モラハラ夫に別居や離婚を告げると、妻が自分から離れていくことが許せなくなったモラハラ夫が、「離婚するなら全財産を置いていけ!」「離婚をするなら子どもを置いて行け!」などと言って脅しをしてくる可能性は非常に高いといえます。
私自身も、元夫から離婚を言い出されたあと、家を追い出され、さらには「お金」や「子ども」も自分のものだと言い張られ、取り上げられるところでした。
妻や子どもにいい条件で離婚をすることは絶対にありません。
モラハラ夫の脅しの手口とその対処法をまとめました。
1.すぐに「離婚する!」と言う
夫婦での対立、衝突のある度に「それなら離婚だな!」と言って簡単に離婚を持ち出すのもモラハラ夫の特徴です。
彼らは、本当に離婚をするつもりはなく、「離婚する」と言えば、経済的に自立が難しい妻が離婚を避けようとして夫の意見に従うのが分かっていてこの言葉を使います。
離婚するつもりがないのに「離婚する」ということは、パートナーを失望させる失言に違いありません。なぜなら、「離婚する」と言った時点で、婚姻関係を続けるあらゆる努力を放棄し、一方的に妻にだけその努力を強いると宣言したものも同じだからです。
「それなら離婚だ!」は言い換えれば、「俺は譲らないから、お前が折れる気がなければ別れろ」ということです。一方的に妻が我慢する関係であることが、この一言からも分かります。
もし、あなたに離婚の意思がある場合、つぎにまた「離婚だ」と言われたら本当に離婚できるように水面下で準備を進めていくことが大切です。
離婚をいきなり選択することが難しい場合は、「別居」を視野に入れるなど、人生の選択肢を増やすために少しずつ行動を始めましょう。
2.お金や子どもを奪おうとする
妻が離婚に同意すると、今度は「じゃあお金を置いて出ていけ!」「今すぐ別居しろ!」「子どもの親権は俺のものだ!」と言って条件を一方的に決める傾向にあります。
この脅しは、経済的な困窮を不安視したり、子どもの親権を譲れない妻が「それなら離婚を思いとどまろう」とするように持っていくためです。
結局は、「離婚すれば不利になるぞ」と言って、妻に言うことを聞かせようとするのです。
モラハラ夫は、自分が妻を引き留める材料を持っていないことを知っています。だからこそ、「離婚をしないとこんなメリットがある」というのではなく、「離婚をすればこんなデメリットがある」としか言えないのです。
しかし、子どもが小さければ親権者は多くの場合は母親になりますし、財産は半分に分けることが法律で決められています。
モラハラ夫の言い分はただ自分に都合のいいだけのストーリーで、現実にはそうならないケースが多いということを覚えておきましょう。
別居・離婚準備は水面下で進めるのが得策です。「離婚だ」というと共有財産を隠される可能性が非常に高いからです。
お金は、共有財産の証拠(通帳のコピー、不動産登記簿のコピー、生命保険証書のコピーなど)と収入の証明(給与明細、確定申告書類など)をあらかじめそろえておきましょう。
子どもの親権者は、子どもが15歳以上であれば子どもの意思が反映されます。子どもが15歳未満である場合、今までの監護実績が反映されます。
3.「慰謝料を払え!」という
「離婚を言い出したのはお前にあるんだから慰謝料を払え!」とか「離婚の原因はお前にある」と言って高額な金銭を要求する場合があります。
慰謝料が発生する事由は決まっており、浮気、不倫、暴力、暴言、悪意の遺棄、セックスレスなどです。
「離婚を言い出したから慰謝料を払わなければならない」ことはありません。
モラハラ夫は恫喝することで自分の思うように物事を進めようとしますが、その内容は法に適っていないことばかりです。
離婚になるのであれば、調停や審判、裁判などの制度を活用し、脅しに屈しないようにしましょう。
慰謝料は、有責ではない人が払う必要はありません。
もし相手が、「慰謝料を払わないのであれば離婚をしない」という姿勢であれば、家庭裁判所内で相手に非があることをしっかりと伝えてください。有責側は離婚を拒むことはできません。
4.「殺す!」「自殺する!」と言って脅す
モラハラ夫は、自己愛性パーソナリティ障害の人特有の怒り方をします。これを「自己愛憤怒」と言いますが、この怒りは強くなると、他害、自傷の可能性が非常に高まります。
「離婚」を納得していないモラハラ夫の場合、自らの命を懸けて離婚を阻止しようとすることもあります。また、自暴自棄になり突発的に他害行為に及ぶ可能性も高くなります。
多くの場合、本当に自殺するのではなく狂言であることが多いのですが、脅しのために自殺未遂をし、本当になくなってしまうこともあります。
家庭裁判所の調停委員、裁判官や依頼する弁護士には、精神的に不安定な相手の様子をあらかじめ伝えておきましょう。また、他害の恐れがある場合は、シェルターを利用したり、調停や裁判でも弁護士に付き添ってもらうといった配慮をしてもらう必要があります。
