススメ
  • 子どもに不適切な関わり方をしていないかを注意しなくてはいけない
家庭内別居はモラハラ夫に有効ではない

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