モラハラ夫に何かをお願いしようとしたとき、そんな意図もないのに急に「傷つけられた!」と言って怒り出したことはありませんか?
モラハラ夫は被害妄想が強く、こちらが全く違う意味で言った言葉ですら「貶められた」「傷つけられた」と言ってきます。
それを「そういう意味で言ったのではないよ」と諭すように話をしたところで、「俺がそう受け取ったのだから、そういう意味になってしまうんだ!」と言って聞く耳を持ちません。
厄介なモラハラ夫の被害妄想。なぜ、被害妄想が起こるのか、その時にどのように対処したらいいのかをまとめました。
1.モラハラ夫は自分の怒りの原因がよく分かっていない
まず、モラハラ夫は、自分自身のことをよく分かっていません。自分のことをよく分かっていないので、現実からかけ離れた自己像を掲げることができますし、理想的な自分が本当にいると信じて疑いません。
彼らは、自分のことがよく見えていないのです。
そして、抑圧されて育ってきたために、「自分の怒り」の感情の原因が「どこから来ているのか」を知りません。
モラハラ夫が怒りの原因を妻に押し付け、些細なことでも突然怒り出す理由は、彼らは自分のことがよく分かっていないため、
その怒りの原因を身近なもので手っ取り早く理由づけるからです。
この時には、彼らの「被害妄想」の理由はなんだっていいのです。
とりあえず溜まったうっぷんやストレスをぶつける理由が見つかればいいので、妻が言った一言にキレたことにし、何と言われようとも「妻のせい」にします。
2.反応する「特定のキーワード」「特定の場面」があれば、それはモラハラ夫のトラウマである
特定のキーワードに対して、強い怒りを表す場合、そのキーワードはモラハラ夫自身の地雷でありトラウマです。
過去に、そのキーワードにまつわることで何らかの強い悲しみ、怒り、苦しみを感じてそれを昇華できずに心の傷として抱えています。
たとえば、子育ての中でモラハラ夫が切れる場面に特徴があることがあります。
私の夫の場合は、「子どもが親の言うことを聞かなかったとき」「子どもが泣き、夫が泣き止ませられなかったとき」「子どもが失敗をしてしまったとき」に急に怒りを爆発させて人が変わったかのようになりました。
おそらく夫は、
「自分自身が親の言うことを聞かなかったとき(親と意見が違ったとき)」
と
「感情を表現した時」
と
「親の言うとおりにできなかったとき」
に親からきつく怒鳴られたり、モラハラを受けてきたのでしょう。
それが、夫の中でトラウマとなって、似たような場面に遭遇したときに「その当時の記憶がフラッシュバックし、心は当時の気持ちの状態に近くなる」のではないかと考えられます。
このときにトラウマは、過去をリアルタイムで追体験させていると考えられます。彼らの怒りは今ここにはなく、「キーワード」や「場面」によって呼び起こされた過去のできごとに対して怒っているのです。
「本当はそういう意図で言っていない言葉が」彼らの心の傷を呼び起こしてしまうため、そこに過敏に反応し、「被害妄想」のように見えるのではないかと私は考えます。
この時の怒りは、火山が地底でマグマをため込み急に噴火するかのように、癒えずに溜め込まれた何十年もの怒りが一気に噴火するわけです。人が変わったかのような激怒(鬼の姿)はまさに溜め込んだ何十年もの怒りを具現化したものだと言えるでしょう。
3.中には、こころの病気の可能性も?
自己愛性パーソナリティ障害だからと言って、他の病気にかからないわけではなく、いろいろな病気が複合しているケースも見られます。
被害妄想が強い場合、「統合失調症」や「妄想性障害」の可能性もあります。
どちらも周囲の人を敵だと思い込み、攻撃をする心の病気です。
特にストレスをためやすい自己愛性パーソナリティ障害の人は、心の病気にもかかりやすく、二次的な病気によってますます本人が生きづらさを抱えることもあるようです。
モラハラ夫の被害妄想にどう対処したらいいの?
