なぜ被害者は加害者のモラハラを抑える努力をしてしまうのか

なぜ被害者は加害者のモラハラを抑える努力をしてしまうのか

モラハラ環境は普通の環境ではありません。そして、それゆえにその環境で起こりうる心理状態があると考えています。

その一つが、モラハラ加害者のモラハラを被害者が治したり抑えるために本人以上に努力することです。

これはアルコール依存症患者の家族が、患者にアルコールを飲ませないようにすることを人生のテーマにしてしまうことによく似ています。

目次

モラハラ環境における私の体験談

私は、このような心理状態はモラハラ環境において起こるものであり、それが個人の資質等に依存しているものではないと考えています。

実際に私自身もモラハラ環境にいたときは相手がモラハラをするかしないかが自分の人生を大きく決定するものだと思っており、モラハラを治したり抑えたりすることについて思考を巡らせていました。

おそらく、その時私自身がモラハラという言葉を知っており、モラハラ対策をすることでモラハラを抑えられるのであれば、迷わずそれを選択していたと思います。

そして、その方法によってモラハラを抑えることができたら、自分の行動によってモラハラをコントロールできたことを大いに喜んでいたことでしょう。そしてそれは自分の中の成功体験だと紐づけられたかもしれません。

私は、結婚生活時代にモラハラという言葉に出会いませんでした。別居して初めてあの環境がおかしいことに気づきました。

別居後、結婚生活時代にはモラハラ被害を無くすために、夫の治療(うつ病)ばかりを考えていたことに気が付きました。

モラハラを受けている家族はアルコール依存症の家族と似ている

アルコール依存患者は、自分で飲酒をコントロールできない病気になり苦しんでいますが、実はその苦しみは家族をも巻き込み、家族全体が病理に侵された状態になります。そのため、アルコール依存症は「巻き込みの病」とも言われています。家族はアルコールをコントロールできない患者本人に代わって、患者の飲酒をコントロールしようと努力するようになります。

モラハラ加害者のモラハラも本人ではなくて周囲がそれをコントロールしようと努力してしまうところがアルコール依存症の家族の反応とよく似ているように感じます。

モラハラ加害者の居る環境はその環境にいる全員が病理に侵されているのかも

モラハラ環境から自分が居なくなれば、必然的にモラハラ被害はなくなります。子どもがいる場合には、離婚後も相手と関わざるを得ないこともありますが、同居をしている時と比べたら、その頻度や被害の程度は同居時と比べ大きく異なるでしょう。

しかし、一緒に暮らしているとき、私自身が相手から離れればいいという選択肢に気づくことはありませんでした。今から考えると、モラハラ環境にいたからその選択肢が見えていなかったのではないかと思うのです。

モラハラ環境というのは普通の環境ではありません。被害者は、恐ろしい加害者の様子ばかりに囚われて、自分自身が受けている洗脳や心理状態に気が付いていない可能性があります

モラハラ環境から脱出しないのは、洗脳されているからかもしれない

私は、もしあなたが彼らのモラハラを抑えることをこの先も続けていこうと考えている場合、それがあなた自身が選択した結論ではなく、モラハラ環境による心理状態からくるものであるかもしれないということを頭に入れておいて欲しいのです。高ストレスの環境下において、人の考えは平常時とは異なります。普通では考えられることも考えられなくなります。そしてその一つが、高ストレス環境からの脱出です。

中には、どうしても様々な事情がある中でその環境から逃げ出すことが難しい場合もあると思います。また、できることなら脱出するに場合おいても計画的に行わなければいけません。でなければ、脱出先で路頭に迷う可能性もあるからです。

まとめ

モラハラ被害にあっている人も、逃げ出せないさまざまな理由があり、その理由を差し置いて、「必ず逃げろ」と口に出すことはできません。

ただ、これから先の未来を選ぶときに、モラハラ被害を無くすことを考えたときに、1つのカードとして「離別」という選択肢もあるということを頭に入れておいてほしいと思います。

そしてそれを(たとえ選択しなかったとしても)選択できるための備えをあらかじめしておくことは、いざというときにあなたを救うかもしれません。

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