私は、在宅フリーランスとして約5年間働いています。そして、会社に勤めていた時は、フリーランスの人を雇う立場の人間でもありました。(その時には、今みたいなクラウドソーシングサイトは一般的ではなかったため、求人を出して面接、採用をしていました。)
そして、私はフリーランスの人に仕事を振ったり、成果物をチェックしたり、スケジュールを管理したり、勤務時間を管理したりなどしていました。
実際に雇う立場を経験してきたことが、現在フリーランスとして働くときに「こういうことだけは絶対にしてはいけない」という教訓となり、働き方に活かすことができています。
フリーランスに向いている人、向いていない人はどういう人か、雇う立場からの視点も踏まえてまとめました。
フリーランスに向いていない人の特徴
1.納期や約束を守れない人
雇う側からしたら、絶対に雇いたくない人は、「納期や約束を守れない人」です。どんなにいい成果物を作ってくれようが、納期が守れない人は次に声をかけることはありません。
納期までに80点のものを作ってくれる人は、80点の評価です。しかし、いくら120点のものを作ってくれる人であったとしても、納期に間に合っていなければ0点です。
2.できないことを「できない」と言えない人
仕事が来た段階で、他の仕事の兼ね合いなどでそもそもその納期が無理なこともあります。そういったときには、ハッキリとできないことを伝えなくてはいけません。
しかし、断ることができずに無理に引き受けてしまい、納期に間に合わせることができなかった場合、
「請け負った仕事を納期に間に合わせることができなかった人」
という評価になってしまいます。クライアントからの信用を失ってしまい、次からの仕事が来なくなる可能性もあります。
クライアントにしてみれば、断られた場合は、別の引き受けてもらえる人を探したり、納期を延ばすなどし調節することができます。受けてもらえると思っていたのに、直前になって「やっぱり無理です。」と言われる方がクライアントとしては困るのです。
もし、断りづらければ、
「いただいた納期ではできませんが、○日までなら可能です。」
「今引き受けている仕事の納期を○日のばしてもらえれば、こちらの仕事を優先させて、納期に間に合わせることができます。」
とできる条件を提示し交渉してみるのも手段の一つです。
3.「安定」していないとメンタルがやられる人
会社に雇用されている会社員と違って、フリーランスは自分のスキルや知識、行動力で仕事を探さなくてはいけません。
また、常に仕事があるわけではありません。案件が終了すれば、また次の案件を探さなくてはいけません。その期間中収入がゼロになることもあります。
フリーランスの働き方は自由な一方、不安定です。
不安定であったとしても、メンタルにさほど影響がない人はフリーランス向きでしょう。一方で、次の仕事が見つかるまで安心して眠れないようなタイプの人はフリーランスには不向きです。
4.指示待ちの人
基本的に、クライアントがフリーランスに求めるのは「即戦力」です。フリーランスを教育するのに時間をかけたり、業務を事細かく一から教えてはくれません。業務をするにあたって、オフィスやメーラー、連絡用のソフトウェア等(Skype、chatwork等)は最初から使えるものだと見なされています。もし、分からないことがあれば、目の前のパソコンで調べるのが当たり前だとも思われています。
「誰かが教えてくれるだろう」といつまでも指示を待っているだけの人間は、コストに見合ったパフォーマンスが得られないと見なされ、切られてしまいます。
5.責任をもって仕事ができない人
クライアント側が最終確認をしてくれるのだから、ミスがあれば教えてくれるだろうといい加減な仕事をしてしまう人は、フリーランスには向いていません。
最終的には、社内の人間が確認することになっていたとしても、ミスがあれば再度修正を依頼し、修正してもらった上で再度チェックしなくてはいけません。
その回数が多ければ多いほど、コストがかかることになります。
また、借りたものを期日までに返さない人、請け負った仕事をなあなあにして自分の仕事ではないようにふるまう人、自分が何をするべきなのか分かっていない人、できなければ誰かがフォローしてくれると思っている人もフリーランスには向いていないでしょう。
フリーランスとしてやっていけるのは、プロ意識をもって仕事を全うできる人です。
フリーランスに向いている人の特徴
1.スケジュール管理をしっかりできる人
在宅フリーランスの場合は、家が職場です。仕事とプライベートのオンオフがハッキリとしないため、ついダラダラとしてしまい、仕事が進まないこともあります。一度怠けてしまうと癖になり、なかなか悪癖が抜けません。
1人での作業ですので、納期がやばくなりそうでもせっついてくれる人はいません。仕事の進行具合について、自己管理ができなくてはいけません。
