なぜ家族がモラハラを治すのは難しいのか?

モラハラを治す方法がモラハラ夫に有効ではない理由

まず、初めにこのブログの中では、何度か『モラハラを治す方法』についての記事を書いていますが、それらの記事は、

  • モラハラ被害を受けたため、自身がモラハラ加害者に転じてしまうのではないかと不安を抱えている人
  • 子どもがモラハラ加害者になってしまった人
  • 自分のモラハラを治したいと考えている人

に向けて書いています。

決して、モラハラ夫を治すための方法として発信してはいません。

その理由は、3つあります。

1つ目は、家族がモラハラ加害者を治すことが非常に難しいこと。

2つ目は、すでにモラハラ夫と出会った時点で治らない(治すのが困難な)モラハラ加害者』である可能性が高いこと。

3つ目は、たとえ働きかけによってモラハラを自覚できたとしても、治るのには長い年月を要し、最悪治らない可能性もあることからです。

目次

なぜ家族はモラハラ加害者を治すことが難しいのか?

家族がモラハラ加害者を治すことが難しい理由があります。

周囲からのモラハラ二次被害を受けやすい

まず、第一に家族は『モラハラによる二次被害』を受けやすいからです。

『モラハラによる二次被害』というのは、モラハラ加害者が家族内にいることで、

  • 周囲からモラハラ加害者と同じような人間であると誤解される
  • モラハラ加害者がやった責任を家族が代わりに取るべきだと周囲から言われる
  • 家族にモラハラ被害の金銭的請求が来る
  • モラハラ加害者と同類だと見なされ、縁を切られる
  • モラハラ加害者がモラハラをするのはあなたにも責任があると言われる
  • モラハラ加害者のモラハラをあなたが止めるべきだと言われる

と言った間接的なモラハラの被害のことです。

このような被害は、たとえばカウンセリングに当たっている精神科医や、親身になって協力してくれている友人の場合はほとんど発生しません。

しかし、家族である以上、「連帯責任」「同類」と見なされる傾向にあります。

家族は、周囲から白い目で見られないようにするため、周囲に迷惑をかけまいとするために、本当はしてはいけない「モラハラの責任を代わりにとる」行動をしてしまうようになります。こういった二次被害が招くのは、加害者・被害者の「共依存」です。

モラハラ加害者は、責任を別の人が取ってくれることで、モラハラを治せなくなります。(詳しくはこちらの記事をご覧ください。→共依存はモラハラを加速・助長する

つまり家族の場合、モラハラ二次被害を受けまいとして責任を代わりにとることで、『モラハラを治療するのを妨げる』可能性があるのです。

結果、いくら治療しようと努力しても無駄に終わってしまいます。

心や体を休めるパーソナルスペースを確保することが難しい

精神科医などの場合は、モラハラ加害者の治療をする時間が終われば、心身を休める時間を取ることができます。

友人の場合、相手にウンザリすれば、しばらく距離を置くこともできるでしょう。

しかし、家族である以上、物理的な距離を取ることが難しく、多くの場合は嫌でも毎日顔を合わせなくてはいけません。モラハラ夫の機嫌が悪いときはその八つ当たりを受ける可能性が高いのも家族です。

家族の場合は、被害を24時間受け続ける可能性があり、被害者の心身へのダメージも大きくなります。その状態でモラハラ夫を治そうと努力することは、被害者の負担ばかりが大きくなってしまいます

モラハラ夫を治そうと努力をしていたはずなのに、いつの間にか被害を我慢する努力をしていることになりかねません。

モラハラ夫が『治らないモラハラ加害者』である可能性が高いのはなぜ?

