モラハラ夫のとの結婚生活は僅か5年にも満たなかったのですが、結婚当初からモラハラを受け、徐々にモラハラの頻度やその行為の度合いがエスカレートしていきました。
夫は自分と意見が違うときに私を貶めて「お前は常識がない」だの「お前は神経質すぎる」だの言って「お前がおかしいから俺の言うことを聞くべきだ」と結論付け、言うとおりにさせたがる人でした。もちろん、日常的にもモラハラはありましたが、私が感情を出したり、自分の意見を言うときには一層強くモラハラをしてきました。
私のモラハラ体験エピソード
あるときに夫と意見が対立することがありました。今となっては、一体どういったことがきっかけだったのかはよく覚えていません。
その時に夫はまた「お前が神経質だからだ」「もうお前とはやっていけない!離婚だ!」と言い捨て、別の部屋にこもって、私の悪口を義両親に言うためにすぐに電話をかけ始めました。
電話が終わるまで1時間ほどかかったでしょうか。夫が部屋から出てきました。
電話で一通り義両親と私の悪口を言い終わった夫は、機嫌を良くして「俺も悪かったところがあると思う」「お互いに次から気をつけような」と言ってきました。
しかし、意見の食い違いはまだ終わっておらず、夫からの謝罪も到底受け入れられる内容ではなかったので、先ほどの夫の言葉どおり、「しばらくお互いに距離を置きたい」と言いました。
元々の意見の食い違いについて話ができなければいったん離れたいと思いました。
すると、「なぜ俺が謝っているのに、そんなことを言うんだ!」と言って、先ほどの謝罪の言葉を口にした舌の根も乾かぬうちにふたたび激怒してきました。
「なぜ俺が謝罪しているのに、お前は怒っているんだ?お前のことが分からない!」と言ってきたので、
「でも、あなたもさっき離婚だと言っていたでしょう?その時の気持ちを思い出せば私の気持ちも分かると思うよ」と言っても、そんな言葉は到底受け入れられないというように、大声を上げながら「分からない!分からない!」と言い出し、そこら中のものを蹴ったり壁に頭突きをして大きい音を出したりし始めました。
夫にとって、自分が軽々しく「離婚だ」ということは良くても、妻から同じような言葉を投げかけられるのはプライドが許さなかったようです。
その時はアパートに住んでいて時間も夜中だったので、「近所迷惑になるから、車で走らせてその中で話をしたい」と言って外に出ることにしました。
夫は、車の中でも「分からない!」と繰り返し、急ブレーキや急ハンドルを繰り返すなどし、乱暴に運転を続けました。
そういった行為も今となっては、相手に言うことを聞かせるための脅し行為であったと分かります。当時の私は「冷静さを欠いているな」と思っていましたが、話し合いを続ける気なら怖い目に会わせるぞと言う脅しとしてわざと乱暴運転を行ったのでしょう。
モラハラ夫を黙らせた一言
そうして、何を言っても同じ言葉を繰り返す夫に冷静に話をし続けることも疲れたため、
「そう、じゃあ、あなたには分からないんだね」
と一言だけ言い放ちました。
すると、どうでしょう。
今まで「分からない!」を繰り返すだけだった夫が突然話すのをやめて考え始めました。
そうして、そのあとはこちらの意見を聞き始め「分かった」と急に意見を変えたのです。
これは私の結婚生活で、数少ない「モラハラをやめさせた言葉」の1つでした。
モラハラ夫がこの言葉でモラハラ行為をやめた理由
なぜこの言葉で夫の態度が変わったのでしょうか。この言葉が「モラハラに効いた」理由を私なりに考察しました。
おそらくこの様な急激な変化には、夫が私の言葉を「あなたには分かる能力がないんだね」と受け取ったからではないかと思います。
もしこのまま「分からない!」と言い続けたら、夫は自らの言動でそれを認めることになります。
しかし、プライドの高い夫にとっては、「能力がない」ことを自ら認めるわけにはいきません。
そこで、「分かる夫」を急に演じるように態度を一変させたのではないでしょうか。
モラハラをやめた理由は、「分かる夫を演じる」ため
モラハラ行為をやめさせるための方法
このことから、モラハラをやめさせる方法が分かります。
それは、「モラハラ加害者がプライドを保つために、モラハラ行為をやめなければいけない状態に持っていく」ということ。
モラハラ行為をしていることが、自らのプライドを貶めることにつながることを相手が理解することができれば、モラハラ行為は一時的にストップします。
しかし単純に「そんなことをやると恥ずかしいよ」といってもモラハラ行為はおそらくやまないでしょう。「お前がこういうことをさせているんだ!」と言って、責任転嫁をしてくるだけです。この行為が世間的に恥ずかしいということは本人もよく分かっており、だからこそ他人の目がない「密室」で行います。そして、モラハラ被害者にモラハラ行為をすることを、モラハラ加害者本人は恥ずかしいと思っていません。なので、「モラハラ行為をやめなければならない」と思うに至りません。
ポイントとなるのは、相手の言葉を認めつつ、言葉の通りになるのは何らかの能力がないからという結論にもっていくことです。そうすると、自らの言葉が自らの首を絞めることに気づき、モラハラ行為が止まります。
★この体験談について、その後の考察を書いています★
まとめ
モラハラ夫に対しては、間違いを指摘しよう、相手の話を論破しようという姿勢でいるよりも、モラハラ自体を「くだらないこと」「そういうことをしてしまう人こそ恥ずかしい」という対応をしたほうがいいと考えられます。
しかし、この方法でも長期的にモラハラがなくなるわけではなくその場しのぎの対処療法です。結局は、同じモラハラ行為を繰り返します。
モラハラと完全に決別するには物理的に距離を取るしかありません。
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