事件に発展しそうな場合は、事前に周囲に相談し、まずは自分の身を守ることを優先してください。
5.嫌がらせをしてくる
モラハラ夫は、調停の場ですら妻への嫌がらせに利用する場合もあります。
私の場合は、夫から「妻が子どもを虐待していた」という主張がなされ、私が不利になるように、そして離婚条件で戦う気力をそぐために精神的な攻撃が繰りかえしされました。さらには、私の個人的なものを勝手に処分され、私の荷物だと渡されたものには空箱とゴミが入っていました。
子どもたちの生活にも不利益が出るような嫌がらせもありました。
このように、縁が続いている限りしつこく攻撃をしてくるのも自己愛性パーソナリティ障害の人の特徴です。
嫌がらせを受けた場合は、それも含めて家庭裁判所や弁護士に相談しましょう。そして、調停の場を通じて、相手にやめるように伝えてもらいましょう。
実際にやめる効果が無かったとしても、モラハラ行為や嫌がらせ行為をばらされることは夫へのダメージにもなります。また、そういう人だと思ってもらえれば、調停委員にもどちらが真実を言っているのか分かってもらえる可能性も高まります。
もし、相手の嫌がらせが犯罪レベルであれば、迷わずに警察へ相談しましょう。
まとめ
モラハラ夫と離婚しようとすると様々な脅しを受ける可能性は非常に高いと言えます。
私自身も、家を追い出され、子どもやお金をすべて取ろうとされ、さまざまな嫌がらせを受け続けてきました。
しかし、離婚をして相手との縁が切れてしまえば、もう夫の言葉は私に何の影響もありません。しかし、脅しに屈して結婚生活を続けてしまえば、その後もどんどんとモラハラ被害に遭い続け、苦しい時間がのびることになります。
モラハラ夫との離婚は、怖くて恐ろしいことです。しかし、争いの時期が過ぎて離婚してしまえばもはや縁もゆかりもないただの他人です。
もし、相手への強い恐怖心がある場合は、無理せずに弁護士を雇うなどをして自分の心身を守りながら離婚手続きを進めることが得策でしょう。代理人として、弁護士だけ出廷してもらうこともできます。
そして、協議離婚はあきらめ最初から調停離婚を申し立ててください。
夫の意味不明な主張を黙らせるには、公の場にモラハラ夫を引きずり出すことです。明らかにおかしな主張を繰り返していたとしても、モラハラ夫はそれをやめようとはしませんし、強い態度に出れば、妻に言うことを聞かせられると本気で信じています。
脅しは通用しない!ということを態度で示し、家庭裁判所で決着をつけてください。
モラハラ夫は短絡的です。彼らは長期的な視野を持って物事を考えることができないため、短期的にはものすごいダメージを与える攻撃をしてきますが、長期的に見れば自らの首を絞め、自分に不利なような主張を繰り返します。最終的には、自爆して終わります。
脅しに屈せずに、法的な制度を利用して戦えば、必ず正しい権利を勝ち取れるでしょう。
コメント
コメント一覧 (1件)
こんにちは。今日一日ずっと記事を読んでいました。
多くの方に言われているかもしれませんが、”私の元夫と結婚してました?”って思いました(笑)。
ただ、ずっと自分の中で謎だった、なぜDisagreement があると彼は脅迫するんだろう?って思っていた謎がこのブログで解けました。 長年の心の傷が癒えた気がします。自分はなぜがわかると次に行けるタイプなのでお礼を申し上げます。 Noって言われると、攻撃だと受け取って脅迫(本人は脅迫したのを覚えていない)- なるほどです。
このブログに書いてあることは、多少ストーリーが変わるくらいで大抵のことはほぼ全部されています。当時は彼は、穏やかな退屈に耐えられない人なのかなって思ってました。
ことあるごとに離婚だっていわれていたのですが、入院したら、激怒されて依存してるって責められてそのまま別居→離婚。 (その前から数時間ごとに、大嫌い⇔愛してるが切り替わるので一緒にいると気が狂いそう) 離婚するときも、なぜか向こうが床を転げまわりながら、お前は俺を捨てるんだっ、傷つけるつもりがないのに何で傷つくんだって2歳の男の子みたいに叫んでいました。疲れた。
離婚したときも周囲に、彼は私に劣等感がある、自分が上だって示すために離婚するんだねっていわれて、その気持ち全然わからないって思ったものです(他のこともそうですが、あまりに後先考えずに衝動的で怖かったです)
やっぱり虐待した、感情的に不安定だ、依存しすぎてるって責められていたので自分を加害者だと思ってカウンセリングや医者に行きました・・・。それでも数年は、突然”自分さえ感情がなければうまくいったのかも”って責めたり、逆に”今から復讐しに行く”って激昂したりで大変でした。(実際夜中に、突発的に今あなたが幸せであればどれほどひどいことを私にしたかわかってるだろうってメールしたことあります。自分がしたことが未練みたいで本当に反省しました)
そして離婚して数年たって忘れたころ、探されました。気持ちがわさわさしてましたが、一日このブログを読んで逃げる勇気が出ました。ありがとうございます。