そして、もう一つ。モラハラ夫は治らないモラハラ加害者である可能性が高いということです。

モラハラ加害者は、人にモラハラをすることで人間関係での摩擦を抱えやすく、過去に人間関係で失敗をしていることが往々にしてあります。

さらには、学生から社会人にかけて人間関係は友人だけではなく、先輩・後輩、上司・部下というように広がっていき、複雑化していきます。

つまり彼らは、人間関係の失敗や、複雑化した人とのかかわりあいの中でも「自らの行動を省みることができなかった」ために、今現在も『モラハラをしている』のです。

私の元夫は、上司から「傲慢な態度」を注意されたのにもかかわらず、上司を逆恨みし、自分を反省することはありませんでした。

幼いころにモラハラをしてしまっていた人たちの中にも、人生の途中で自らの性格に気づき、修正することができたパターンは多くあるでしょう。

一方で、大人になってもなおモラハラをしている人たちは、いろんな人たちからの助言をはねのけてモラハラ街道を突っ走っている人であると言えます。

その人たちに「自覚をさせ」「治す方向にもっていく」ことは非常に困難であると言わざるを得ません。

また、モラハラの根本的原因の一つである自己愛性パーソナリティ障害は、年を取るほど悪化し、治らなくなると言われています。

若いころであれば治ったかもしれないモラハラ夫も、年を取れば取るほど治らなくなっていくのです。

若いころは脳が柔軟なため、考え方や価値観を修正することが容易です。しかし、年を取るにつれて脳が固定されてくると、考え方や価値観も固定されていきます。

あなたの親の考え方を変えようとすることが「難しい」と感じるのであれば、このことがよく分かると思います。

すでに大人になっているモラハラ夫を修正しようとするのは非常に困難です。

まだ治る可能性が十分にある自分の子どもがモラハラ加害者になってしまったときに知識を役に立ててほしいと思います。

モラハラを自覚したからと言って治るわけではない

モラハラを治すためにはもちろんモラハラをしている自覚をしなくてはいけませんが、自覚ができたところで必ずしも治るとは限りません。

モラハラ夫が、年を取り孤独になった時に初めて自らを省みて、「モラハラを自覚する」かもしれません。しかし、年を取ってから気づいたとしても、そこから「固定」されている脳を大きく変えることは難しいと言えるでしょう。

また、モラハラを治した友人は10代のときにモラハラを自覚しましたが、治すまでには20代を費やしたそうです。また、今現在も時にはモラハラが出てしまうこともあり、モラハラを抑えることの困難さを口にしています。

モラハラをしている期間が、たとえ10数年であったとしても、その後の長い人生をかけてモラハラを治していく努力をしなくてはいけないのです。

20年、30年、40年…モラハラをしていた期間がのびればのびるほど、治すのにかかる時間ものびると考えるのが普通です。

30代のモラハラ夫が自覚したとして、モラハラが治まるまでにはそこからさらに30年かかる可能性だってあるわけです。治療に付き合うということは、治療にかかる30年間、あなたの人生を犠牲にすることでもあります。

さらにいえば、努力したところで一生治らない可能性も決して低くはありません。

まとめ

私はモラハラ加害者を治すのは(仮に可能だったとしても)非常に難しいと考えています。

モラハラ夫から被害を受けていて、改善してほしいと強く思っている場合であっても、妻自身が心理学などを学び改善させる方法を身につけることは最善策ではありません。被害に遭って、精神的にボロボロになっている人が、治るかどうかも分からない人のために、これ以上努力を重ねる必要などないからです。

治療に付き合うということは、その期間のあなたの人生を費やすということ。

モラハラ夫への治療に付き合うのは、治るも八卦、治らぬも八卦の大博打です。

しかもその博打のために賭けるのは、あなたの人生のほとんどです。

私は、元夫へそんな義理や感情はありませんし、いまさらモラハラをどうのこうのして治してもらおうとも考えていません。

考え方は人それぞれですが、「モラハラ夫をあなたの人生を賭けて治す価値があるのかどうか」もあわせて考えなくてはいけません。

 
モラハラを治す方法がモラハラ夫に有効ではない理由

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