また、いくつもの会社から仕事を請け負うと、納期がブッキングしたり、同時進行で作業を進めていかなくてはいけないこともあります。
そのため、スケジュール管理は必須です。
スケジュール管理では、
- 振られた仕事の全体像を把握し、仕事量がおおよそどのくらいあるのかが分かること
- 自分の能力を把握し、振られた仕事がどのくらいの日数(工数)でできるのか正確に計算できること
- リテイク(修正)や体調不良、子どもの病気などでスケジュールが押すこともあるため、あらかじめ余裕をもってスケジュールを立てることができること
- 仕事の優先順位(納期などから)を把握し、今やるべき仕事がどれかが分かること
- 仕事全体のうちどのくらいが終わっていて、どのくらいが終わっていないのかを正確に把握できること
といった力が必要になります。
特に、「1」の仕事量がどのくらいあるのかを把握することはとても大切です。
クライアントの人間が、あまりその仕事内容をよく分かっていないこともあります。こういった場合、ふたを開けてみたら思っていたよりも多くの作業量が必要になることがあります。
また、仕事の発注の段階でうまくコミュニケーションが取れておらず、誤解のあるまま作業を進めてしまい、あとでトラブルになることもあります。
多くの仕事を抱えている場合は、ひとつの仕事が思っていたより多いとなると、他の仕事にまで影響を及ぼすこともあります。
思っていたよりも分量が多いことに早い段階で気づければ、スケジュールの立て直しができますし、担当者と相談し、納期をのばしてもらうこともできる場合もあります。
スケジュール管理では、自分の中でのスケジュール管理だけではなく、相手がどの仕事を優先させてほしいのか、どの時点でどのくらいのものが必要なのかなども知っておく必要があります。
2.密にコミュニケーションを取ることができる人
直接顔を合わせて仕事をするわけではない在宅ワークでは、コミュニケーション不足による誤解がよく発生します。
たとえば、発注したものが「動画」だったのにもかかわらず、成果物として届いたのが「静止画」だったということもありました。
こういった誤解に早く気付き、正すためにもコミュニケーションや情報交換をすることが大切です。
- レスポンスが早い
- スケジュールを共有する
- 進捗報告をする
- テスト用の中間成果物を送る
仕事が来た場合、すぐにその仕事が受けれるかどうかが分からなかったり、いつまでにできるのかを答えられないときもあります。そういう時には、
「いただいた仕事内容を確認します。」
「今は出先などで○○時以降に確認し、折り返します」
といったレスポンスが必要です。
またわからないことを分からないまま作業を進めてしまうと、あとで大きなリテイク(やり直し)が発生したり、それまでのすべての作業が無駄になってしまうこともあります。無駄な作業が増えるとそれだけミスも増え、確認作業により時間が取られてしまうことになります。
分からないことは自ら質問しすぐに解決しようとする作業ロスを生まない人は、フリーランスに向いていると言えるでしょう。
3.孤独でも大丈夫な人
会社にいるときには、仕事を進めるのはチームで進めることが多いでしょう。フリーランスの場合、仕事や作業は自分一人でやることになります。多くの場合は、相談相手もおらず、ひとりで考えながら仕事を進めていかなくてはいけません。
誰かに相談しながら仕事をしたい人、明確な指示が欲しい人、仕事の達成感を分かち合いたい人、チームワークが好きな人には孤独な在宅フリーランスは向いていません。
反対に、自ら考えて行動できる人、調べることが苦にならない人、発案するのが好きな人、自分の考えを言葉にできて相手に伝えられる人はフリーランスに向いていると言えます。
まとめ
フリーランスの向き不向きは、能力とメンタルで決まります。
能力については、いろいろと書かせていただきましたが、社会人として当たり前のことをこなせれば問題はありません。納期を守り、進捗報告を含めた「報・連絡・相」をし、スケジュールを自己管理し、責任をもって仕事を全うできればいいのです。
しかし、メンタル面でフリーランスに向いていない人もいます。私は今現在フリーランスで働いてはいますが、不安定な働き方がメンタルに向いておらず、いずれかはきちんと就職をしたいと考えています。
フリーランスには大きなメリットがあります。
それは働き方を選べるということ。
仕事だけではなくプライベートや家事、育児、病気や介護などと両立をさせたいときに、フリーランスという働き方は選択肢を広げてくれます。
フリーランスで働きたいと思っている方はぜひ、下の記事をご覧ください。
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