あおり運転暴行事件の容疑者が捕まりましたね。
世間の注目を集めていたこの事件。早期解決に至って本当に良かったと思える事件でした。
これまでの報道をまとめるとともに、被害者が「証拠を確保」し、「世間に訴える」ことの大切さを見ていきましょう。
1.増加するあおり運転摘発数
後続車からあおられて道を譲るように強要される「あおり運転」の被害に遭ったことがある方は多いのではないでしょうか。
東名高速でのあおり運転を受け夫婦が死亡した事件を受け、社会的にもあおり運転に対する意識が高まっています。警察庁が取り締まりを強化し、2018年には前年度の約2倍の11,793件の摘発があったそうです。
あおり運転の被害は他人ごとではありませんし、身を守るためにドライブレコーダーをつけることを警察庁も推奨しています。(ドライブレコーダーの活用について:警察庁公式サイト)
1-1.急いでいるわけでもないのにあおり運転?
報道の発端となった常盤道でのあおり運転と暴行行為だけではなく、それ以前にもあおり運転を繰り返していたという容疑者。被害に遭われた方のドライブレコーダーの映像がニュースでも流されていますが、その運転を見ると他のあおり運転とは違う点が見られます。
あおり運転をした後、わざと減速をして被害者の車にブレーキを踏ませています。一歩間違えれば、被害者の車は後続の車から追突されるなどして事故に遭う可能性があります。
急いでいて余裕がなかったという場合には、抜かした後に減速をしてゆっくり走るようなことはしないはずです。
容疑者の運転からは、あおり運転をすること自体が目的のように見受けられるのです。
また、高速道路で時速30キロ以下にまで急に減速するような急ブレーキや、嫌がらせ目的の蛇行運転、幅寄せなど「事故を誘発させる危険運転」も目立ちます。
1-2.誰しも被害に遭う可能性がある
今回のケースでは、道路を走っていただけで誰しも被害に遭った可能性があります。
容疑者は危険運転を繰り返し、その理由となるのは些細なことであったり、普通の人には理解しがたいものばかりでした。ちょっとしたことで相手を逆上させ、あおり運転に巻き込まれる可能性があるのです。
2.危険運転から人柄が見抜ける?加害者の心理とは
今回のあおり運転暴行事件を見ていて思ったのが、元夫ととても似ているところがあるということです。夫は、機嫌が悪くなると急ハンドルや急ブレーキ、急発進などをして危険な運転をすることが多々ありました。
夫は車好きで、運転技術に自信がありました。だからこそ、車を完全にコントロールできるという意識があったのでしょう。私は夫が乱暴運転をするたびに自分が死ぬのではないか、子どもたちに何かあるのではないかと強い恐怖と不安を感じていました。夫は、自分では車をコントロールできるから絶対に事故にはならないと思っていてやっていたのかもしれません。しかし、同乗者や周囲からすれば、命の危険を感じる運転には違いありませんでした。
元夫と容疑者の危険運転に共通する目的は、同乗者や被害者へ「強い恐怖を感じさせる」ことではないかと思います。
私は、乱暴運転の目的は殴る真似をするのと似ていると感じています。本人にしてみれば、「ちょっとした脅し」でこういうことができてしまうのです。
2-1.あまりにズレた加害者側の意識
DV加害者の中には、付き合っているときには暴力を振るわなかったけれど、殴る真似をする人が多かったというデータがあります。
そして、その行為を非難されれば「冗談だよ、何ムキになっているの?」と茶化すのです。つまり、被害者側からすればひどい行いも、ちょっとしたゲームや遊びのような感覚でできてしまうという意識の違い。
それと同じように、危険運転や乱暴運転もまた、彼らにとっては「遊び」だからこそ簡単に出来てしまうのではないでしょうか。
2-2.加害者側の被害者意識の高さ
また、逮捕の様子も報道されました。
逮捕時の容疑者は「さも自分は被害者」だと言わんばかりの態度だったと、報道を見て感じた人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
逮捕の一連の様子の中には、同乗者の女性が「相手の方があおってきたんですよ」とカメラに向かって言う場面が映されています。また、「車をぶつけられた腹が立ったから殴った」というセリフも飛び出しています。
警察に捕まる時ですら、「自首しようとしている人を無理に抑え込もうとする警察」のようにアピールしています。
自分たちのことを「被害者」であると思っているような行動。
彼らの言動には、
自分の方こそが被害者だ
そして、
被害者だから何をしても許される
という意識が透けて見えます。
2-3.「反省」や「自分にも悪いところがある」という意識が微塵も感じられない
あれだけ証拠の動画が報道で流されて、世間からもバッシングされているのにもかかわらず、逮捕の様子からも「自分が悪いことをした」という意識が微塵も感じられません。
それどころか、自分たちがまるで被害者のようにすらふるまっています。