(1)モラハラ夫の決めるルールや主張に耳を貸さない、守らない
モラハラ夫の被害妄想は、「いつ、どこで、どんなときに」起こるのか分かりません。
単に機嫌が悪いだけでも起こるため、モラハラ夫を怒りをなだめるために動いていたのではキリがありません。
そして、言っていることもコロコロ変わるので、モラハラ夫の言う内容に対して反応をしてはいけません。
モラハラ夫の「主義、主張、ルール」は、今日と昨日では変わっていますし、また明日になったら変わっているでしょう。
それを守ることには何の意味もありませんし、夫の采配一つで簡単に変わるどうでもいいものだと正しく認識しなくてはいけません。
この時に大切なのは、モラハラ夫の言っている内容には耳を傾けないことです。
今日、明日で変わるルールに付き合えば、際限なく変わり続けるルールに対応しなくてはいけなくなります。
意味がないうえに、やってる方は疲弊します。
「私は私!」と自分のルールを守りましょう。
(2)モラハラが起こらない場所に避難する!
瞬間的な効果があるのは、「外に出る」です。
実際に、私がモラハラを「中断させる」効果があった方法でもあります。
モラハラ夫は、家の中で裏の顔を出し、ひっそりとモラハラをすることが得意です。反面、外では別の人物のようにふるまいます。
モラハラは爆発的な怒りですが、それがコントロールできないものではなく、コントロールしてやっているという特徴があります。
家や車の中だけといった『特定の場所』や、妻や子どもだけといった『特定の人間関係』の中で起こり得ます。
逆に言えば、
「この人がいるときはモラハラが起こらない」
「この場所ではモラハラが起こらない」
ということが起こりうるわけです。
私の場合は、それが「外」でした。
多くのモラハラ夫の場合、外面は良いので、「外に出ればモラハラが治まる」ことは往々にしてあると考えられます。
(3)説得はしない、共感する
私が夫に、「そういう意味で言ったわけではないよ」といくら言葉で説明したところで分かってはもらえませんでした。夫の中では「こう!」と決まった結論があり、それは人からの意見では一切揺らがなかったからです。
相手がどういう意図で言ったのかなどは関係がありません。
ただ夫にとっては、「そういう意味に聞こえた」ことの方が大事なのです。
彼らの怒りの原因は、目の前のできごとには基本的にはありません。目の前のできごとはいわば怒り出すきっかけであり、根本的な原因は過去にあるからです。そのため、些細なことに似つかわしくないほど激怒します。
だからこそ、その場面にあった出来事を持ち出して、説得したり争ったりすることには意味がないのです。
言葉で説得したり、分かってもらおうと話し合いを続けることは意味がないことを覚えておかなくてはいけません。
もし、モラハラ夫の気持ちを落ち着かせたければ、モラハラ夫へ共感することです。しかし、モラハラ夫への共感は難易度が高く、かえって「お前に俺の何が分かるんだ!」と火に油を注ぎ、余計な説教が始まってしまう可能性もあります。ちょっと難しそうだな、と思えばやめておいた方が無難です。
「あなたはそう思ったんだね」の一言で、会話を終わらせましょう。
(4)病気のときには病院やクリニックに受診を!
妄想性障害では、「疑い深い、嫉妬深い、秘密主義」の人がなりやすいと言われており、これはモラハラ加害者の特徴にも当てはまります。また、統合失調症は、早めに治療をしないとどんどんと悪くなっていき治らなくなってしまうそうです。
妄想がエスカレートすると、自害や他殺といった危険行為にも発展していく可能性があります。
早めにクリニックに相談しましょう。
まとめ
モラハラ夫は、基本的には人を信用していません。もちろん、妻のこともです。
だからこそ、「妻である私がそんなことをすると思う?」と言ったところで、「そうだな、お前がそんなことをするはずがない」と分かってはくれません。
「お前の何が信用できるって言うんだ!」とひどい言葉を投げつけてきます。
あなたが弁明すればするほど、「余計に怪しい!」と思って、モラハラのドツボに嵌ります。
妄想がひどければ、専門家などに頼ることも必要です。(家族相談、家族受診をしているところもあります。)
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