しかし、自宅ではないところに身を隠していたこと、変装をしていたこと、逃げる準備かのような服装からも「捕まれば不利になる」と分かっていて逃げようとしていたように推測できます。
2-4.「手をつないで!」からは幼児性を「こっち来い」からは支配関係を感じさせる
逮捕時に、同乗者の名前を連呼し、「手をつないで」と要望した容疑者。同乗者の女性は交際相手だったようですが、大の大人が「手をつないで」と要求する場面には違和感を覚えました。また、女性の方も警察に対して「ひどいことしないで」と容疑者をかばう発言も多く飛び出しました。まるで子をかばう母のようなこの言動。同乗者の女性は、容疑者にとって母親のような存在だったのか、と感じさせました。
一方、「こっち来い!」「テレビカメラに向かって○○と言え」のように命令口調で女性に指図している場面も写されています。ここからは支配関係をもうかがわせます。車を返却する際に、容疑者はその場にあらわれなかったのにもかかわらず、同乗の女性はいたことから、命令をして動かしていた可能性もあります。
2-5.クレーマーの一面も
追加で報道されている内容を見ると、容疑者たちはクレーマーの一面もあったようです。容疑者たちは、飲食店で「お茶がこぼれてやけどした」などと言いがかりをつけて、「一筆書け」と店主を脅していたことも明らかになりました。
今回の事件が起こる前にも周囲とのトラブルが絶えなかったという容疑者。悪いことが重なって起きた事故というよりは、起きるべくして起きた事件と言うべきでしょう。
このクレーマー気質、トラブルメーカーな一面は元夫にも共通しています。夫は、私が知る限りでも、飲食店、宅配業者、ディーラー、不動産会社などにクレームをつけ、トラブルになっています。
3.当初は「何をしたらこんなにキレさせるんだ」という被害者を責める声もあった
テレビでドライブレコーダーの映像が流れ、ニュースとして取りあげられた直後には、被害者側の行動を追求するような声も実はインターネット上にはありました。
あまりにも怒っている容疑者を見て、「何をすればこんなにキレさせることができるんだ」というように、容疑者の怒りを招いた被害者にも非があるような書き込みがされたのです。
しかし、彼らの強い怒りの原因は、その怒りに見合わないような些細なことで始まり、普通の人の怒りとは明らかに違うものです。
こういった二次被害はモラハラの場合にもよく見られ、「激怒させる被害者にも非があったのでは?」と考えられてしまいます。多くの人は、異常な加害者の心理を理解できないのです。
4.被害者が声を上げることが大事!
今回の常盤道での暴行事件。被害者の方が動画を提供しなければ、「なかったこと」にされていた可能性が高いでしょう。そして、世間や警察を動かした原動力になったものの一つに、ドライブレコーダーという決定的な証拠があったということです。
次の被害を無くすためには、
- 被害者が声を上げて訴えること
- その証拠を確保すること
が大事になります。もちろん、加害者は証拠がなければどこまでも言い逃れをし、逃げおおせようとするでしょう。証拠のあるなしは、逮捕できるかどうかにも大きくかかわってくるわけです。逮捕されなければ、次の被害者が出るかもしれません。
4-1.あおり運転被害に遭ったら警察へ 報告サイトで情報共有も!
もし、悪質なあおり運転被害に遭った場合は、警察に連絡をしましょう。
また、あおり運転を含めた迷惑運転をする悪質な車両を報告するサイトがあるので、あわせて報告しましょう。(インターネット上から投稿が可能です)
当サイトは、車やバイクなどによる悪質行為の抑止を目的としたサイトです。
煽り運転(あおり運転)、スピード違反、信号無視、当て逃げ、迷惑駐車・無断駐車などの悪質行為の被害に遭われた方・情報をお持ちの方はご投稿よろしくお願いいたします。
今回の事件でも、同容疑者からあおり運転を受けた人たちがこういった共有サイトに被害報告をしていたため、悪質性が高いと判断され早期公開手配、逮捕につながったと考えられます。被害を増やさないためにも、情報を提供し、悪質運転車両情報を共有することが大切です。
4-2.ドライブレコーダーは前だけでなく後ろにも!
ドライブレコーダーをつけて、自分で自分の身を守る意識も大切です。また、前だけではなく後ろにもつけるとより確実でしょう。
いまでは360°撮影できるタイプのものもあり、今回の事件をきっかけに注目を集めているようです。
まとめ
加害者側の意識として、「些細なことがきっかけで、なんのためらいもなく危険運転ができる」こと、「悪いことを反省し、自分の行動を省みる」ことがないことが伺えます。自ら反省し、行いを正すことがいかに難しいことか分かるでしょう。
つまり、被害者側が被害を訴えて世間や周囲に暴露しない限り、この事件を反省しないどころか、さらに被害は増える可能性があるわけです。
このサイトのテーマであるモラハラも同じです。自ら反省することがない加害者に対して、毅然とした態度で被害を訴えなければ、今後も被害が続いていくことになります。
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